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■--憲法の三大原則
++ 山崎久隆 (社長)…1079回          

(基本的人権の尊重、主権在民、平和主義)を
 | 踏みにじる原発
 | 5/3憲法記念日によせて〜
 └──── (たんぽぽ舎共同代表)

◎基本的人権の尊重−「規制委の地震想定の誤り」と
 「避難計画の実効性」不備は人格権を侵害する

 昨年から今年にかけて2つの裁判で、住民側が勝訴した。
 3月16日、水戸地裁で東海第二原発差し止め訴訟、12月4日、大飯
3、4号機差し止め訴訟である。
 いずれも、重大な原発事故発生を未然に防止すべき国と事業者の対策
が極めて不十分と指摘された。

 大飯原発は規制委の地震想定の誤り、東海第二原発は避難計画の
実効性についての問題を指摘している。
 いずれも、再稼働以前からずっと問題とされていた点であり、福島
第一原発事故の後の新規制基準が作られた後も問題が大きいものだった。

 原発が重大事故を引き起こせば、住民を被曝させ、それを回避する
ためには非情な避難を選択しなければならない。これが福島第一原発
事故で実証されたことだった。
 地震想定の誤りは、大量の放射性物質を放出する過酷事故を引き
起こしてしまうし、そうなった後に広域避難を強行すれば、十分な避難
計画と実施体制を準備していなければ大勢の命を危険にさらすことに
なる。
 いずれも重大な人権侵害を引き起こすから、人格権を侵害し不当
であるとの判決に繋がるであろう。

◎主権在民−民意を聞かない姿勢は憲法の精神を否定している

 原発とはエネルギー供給手段の一つに過ぎない。
 原発で作れるのは電気に過ぎない。現時点では貯めておくことも
出来ない。
 その生産手段に何を使うか、それを国家に押しつけられる謂われはない。
 しかし日本においては電力生産は国策であり続け、そのためにウラン
濃縮工場や原発、そして再処理工場が市民の声を無視して
建てられてきた。

 たとえば六ヶ所村再処理工場の総事業費は13兆9400億円もの巨額の
費用をかけて、出来ることと言えば大量の放射能を環境中に
まき散らし、わずかのプルトニウムを回収する。
 これで発電しても、それを遙かに上回るエネルギーを放射性廃棄物の
管理や処分に費やしてしまう。
 実態を知れば高レベル放射性廃棄物ガラス固化体を受け入れる
ところは何処にもない。
.. 2021年05月07日 07:26   No.2188001

++ 山崎久隆 (社長)…1080回       
 実際に再処理工場から出る高レベル放射性廃棄物処分場は北海道
寿都町と神恵内村が名乗りを上げたが北海道には高レベル放射性廃棄物
の持ち込み禁止条例があるうえ、市民の力で撤回させることに
なるだろう。
 東京電力福島第一原発事故以降は、原子力政策に関し民意を聞こうと
はしない。
 東海第二原発の再稼働について県民投票条例を求める署名が法定数を
超えて集まっても、条例制定を県議会は否決し、大井川知事も
反対した。このような姿勢が原子力行政では常態化していることから
も、民意を聞かない姿勢は憲法の精神を否定している。


◎平和主義−「再処理工場の稼働」と「プルトニウム保有」は
 憲法の平和主義にも反している

 アジア全域で国際情勢が緊迫度を増してきた。特に米中の対立
状況は、トランプ政権からバイデン政権に変わっても続いている。
 中国の軍事膨張政策に対して既存の軍事プレゼンスを堅持しようと
する米軍との距離は接近し続け危険水域に迫ろうとしている。
 香港の民主化勢力を強権的に潰した習近平政権は、さらに台湾への
圧力も強めている。

 そのような中で、日本の政治家の中には改憲と共に「非核三原則
見直し」を主張する人々も多くいる。
 米国の核兵器を日本に置いたり、核を搭載した原子力潜水艦の寄港を
認めることを容認し、将来的に核武装も可能なレベルの原子力技術を
保持すべきと考えている人もいる。

 周辺国との軍事緊張を高める行為は、平和主義とは相容れない。
 憲法が求めるのは、核武装ではなく核兵器廃絶条約への署名、批准へ
と向かうことである。
 非核兵器国で唯一、商業規模の再処理工場を稼働させ、46トンの分離
プルトニウムと核兵器級のプルトニウムをも保有している日本は、
憲法の平和主義にも反している。

◎憲法の危機

 原発や核燃料サイクル施設がある限り、日本には平和も国民主権も
基本的人権もない。
 東京電力福島第一原発事故が示したのは、ドラスティックな原子力
政策を転換する必要性であったはずだ。ところがいま、とんでもなく
大きな揺り戻しが始まっている。
 例外的とされたはずの40年を超えた老朽原発の再稼働も4基許可
された。

.. 2021年05月07日 07:35   No.2188002
++ 山崎久隆 (社長)…1081回       
 「気候変動対策」として、炭酸ガスを出さない電力として原発の
再稼働を推進し、今後も2030年には23基もの原発を稼働させることを
求めている。
 日本は残念ながら依然として破綻への道を進んでいるようだ。
 原発を廃炉に、再処理工場を止め、エネルギー政策の転換を実現
しないと、未来は無い。

.. 2021年05月07日 07:43   No.2188003
++ 木原荘林 (幼稚園生)…3回       
老朽原発うごかすな!
 | −闘いの概要と闘いで学んだこと−  (その2)(5回の連載)
 | 関電は原発を安全に運転する資質と体制を有していない
 | 新規制基準は極めて不完全、規制委の審査はいい加減
 └──── (若狭の原発を考える会)
        ※(その1)は4/26【TMM:No4185】に掲載

老朽原発再稼働をめぐる動き

◎ 福島第一原発事故は、原発が重大事故を起こせば、職場を奪い、
農地を奪い、漁場を奪い、学校を奪い、生活の基盤を根底から奪い去る
ことを、大きな犠牲の上に教えました。その原発が老朽化すれば、
危険度が急増することは多くが指摘するところです。それでも関西電力
と政府は、運転開始後40年をはるかに超えた老朽原発・高浜1・2
号機、美浜3号機の再稼働を画策し、全国の原発の60年運転を先導
しようとしています。

 関西電力は2020年9月18日、美浜3号機、高浜1号機の安全対策
工事が完了したと発表し、これらの原発の2021年1月、3月稼働を
狙っています。
 また、高浜町議会は11月25日、高浜1号機の再稼働に同意し、
美浜町議会も12月15日、美浜3号機の再稼働に同意しています。

◎ ところで、原子力規制委員会(規制委)が、老朽原発の40年超え
運転を認可したのは2016年ですが、この認可以降に、関電の原発に
関して、蒸気発生器配管の減肉・損傷、原発再稼働準備工事中の死亡を
含む人身事故、原発関連工事費の不正環流など、トラブル、事故、
不祥事が頻発しています。
 運転認可時には想定されなかったことばかりです。
 原発の40年超え運転が理不尽であること、関電が原発を安全に運転
する資質と体制を有していないこと、また、新規制基準が極めて不完全
で、規制委の審査がいい加減であることを示しています。

.. 2021年05月08日 07:41   No.2188004
++ 木原荘林 (幼稚園生)…4回       
◎ 一方、関電は、使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を2018年内に決定
すると明言していましたが、約束を反故にしたまま今に至っています。
それでも、関電は、使用済み核燃料を増やし続ける原発の運転を継続
し、老朽原発の運転まで進めようとしています。
 また、その関電を援護する電気事業連合会(電事連)は、12月17日、
むつ市の中間貯蔵施設は、東京電力と日本原電の使用済み核燃料の貯蔵
を前提に設立されたにもかかわらず、原発を保有する電力会社の共用に
することを検討すると発表しました。人々の安全や安心を顧みない
身勝手極まりない関電や電事連の姿勢の現れです。許されるものでは
ありません。宮下むつ市長は、共同利用に不快感を示し、受け入れを
拒否しています。

◎ このような関電の老朽原発再稼働の野望を粉砕するために、9月
6日、「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか(「9・6大集会」と
略)」が、新型コロナウイルス(以下、コロナと略)、超大型台風、酷暑を
乗り越えて開催され、引き続く「老朽原発うごかすな!キャンペーン
期間」「老朽原発うごかすな!大阪→美浜リレーデモ」「老朽原発
うごかすな!美浜大集会」などの行動を通して、「老朽原発
うごかすな!」の強い決意が示されました。

 また、私たちは、これらの行動の準備・実行の過程で、市民運動、
大衆運動、抵抗運動とは何かについて、多くのことを学習しました。
 以下、(その3)(その4)に、上記行動の概要とその準備・実行過程で
私たちが学んだことを紹介します。 (その3)につづく
        (「進歩と改革」2021年2月号より転載)

.. 2021年05月08日 07:48   No.2188005
++ 柏 秀樹 (幼稚園生)…2回       
2030年に向けたエネルギー政策 (上)(2回の連載)
 | 第6次エネルギー基本計画の方向性
 └──── (香川県在住)

 第6次エネルギー基本計画(6次エネ基)の策定が、昨年10月から
進められている。
 「日本の将来だけでなく地球の未来にも関連するエネルギー政策…
が、関係省庁と一部の政治家、大企業関係者の水面下での議論で
決められようとしている」
 (井田徹治「原発事故から10年に思う」2021年4月5日


◎ 第6次エネルギー基本計画(以下、「6次エネ基」)の方向性

 「6次エネ基」は、メディア情報をつなぎ合わせると、次のような
ものになりそうだ。

1.原発と脱炭素化された化石燃料を「カーボンニュートラル実現に
必要不可欠なベースロード電源」とし、自然エネルギーと並んで
クリーンなエネルギーとして推進する。
 脱炭素化された化石燃料とは、石炭などから水素やアンモニアを
製造。製造過程で生じるCO2を地下貯留(CCS)等によって大気中に
排出しないというもの。

2.2030年の電源構成は、原発20%、脱炭素化化石燃料30%、自然エネ
50%とする。

3.自然エネルギーは「主力電源」とするが、原発・化石を阻害しない
範囲で抑制的に拡大。

4.「原発20%」を実現するため、これまでのエネルギー政策を
大きく転換。
 すなわち、
・老朽原発の「稼働40年で原則廃炉、1度に限り運転延長20年」という
 制約を無くす。
・現行(5次)エネ基にはない、原発の建て替え(リプレース)や
 新増設を明記する。
・現行エネ基にある「可能な限り原発依存度を低減する」という文言は
 削除する。
・次世代型の小型原発や核融合炉開発の推進を盛り込む。

◎ 2030年に向けた原発政策
 今後の原発の推進は次のようになりそうだ。

 既存原発の再稼働を進め、老朽原発は、運転期間を延長し低コスト
電源として利用。
 島根3号機と大間原発を新規に稼働させる。
 原発立地地域には、次世代炉への建て替えによる地域振興を売り込む。

.. 2021年05月09日 07:13   No.2188006
++ 柏 秀樹 (幼稚園生)…3回       
◎ 2030年に向けた原発政策
 今後の原発の推進は次のようになりそうだ。

 既存原発の再稼働を進め、老朽原発は、運転期間を延長し低コスト
電源として利用。
 島根3号機と大間原発を新規に稼働させる。
 原発立地地域には、次世代炉への建て替えによる地域振興を売り込む。

◇原発への国民理解の醸成を図るため、次のような宣伝・印象操作を
行う。
・原発は、CO2を排出しないクリーンな電源(地球温暖化防止に貢献)
・2050年カーボンニュートラルは、自然エネだけでは不可能で、原発が
 不可欠
・自然エネルギーは、コストが高く、変動電源ゆえに安定供給できず、
 ぜい弱
・日本は資源に乏しい:自然エネルギー拡大は困難だが、最大限努力する

◇このような政策を正当化するため、経産省は次のような教義を説く。

・個々のエネルギーには長短があり、適切に組み合わせたエネルギー
 ミックスが重要
・エネ基の基本方針は、「3E+S」すなわち安全性+自給率・経済
 効率性・環境適合
・「6次エネ基」では、3Eのうち安定供給とコストを考慮したエネル
 ギーミックスとする
・原発と脱炭素化された化石燃料は、低コストで安定供給が可能
                     (下)につづく

(下)の項目紹介
◎ 原発は「クリーン」か?
◎ 原発ゼロで温室ガスの大幅削減が可能
◎ 世界のトレンドは、自然エネルギーと省エネによる脱炭素
◎ 2050年までに自然エネルギー100%社会の実現は可能
◎ エネルギーのあり方の国民的議論を

.. 2021年05月09日 07:25   No.2188007
++ 木原荘林 (小学校低学年)…5回       
老朽原発うごかすな!
 | −闘いの概要と闘いで学んだこと−  (その3)(5回の連載)
 | 琵琶湖西岸を北上するリレーデモは
 | 何度も大きな虹の歓迎も受けました
 └──── (若狭の原発を考える会)
        ※(その2)は5/7【TMM:No4191】に掲載

「9・6大集会」及びその後の「老朽原発うごかすな!」行動の概要

◎ 「9・6大集会」は、「老朽原発うごかすな!」を合い言葉に、
約220の団体、約840人の個人の賛同、近畿、福井、関東、愛知など全国
から駆け付けた1600人の参加を得て、うつぼ公園(大阪市)で開催
されました。
 この集会には、コロナの終息が見えない中、組織参加は自粛された
ものの、脱原発を目指す関西、福井の市民団体、労働団体、政党の
ほとんどが参加されました。
 また、多様な団体、運動、立場、地域から、約30人の熱い発言が
ありました。集会後の御堂筋デモは、後半、台風の余波による土砂降り
の雨に見舞われながらも、果敢に貫徹されました。
 コロナは無いかの如く老朽原発の再稼働準備を進める関電や政府への
憤りがほとばしり出る大集会とデモでした。「9・6大集会」に連帯
するアピール行動や集会、デモも10の都府県、23ヵ所で実行されました。

◎ 「9・6大集会」の成功を基に設定された「10月1日〜11月23日
老朽原発うごかすな!キャンペーン期間」中には、兵庫、大阪、
京都、滋賀の23自治体の首長および議会に、
1.関電と政府に、老朽原発再稼働準備の即時中止と廃炉を求め、
2.行き場がない負の遺産・使用済み核燃料を生み出す全ての原発の
 停止と、安全な廃炉を求め、
3.関電に、使用済み核燃料の安全な保管地と処理・保管法の早急な
 提示を求め、
4.自治体として、重大事故への対応策を示し、全市民の避難訓練を
 実施することを申し入れました。
 また、大津、明石、大阪で「危険な老朽原発」をテーマに開催された
講演会に協賛し、講師を派遣しました。
 さらに、加古川、近江八幡、宮津、伊丹での集会で「老朽原発うご
かすな!」関連行動への参加を訴えました。

.. 2021年05月09日 07:37   No.2188008
++ 木原荘林 (小学校低学年)…6回       
◎ 「老朽原発うごかすな!リレーデモ」は、「キャンペーン期間」
明けの11月23日、550人の参加を得て開催された「関電包囲大集会」を
旅立ちとして、休養日5日を挟んだ11日間(計16日間)の行進を経て、
12月9日、美浜町に到着しました。遠くは、福島、東京、鹿児島から
も含めて、延べ1380人が参加されました。
ほぼ好天に恵まれたデモ行進の沿道では、多数の暖かい声援と
カンパ、差し入れをいただきました。
「老朽原発うごかすな!」の熱い息吹を感じるものでした。
滋賀県内では、陽光を写して美しい1450万人の水源・琵琶湖の西岸を
北上しました。何度も大きな虹の歓迎も受けました。

◎ 休養日の11月28日には高島市で「老朽原発うごかすな!」講演会を
開催し、12月2日には美浜町議会の傍聴と町内チラシ配布を
行いました。12月4日には大阪地裁での「大飯原発3.4号機運転停止
行政訴訟」の判決、12月8日には京都地裁での「大飯原発差止訴訟」の
傍聴支援に取り組みました。
 大阪地裁の勝利判決に、リレーデモは大いに励まされました。
 この判決は、規制委の審査のいい加減さを端的に指摘しています。
 原発敷地で起こり得る地震規模の推定について、規制委が採用したの
は平均値であり、バラツキを考慮していないので過小評価である
として、大飯原発3.4号機の設置許可の取り消しを命じたのです。
この判決に基づけば、同様な方法で推定された老朽原発敷地の基準
地震動も過小評価していることになります。

.. 2021年05月09日 07:44   No.2188009
++ 木原荘林 (小学校低学年)…7回       
◎ リレーデモの最終日・12月9日、美浜原発3号機再稼働への同意を
審議する「原子力発電所特別委員会」が開かれる美浜町役場前で、
午前8時からアピール行動を行い、同委員会の傍聴も行いました。
この特別委員会では、再稼働賛成2件、反対12件の請願をわずか90分
で審議し、賛成の請願を15日開催の本会議に向けて可決しました。
 午後1時より、美浜駅から美浜町役場前まで町内デモを行い、町長に
「美浜原発3号機の再稼働に同意しないように」訴える申し入れを
行いました。
 この行動には、関西、福井、東京、愛知、香川、愛媛、鹿児島など
から約200人が参加しました。美浜町民も参加しました。
 デモは、1〜2列縦隊であったため、青空の下、長蛇の行進となり
ました。集会は、大横断幕を掲げ、赤旗や幟(ノボリ)が林立する
賑やかなものでした。

◎ 「老朽原発うごかすな!キャンペーン」「リレーデモ」期間中に、
老朽原発を巡る立地町・高浜町、美浜町の動きが急を告げました。
 高浜町議会では、11月6日の「原子力対策特別委員会」、12日の臨時
議会で、高浜1号機再稼働への同意を求める請願の採択を
強行しました。また、11月25日、全員協議会の意見として、高浜1号機
の再稼働に同意する意向を町長に伝えました。
 美浜町議会では、11月12日に原子力発電所特別委員会(原特委)、
19日、24日に全員協議会を開いて、美浜3号機の再稼働について
議論し、12月9日の原特委および15日の町議会最終日に再稼働に同意を
求める請願の採択を強行しました。
「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、このような事態の中で、
高浜町、美浜町、福井県に向けて、合計10回の緊急抗議行動、申し入れ
行動を展開しました。 (その4)につづく
           (「進歩と改革」2021年2月号より転載)

.. 2021年05月09日 07:54   No.2188010


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