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「特定重大事故等対処施設」がない | M7超の地震が30年以内に90%超の場所にある | 老朽原発=女川原発2号機の再稼働は極めて危険 (下) └──── (たんぽぽ舎共同代表)
◇ 防災計画は疑問だらけ
2020年6月22日に開かれた政府の原子力防災会議で女川原発の住民 避難計画が了承された。 広域避難、被曝の防護に加え、新型コロナウイルス感染症拡大防止策 も加えたとしている。
◎ 重大事故が発生した際に即時避難を求める5キロ圏内の予防的防護 措置区域(PAZ)に相当する石巻市と女川町、空間放射線量率の状況 に応じて避難する5〜30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)に相当 する登米、東松島、涌谷、美里、南三陸の合計7市町が対応するべき 市町村である。 対象住民は約19万9000人。その広域避難先は宮城県内に総て確保 されたという。
◎ 新たに加えられた感染症対策は、感染者とそれ以外の人で避難 車両や避難所を別にし、車両内や避難所では密集回避を求める とされた。 しかし避難の際、最も多くなると見られる屋内退避では、外部からの 放射性物質流入による被曝を防ぐために換気は行わないこととされた。 この場合、想定される重大事故の態様は、福島第一原発事故の時の 放出放射能量の100分の1以下とされる。 想定される放出量が100分の1以下だから影響も100分の1以下だと 東北電力は言い放つ。 ところが格納容器を守るために耐圧ベントを強行すれば、その3倍 以上の放射性物質が拡散することは規制委も認めている。
◎ 女川原発の場合、重大事故発生では地震と津波の競合する確率が 高い。 つまり3.11のようなことが起こり、それが前回規模を大きく 上回ることを想定しなければならない。 その際、通常は地震・津波防災で対処するところを、原子力防災まで 実施しなければならないといった困難さが加わる。
◎ 実効性がある計画とは、机上の空論ではなく現実に実施可能なもの だが、この計画では実効性があるとは到底考えられない。 退避は30キロ圏内の何処であっても不可能か、極めて困難で、女川町 では前回の地震と津波で町の中心部が壊滅的被害を受けている。
.. 2020年10月21日 17:02 No.2055001
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