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(その14) 海洋プラスチック汚染と地球温暖化の関係性 (海水の水温上昇が地球温暖化の原因である) (信州大学工学部元講師)
◎ 太陽光の熱量は地熱の約2500倍であるが、太陽光の大部分が反射 するため、地表に届く太陽光熱はわずかである。他方、地熱はすべて 地表に届く。 とはいえ、太陽光熱は無視できない。 地球は球体なので、対流によるバラつき等を無視すれば、地熱は 地球の中心から均等に地表に届くと考えることができるが、地表には 陸地と海洋がある。 水の熱伝導率は空気の約25倍である。そのため、海底に届いた地熱は 急速に抜ける。そして海洋の表面が凍るが、わずかな太陽光熱が凍結を 防いでいる。 太陽光熱の下で、海洋表面の海水が蒸発し、上空で雲になり、熱を 宇宙空間に放出した後、雨や雪になって地表に降り注ぐ。他方、海洋の 表面に温暖な海水=表層水の薄い膜ができる。
◎ 海水の約95%が深層水で、残り約5%が表層水である。暖流が 流れる海域で取水する深層水の水温は7〜8度C前後、寒流が流れる 海域で取水する深層水の水温は1〜2度C前後で、時刻変動や季節変動 は生じない。 しかし表層水の水温は概ね15〜30度C前後で、時刻変動や季節変動が 生じる。 だが、多量のプラスチックが海洋の表面に浮遊すると、海水の蒸発が 低下して表層水の膜に熱がこもり、表層水の平均水温が上昇する。
一流の料理人は、鍋の水に油を少し注ぎ、水の沸点を高める場合が あるそうだが、それと似ている。 すでに述べたが、水の比熱は空気の約4倍である。表層水の平均水温 の上昇は、大気中の空気を温め、気温を上昇させる。 原発に反対することなく、二酸化炭素の排出量を制限して地球の 温暖化を阻止せよと主張する人々は、大気中の二酸化炭素が増えて気温 が上昇したのではなく、気温が上昇して大気中の二酸化炭素が増えたと 考えたことがおそらくない。 そのくせ彼らは、北極の氷が溶けるのも、二酸化炭素のせいだと言う。
.. 2021年04月22日 07:37 No.2177001
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