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.中国電力の上関原発ボーリング調査はTKO状態 | 国交省の川辺川(熊本県)ダム計画が再浮上 | 球磨川漁協が「定款変更の総会決議」を | 画策するも総会は中止に | 知事が事業の可否を判断できる旨の報道は | 「国民主権」に反する | 連載「権利に基づく闘い」その14 └──── (明治学院大学名誉教授)
◎ 上関原発予定海域での中電のボーリング調査は、11月4日以来、 祝島漁民に協力依頼をしては悉く拒まれて帰るだけを繰り返している。 それどころか、12日以降は、13日にわずか1日(約半月に一度)試み られただけで、ほぼ休止状態である。 ボクシングで言えばTKO(テクニカルノックアウト)状態で、 これでは調査も原発建設も明らかに不可能だが、中国電力の往生際の 悪さはトランプ前大統領並みである。
◎ 熊本県では、昨年の球磨川水害により、球磨川上流の川辺川ダム 計画が再浮上している。今度は、通常のダムではなく、漁業や環境への 影響が小さくて済むとの理由で流水型ダム(穴あきダム)として計画 されている。
筆者は、前回の川辺川ダム計画に1999年から約10年余りかかわり、 川辺川ダム中止と荒瀬ダム撤去(球磨川下流坂本村にあった発電用ダム で日本で初めてのダム撤去が実現した)について三名の漁民と共に 『よみがえれ!清流球磨川』(緑風出版,2011年)を上梓したが、 今回の計画についても共著者の小鶴隆一郎氏から連絡が来て、球磨川 漁協が11月30日に開催を予定していた漁協総会の議案(1号議案 「定款の変更」、2号議案「規約の変更」)について相談を受けた。 いずれの議案も「総代制度の廃止」(総代は組合員数の多い組合等で 組合員の間で選挙によって選ばれ、総代会には総会についての規定が 準用される)を狙ったものでダム建設への布石と見られている。 水産業協同組合法を子細に検討し、「定款変更には総代会決議が必要 で、直接総会に諮るのは違法である」旨の文書を作り、小鶴氏がそれを 26日午前中に熊本県に送ったところ、同日午後に漁協の緊急理事会が 開かれ、30日総会は中止になった。
.. 2020年11月28日 07:04 No.2081010
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