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「近頃聞くところによると、日本は石灰不足でストーブもたけない。国民は寒さに凍えている。ところが進駐車のストーブだけは赤々と燃えているというではないか。また日本の汽車は非常に混雑し、死人が出るという騒ぎである。2,3日前もこの付近の駅で子供が圧し潰されて死んだという。しかるにこの混雑する汽車の中に、君らや進駐軍だけの特別専用列車があるがガラ空きと言ってもよい。2,3人しか乗っていない。」
「どうだ君。これが君らの言う民主主義なんだ。これがマッカーサーの強要する民主主義だ。日本軍が占領地でとった態度も、これほどひどいものではなかった。部隊の出勤には一貨車専用の場合があったが、個人の出張、少数者の行動では現地人と同じ客車に乗り汽車賃も出していたのだ。」
「日本の過去を罪悪であると言って責め、裁く君ら自身が日本人と同じことをしていながら、馬鹿げた優越感をもって、日本人を動物扱いしている。日本人の精神まで侮辱している。マッカーサーが民主主義を日本に教えるならば敗残者日本人の苦悶と悲しみの上に立って、その苦労を幾分なりと心からわかち合うくらいの気持ちがなくて、なんで君らの手による日本の民主化なんてできるものか。どうだ、そうではないか」
記者「ジェネラルのいわれる通りです」石原「失敗の第二は、マッカーサーが、過去の日本軍がやった軍政と全く同じことを、やっていることだ。満州国を世間ではいろいろと悪くいうが、しかし満州誕生に際しての経緯は、一般にはよく認識されていない。」
「元来満州というところは、東亜諸民族混住の地で、各民族おのおの言い分があり、民族間の闘争の絶え間がなかったところである。はげしいこの闘争と苦悶の結果、協和がなくては生存も、繁栄もとうていできないことを悟って、民族協和という新道徳が創造され、民族協和のうるわしい理想郷の建設を目指して、満州国は生まれたのである。」と石原莞爾は記者たちに語ったのである。
.. 2010年06月22日 14:10 No.218008
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