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オクトーバーフェストとは、ドイツで行われるビール祭です。直訳すると10月祭なのですが、ほとんど9月に行われています。オクトーバーフェストでは、500万リットル以上のビールが消費されます。 500ml缶に換算すると1千万本です。オクトーバーフェストの歴史は古く、1810年まで溯ります。
時の皇太子バイエルンの結婚祝賀がビールのお祭りとなりました。昔は、保存・醸造技術も進んでいなく、ビールの醸造は秋から冬の間と決まっていました。ドイツでは、ビールに純粋令という決まりがあって、原料に「大麦、水、ホップ、酵母」しか使えないということになっています。
純粋令が最初に発布されたのは、1516年と大変古いのですが、元々の根拠はビールの品質を向上させようというよりは、パンの原料である小麦を確保しようという狙いが強かったようです。17世紀には小麦ビールの製造を宮廷が独占し、相当の利益を上げていました。貴族のビールとして庶民には飲むのも禁じました。
庶民には大麦以外は使ってはいけないといいながら、自分らは小麦のビールを飲んでいたのです。現在では小麦ビールが人気上昇しています。小麦ビールはヴァイツェンと呼ばれ、日本でも地ビールメーカーが作っています。純粋令の法律がドイツビールの品質を上げた事は間違いなく、その後、法制化され日本のように米やトウモロコシといった副原料を使っていない事に変わりはありません。
EU統合により今では非合法となってしまったこの法律も、ドイツ人は誇りにし、そして遵守しています。わが国にビールが入ってきたのは英米の船が来航してからのことです。1860年、幕府の第一回遣米使節の一人、玉虫左太夫は初めてビールを飲んで「苦い」と記しています。
それ以前、ペリーが来航した1853年に、蘭方医川本幸民は蘭書の記載を見て、江戸の露月町の私宅でビールを試醸したといわれていますから、これが日本でのビール醸造の起源といえるでしょう。明治3年にはアメリカ人コープランドが横浜の山手居留地に「スプリング・バレー・ブルワリー」を創設してビールの醸造を開始して販売しました。
.. 2021年01月11日 07:58 No.2100001
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