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「漁業権が排他的権利か否か」 漁業権の排他性は「同種の漁業権」に限られる 水産庁が10月22日に私見に同意 水産庁がHP上に記載の検討を約束 連載「権利に基づく闘い」その12 (明治学院大学名誉教授)
◎ 連載その11(10/6発信メールマガジン【TMM:No4046】掲載)で「上関 原発が白紙状態に」と書きましたが、すみません。そのように報道した 毎日新聞記事が不正確だったようです。 その後、中国電力が、再び「一般海域占用許可」の申請を山口県に 出しました。 占用許可申請をめぐり、10月20日に山口県交渉を持ちました。 交渉の最大の争点は、漁業権が排他的権利か否かでした。 山口県は、「漁業権が排他的権利」との見解を主張し、私は、「漁業 権が排斥し得るのは、同種の漁業権に限られる」と主張しました。
両者の見解が平行線をたどったため、思うような成果は得られません でした。 帰京後、水産庁のHPを見て驚きました。「漁業権は排他的権利 である」旨の記述があったのです。 次のようです。 ・漁業権は一定の水面で特定の漁業を排他的に営む権利であり、下記の 種類があります。 ( https://www.jfa.maff.go.jp/j/yugyo/y_kisei/gyo_hou/ ) ・漁業法では、漁業権は「一定の水面において特定の漁業を一定の期間 排他的に営む権利」とされています。 ( https://www.jfa.maff.go.jp/j/enoki/gyogyouken_jouhou3.html )
◎ そこで22日午前中に水産庁に電話して、HP上の記述について 話しました。 結論として、水産庁は私見に同意しました。 「漁業権が排他的権利でない」ことは、共同漁業権の漁場区域内に 定置漁業権や区画漁業権が存在し得ることだけからも明らかです。 水産庁で「漁業法の神様」と呼ばれていた浜本幸生氏が平林・浜本著 『水協法・漁業法の解説』に明記されているように、「漁業権は漁場の 独占利用権でもなく、水面を支配し又は占用する権利もない」のです。
.. 2020年10月24日 07:22 No.2059001
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