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■--中国が「気象制御能力」強化
++ 島村英紀 (社長)…628回          

人工降雨で砂漠化阻止が目的
 |  「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その381
 └──── (地球物理学者)

 人工降雨というものがある。昔から地球物理学の夢だった。
 もともとは雨乞いだった。雨が降らないと農業にも生活にも
差し支える。雨乞いは世界各地で行われ、歴史は長い。
 人工降雨は20世紀から行われるようになった。雲の中に氷の粒を作る
ために強制的に雪片を作る物質を散布する手法だ。
 材料は「シーディング物質」と呼ばれる。散布するのは飛行機が
多いが、ロケットや大砲による打ち上げもある。

 人工降雨の材料にはドライアイスやヨウ化銀を使うのが一般的だ。
安価な材料で失敗したこともある。2008年、モスクワ上空でロシア軍に
よるセメント散布が実施された。だがセメントが粉状にならず、民家に
落下してしまった。
 かつて雨乞いが成功したように見えたこともある。現代から見れば、
大規模な焚き火で出た煙や塵が上空でシーディング物質の働きをした
のではないかと思われる。

 人工降雨は水不足や旱魃(かんばつ)の対策として世界各地で
行われてきた。
 また、大きな行事当日の好天を狙って事前に雨を降らせた
こともある。
 中国では2008年の北京五輪の開会式は晴れだった。現地は梅雨どき
だったが、晴れた。事前にヨウ化銀を載せたロケット1104発が
市内21カ所から発射された。
 ロシア(旧ソ連)でも、事前に雨を降らせて行事の当日を好天にした
ことがある。
 日本では戦後に電力需要の大半を水力発電に頼っていた。旱魃や
渇水期になると発電量は下がって突発的な停電や計画停電が頻発した。
このため1950年代から1970年代にかけて各地で実験が行われた。
 しかし、人工降雨で得られる雨量は、本来の雨量を1割程度増加
させるくらいで自由に降水量を制御できるまでにはならない。
 また、水力発電が電力の供給に占める割合も減った。それゆえ日本
での人工降雨は下火になっている。
 人工降雨はある程度発達した雨雲があるときだけ成功する。雲のない
ときに雨雲を作って雨を降らせるのは不可能だ。
.. 2021年02月09日 07:42   No.2121001

++ 島村英紀 (社長)…629回       
 しかしたとえ増えるのが1割でも、中国だけは突出して人工降雨に
突き進んでいる。去る12月に中国が「気象制御能力」の強化計画を
発表した。主な目的は人工降雨だ。対象となる地域は550万平方キロ
メートル。日本の面積のなんと15倍にもなる。
 これはもっぱら農業のために砂漠化をくい止めるためだ。砂漠化は
食糧の枯渇につながる。
 砂漠化とは土地が荒れてしまって不毛の地に変化することだ。完全に
砂漠にならなくても農業ができない土地になってしまうのが砂漠化
である。
 中国でも砂漠化がどんどん東に進んで、北京近くにまで達している。

 国連によれば、世界で砂漠化してしまった土地は約3600万平方キロ
メートルもある。陸地の約4分の1。世界の3分の2もの国が砂漠化に
悩んでいる。
 砂漠化の影響は世界の人口の7分の1、10億人にも及んでいる。
 そのうち6億人もが栄養不足に苦しんでいるが、この人々は途上国に
集中している。
 たとえ効果が少なくても、人工降雨に期待するところ大なのである。

.. 2021年02月09日 07:48   No.2121002
++ 島村英紀 (社長)…630回       
浅間山の噴火が起こした欧州の「皆既月食」
 |  天文学的には起きるはずのない日、
 |  長らく謎だった原因が明らかに
 |  「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その382
 └──── (地球物理学者)

 長らくナゾの皆既月食だとされてきた月食がある。それは、欧州で
西暦1110年に起きた。
 この月食はイングランド史を記した『ピーターバラ年代記』に書かれ
ている。5月5日の晩、明るく輝いていた月が、にわかに陰りはじめて
消えた。それどころか、ぼんやりながら見えるはずの月の輪郭や星の
光が一切消えてしまったのだ。

 天文学的には、この日に月食は起きるはずがない。このため、アイス
ランドのヘクラ火山の大噴火によって大量の硫酸塩エアロゾルが噴き
出して月の光をさえぎったのではないかというのがもっともらしい
説明だった。
 またグリーンランドの氷河のボーリングから、それらしき
硫酸塩エアロゾルが見つかっていた。
 たしかにヘクラ火山はこのころに大噴火したことが分かっている。
 ヘクラは同国南部にあり、同国で最も活発な火山だ。少なくとも16回
の噴火が知られている。

 ところが、2015年に精密な「グリーンランド・アイスコア・
クロノロジー2005」が発表された。氷河のボーリングで見つかった
火山灰などの精密な年表である。
 これによれはヘクラ火山の噴火は4年から7年ほど後に起きたことが
わかった。つまりヘクラ火山の噴火と「皆既月食」とを結びつけるの
は、時間的に無理になった。
 その「クロノロジー」によれば、硫酸塩エアロゾルの堆積が始まった
のは1108年から1109年で、1113年まで続いた。この層は過去1000年の間
では最大のものだった。

.. 2021年02月11日 07:58   No.2121003
++ 島村英紀 (社長)…631回       
 さて、アイスランドの火山ではないとすると一体、どこだろう。
 日本にある浅間山がこの研究で脚光を浴びた。昨年の英国の科学誌に
発表された。浅間山は1108年に数ヶ月におよぶ大噴火が起きているのだ。
 『中右記』(ちゅうゆうき)には「浅間山が7月21日になって突然、
大噴火を起こした。噴煙は空高く舞い上がり、噴出物は上野の国(いま
の群馬県)一帯に及び、田畑がことごとく埋まってしまった」と
記されている。
 『中右記』は中御門右大臣だった藤原宗忠が1087年から1138年に
書いた日記だ。当時の政治や社会の情勢を知るための院政初期の大事
な史料だ。正確で有用なものとして知られている。

 この浅間山の大噴火に違いない。欧州での研究では1109年が異常な
ほど寒い年だったことが分かっている。このほか、1109年から始まった
異常気象で、数年にわたって西ヨーロッパが不作と飢饉に苦しんだ記述
が、さまざまな歴史的文献に残っている。もちろん当時の日本人は欧州
への影響など、知る由もない。
 じつは浅間山は1783年にも大噴火して、天明の飢饉(ききん)を引き
起こしている。全国で十数万人が死亡した。死んだ人間の肉を食い、
人肉に草木の葉を混ぜ犬肉とだまして売るほどの惨状だったと伝えられ
ている。天明の飢饉は江戸時代の四大飢饉の1つで、日本の近世で最大
の飢饉だった。
 1783年の浅間山の火山灰はグリーンランドの氷河からすでに見つかっ
ている。
 今度の研究によって、浅間山では約700年前にも世界に影響を及ぼした
大噴火があったことがわかったのだ。

.. 2021年02月11日 08:03   No.2121004
++ 山崎久隆 (社長)…1041回       
2021福島県沖地震に被災された方々には御見舞い申し上げます
 |  東日本大震災の余震とされる地震が2月13日福島県沖で発生
 |  震度4の女川市(宮城県)で問題発生、女川原発も…
 |  想定される地震にさえ女川原発は耐えられない
 |  今、原発から引き返さなければ「次」は無い
 └──── (たんぽぽ舎共同代表)

◎ 東日本大震災の余震とされる地震が2月13日23時08分に福島県沖を
震源として発生した。
 この地震は、最大震度6強(宮城県蔵王町、福島県相馬市、国見町、
新地町)気象庁マグニチュード7.3(モーメント・マグニチュード
7.1)、北緯37.7度/東経141.7度で、深さ55kmである。
 この地震では、2月15日現在、死者はなく、大きな津波も襲って
こなかった。
 しかし数百戸の住宅などが倒壊、損傷し大きな被害が出ている。

 気象庁によると、地震は陸側プレートの下に沈み込んだ太平洋
プレート内で発生したと見られ、震源が深く海底地形を大きく変形させ
なかったことで大きな津波は発生せず、最も陸に近い相馬市でも震央
から約70km離れていたこと、地震の起きたプレートと日本列島が
乗っているプレートが異なったこと、プレートの境界ではなくプレート
内部の断層による地震だったことで、揺れの周期が建造物と共振
しやすい1から2秒の周波数が大きくなく周波数の小さい0.1秒前後の
ほうが大きかったことなどが幸いし、大きな被害は生じなかったと
思われる。

 しかし蔵王町のように震度6強を記録したところもあり、さらに
北海道から西日本まで揺れが観測されるなど規模の大きな地震である
ことは間違いない。

◎ 原発の状況については、福島第二と福島第一5、6号機で使用済
燃料プールの水が溢れていることが確認されているが、1〜3号機に
ついて、それがなかったという意味ではなく、おそらく現場を確認する
ことが困難なために速報されていないだけと思われる。
 原発で大きな損傷があったとの報道はないが、東北電力によると女川
原発で以下のような問題が発生したとされる。2月14日付け東北電力
報道発表を引用する。
--------

.. 2021年02月16日 07:17   No.2121005
++ 山崎久隆 (社長)…1042回       
◎ 地震発生による女川原子力発電所の設備点検結果について
 2021年2月14日
 昨日(2月13日)23時08分に宮城県内で最大震度6強の地震が発生
しました。
 女川原子力発電所においては、安全上重要な設備に異常はなく、周辺
への放射性物質の影響もありませんでした。
 なお、地震後の現場パトロールにおいて以下の状況を確認し、復旧
作業を実施しております。
1.変圧器避圧弁※1
地震により変圧器内の絶縁油が揺すられ当該弁が動作したもので、当該
弁の点検を行い、必要に応じ新品と交換する。
2.女川3号機タービン建屋ブローアウトパネル※2
地震により当該パネルが開状態になったもので、点検を行い元の状態に
復旧する
3.女川2号機および3号機放水口モニタ※3
 地震により2号機および3号機のサンプリング用の取水ポンプが停止
したことに伴い、同号機の放水口モニタが欠測した。点検の結果異常が
ないことを確認し、本日4時00分のデータから伝送を復旧した。
4.大容量電源装置※4
 地震発生後、1台で故障を示す警報が発生したことから、今後、点検
を実施する。
5.女川3号機除塵機※5
 地震発生後、電源が入らない状態となったことから、今後、点検を
実施する。
※1避圧弁:変圧器内の事故による器内圧力上昇時、機器の損傷を防止
するため内部の絶縁油やガスを外部に放出する安全弁
※2ブローアウトパネル:建屋内の圧力が上昇した時に押し出され、
建屋内の圧力を減圧するためのパネル
※3放水口モニタ:発電所の放水口から放出される液体中の放射性
物質の有無を、連続的に測定している設備
※4大容量電源装置:震災後に緊急的に設置した電力を供給する
ための設備
※5除塵機:冷却用として取水する海水中の塵かいを取水時に
取り除く設備

https://www.tohoku-epco.co.jp/news/atom/__icsFiles/afieldfile/2021/02/15/P1218943.pdf

.. 2021年02月16日 07:22   No.2121006
++ 山崎久隆 (社長)…1043回       
以下、山崎のコメント

1.については、内部で短絡事故が起きた場合に発生するガスや絶縁
油の急激な温度上昇に伴う膨張やガスの燃焼などで圧力が上がった時
に、変圧器の爆発や損傷を防ぐ目的で付けられているという。
 「震動により変圧器に入っている絶縁油が揺れにより振動し弁が
作動」というのは設計想定なのかそうでないのか。この文章だけでは
説明が不足している。
 何処の変圧器なのかも不明確で、通電していた変圧器なのか、短絡が
発生していたのかなど、詳細な説明が必要だ。

2.については、柏崎刈羽原発と福島第一原発事故の教訓は生きて
いないようだ。
 柏崎刈羽原発では原子炉建屋のブローアウトパネルが脱落し、福島
第一原発では開かなかった。
 ブローアウトパネルとは、通常運転時には建屋内部の放射性物質を
含む気体を封じる役割があり、事故時に建屋の内部の圧力が上昇した際
には建屋を損傷させないように開く必要がある。

 今回の場合、建屋内部の圧力上昇はなかったと思われるので、開いて
はならないタイミングで開いたことになり欠陥である。タービン建屋
でも配管損傷やタービン破損、復水器の損傷などでいくらでも放射性
物質が放出される環境にあるので、地震程度でいちいち開いていたの
では何の役にも立たないということだ。

 ブローアウトパネルについては「東海第二」でも問題になったもの
で、沸騰水型軽水炉特有の欠陥があると、以前から問題として指摘
されてきた。女川でも全く解決していないことが良く分かった。

3.放水口モニタについては、地震発生時に停止してしまい、復旧
できたのが実に5時間後の翌日午前4時、バックアップもないのかと
思う。
 この装置は建屋内部から排水口を経て海に出る放射性物質を監視
している。
 それが地震でいちいち止まっていたら役に立たない。
 地震の時ほど建屋内部で配管損傷などで、放射性物質が外部に出る
事故が起こりやすい。
 その最も肝心な時に監視できないのでは、存在意義さえない。
 こんなものはバックアップシステムを作ればすぐに改善できるのに、
最初からやっていないのは大きな欠陥だ。

.. 2021年02月16日 07:28   No.2121007
++ 山崎久隆 (社長)…1044回       
4.大容量電源装置が壊れた?可能性がある。
 詳細には今後の調査待ちだろうが、地震で最も壊れてはならないのは
言うまでもなく電源システム。
 福島第一原発では地震で構内の電源設備が大破したため繋ぎ込みが
出来たとしても各所に電力を送り込むことが困難であった。

 その反省から、敷地内に電源車を配置すると共に重大事故への対処
として「大容量電源装置」を敷地内に三基も設置した。その説明は
以下の通り。
 『大容量電源装置の配備 原子炉等を冷却するために必要な大型の
ポンプ等に電力を供給するため、津波等の影響を受けない高台(海抜
約52m)に配備 大容量電源装置の配備 完了 2012年2月』
 今回は外部電源もディーゼル発電機も損傷していないので、この装置
は起動していないと思われる。それが津波到達前に地震で壊れたのか、
詳細な説明が必要だ。

5.女川3号機除塵機とは、取水口で海水からゴミを取り除く装置だと
いう。これの電源が入らないから点検するという。
 地震で電源システムに損害を生じた可能性があり、この装置だけの
問題かどうかはっきりしない。系統全体で損傷がないか確認する必要が
ある。
 地震で構内電源設備が損傷することは避けられないが、この程度の
地震でも起きるとしたら、一般産業産業や家庭の電源設備以下だ。
  *  *  *
◎ なお、誤解があってはならないので強調するが、この地震の最大
震度6強といっても、それは相馬市や蔵王町のことである。
 女川町は震度4であり、おそらく原発も同程度と見て良い。
 東京23区でも最大震度は4なので、東京で感じた揺れの大きさ程度
しか原発は揺れていないと思われる。

 震度4も幅は広く、周期0.1秒で100ガルあまりから200ガルまでの幅は
あるので、東京と女川で倍くらいの差はあるかも知れないが。
 震央から約82km離れた女川原発は、震央からの直線距離は
約100km、震央距離約74kmの福島第一よりも遠い。

.. 2021年02月16日 07:36   No.2121008
++ 山崎久隆 (社長)…1045回       
 それなのにこれだけ多くの問題発生とは、いったいどんな原発なのか。
 これは重大な問題である。震度4で壊れてしまった原発が本当に想定
しなければならない地震は震度7、宮城県沖の地震と太平洋のプレート
境界地震だ。
 今回の地震エネルギーの何千倍もの威力があるうえ、原発の真下で
起きるかも知れない。
 遙かに巨大な上下動と、もっともっと長い震動継続時間は原発に致命
的な打撃を与える。
 耐震強化したといっても結局はこの程度。

◎ 地元自治体は、遙かに小さい地震でも原発の安全性に問題があった
ことについて、もっと真面目に考えるべきだ。

.. 2021年02月16日 07:43   No.2121009
++ 島村英紀 (社長)…632回       
1ミリ秒単位で揺らぐ地球の自転
 |  史上初の「マイナスのうるう秒」導入するのか
 |  「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その383
 └──── (地球物理学者)

 地球は宇宙に浮いている球だ。不思議なことがまだたくさんある。
自転の速さの「揺らぎ」もそのひとつだ。
 地球の自転はいま24時間になっている。そして長期的には遅くなって
いる。地球の自転にブレーキをかけている強大な力があるからだ。
 それは潮の干満による海水と海底の摩擦、太陽や月の引力で地球全体
がゆがむ地球潮汐(ちょうせき)だ。

 これらの力のために自転は2億年ごとに約1時間ほど遅くなっている。
200年間に約1000分の1秒(1ミリ秒)ずつ遅くなっていることになる。
 もし1日が12時間であったなら、12時間目にまた会社や学校へ行か
なければならない。これでは、せわしなくてかなわない。
 他方、1日が72時間だったら、仕事や勉強で疲れはて、夜は退屈して
しまうにちがいない。
 私たち人類は、ちょうど1日が24時間という時代に生まれたことに
感謝すべきなのだろう。

 ところが、地球の自転はミリ秒の単位で揺らいでいることが
分かった。これは、地球の自転が遅くなっていくゆっくりした変化より
も100倍以上大きい。
 大地震だろうか。たしかに大地震は地球の自転を変化させる。
2011年の東日本大震災(地震名は東北地方太平洋沖地震)は自転を
100万分の1.6秒だけ遅くした。2004年のスマトラ沖地震はその4倍だけ
遅くした。しかし大地震での変化はミリ秒単位の「揺らぎ」に比べると
ずっと小さい。

 地球上を吹いている風の分布が変わったのか、エルニーニョのような
気候変動のせいだろうか。地球の深部にある溶けた鉄の球になにかが
起きたせいではないか。しかし、どれも推測でしかない。
 そもそも、この「揺らぎ」が分かったのは1972年に精密な原子時計が
導入されてからのことだ。
 つまり年とか日の長さを、それまでの太陽の観測から決めていた
やりかたをやめて、原子時計を使って定義することにしたのだ。
 ちなみに原子時計の精度は100億年に1秒と言われている。

.. 2021年02月18日 07:18   No.2121010
++ 島村英紀 (社長)…633回       
 原子時計を基準にして地球の動きや暦を固定したために、実際の地球
の自転の変化があれば、それに合わせて地球上の時計を調整しなければ
ならなくなった。
 このため1972年以来、原子時計と地球の自転を合わせるためにプラス
の「うるう秒」が入れられてきた。
 地球の自転が原子時計に比べて0.4秒以上ズレてしまったときに
うるう秒が入れられてきた。その年の6月か12月の終わりに
「うるう秒」が入る。
 こうして1972年以来挿入されたうるう秒は27回あった。

 最後にこのプラスの挿入が行われたのは2016年の大晦日のことだ。
このときが最後の修正で、その後は自転の速さが増している。
 2020年には最短だった7月19日には1.46ミリ秒短かった。この数年、
地球の自転が加速したせいで自転のほうが原子時計よりも早くなって
いるのだ。
 さて、この勢いが続けば、史上初のマイナスのうるう秒を導入するの
だろうか。
 うるう秒を導入するかどうかを決めるのはフランス・パリにある国際
地球回転・基準系事業(IERS)だ。いま悩んでいるに違いない。

.. 2021年02月18日 07:25   No.2121011


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