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一部のあからさまなすり替えに見える安全神話の再発信 | どう呼ぼうと放射性廃液に違いはない | 敷地内で新たなタンク基地の造成は可能 └──── (たんぽぽ舎共同代表)
◎原発からの排水
現在、東電福島第一原発敷地内に存在する水は、そのままでは海洋 投棄はできない「汚染水」だ。 この水と原発(大事故を起こしていない)から放出される排水が 同一視されているが、それは間違っている。
世界の原発から排出される放射性廃液は、浄化系を通して 排出される。 これには、運転中の核燃料からしみ出すクリプトン、キセノン、 ヨウ素、トリチウムを含むが、ごく僅かに核分裂生成物である セシウム、ストロンチウム、アンチモン、テクネチウム、ニオブなども 含まれる。発生原因は燃料棒のピンホールの他に、燃料表面に付着して いるウランの核分裂もある。
さらに燃料棒のジルコニウムが放射化したもの、圧力容器の鉄など 炉水中に含まれる不純物が中性子を浴びて精製されるコバルト、 マンガン、ニッケル、鉄などが加わる。 炉水中の放射性物質は、原子炉浄化系や排気系のフィルターで処理 される。原発の中で最も汚染されるのは、浄化系と排気系の フィルターである。
この水を捨てること自体、海洋汚染や環境破壊、人間の被曝増大に つながり、強く反対をしてきたから、容認などはしないが、「汚染水」 と同一視することはできない。
原発の「処理水」は、福島第一原発の「汚染水」とは全く違う。 なお、再処理工場の排水は、原発より何桁も高い放射性排水である。 原発の排水より異常に危険であり、長年反対をしてきた。 東海再処理工場から排出されたトリチウムは4500兆ベクレルで福島の 5倍以上というが、それ自体が大きな問題なのである。
東海がOKで福島がNGなどと言っているわけではない。 また六ヶ所再処理工場が試験中の2006年から2008年にかけて2150兆 ベクレルのトリチウムを青森県沖に排出しているが、これも大きな問題 である、決して容認も出来なければ、問題が無かったわけでもないの である。 こんなにすさまじい汚染を海にもたらす再処理工場こそ、 止めなければならない。その大きな理由に放射性物質の大量放出が あるのだ、ということを強調しておく。
.. 2021年04月28日 05:27 No.2183001
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