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原莞爾ペースの尋問石原莞爾は言った「マッカーサーは敗戦国の精神を侮辱しておる」夜の六時前の出来事です。UPの記者、APのホワイト記者と通訳官が見えて、石原莞爾にインタビューしました。石原莞爾は逃げなかった。石原莞爾は二人に、「これからの私の話は、日本で発表しないでほしい。恐らくマッカーサー司令部の検閲にひっかかってあなたたちの言葉は本国には届かないはずだから」と断りました。
アメリカの記者は「石原が作戦をやればアメリカには負けなかったと言ったが、どんな作戦をされたでしょうか」と質問しました。石原莞爾は、ちょっと顔を伏せたあと「少々言葉がすぎたかな。五分五分の持久戦になって、断じて敗戦ではない、という意味だ」。
「ソロモン、ビスマルク、ニューギニア諸島を早々に放棄し、資源地帯防衛に転じ、西はビルマ国境からシンガポール、スマトラ中心の防御線を構築し、中部は比島の線に後退。他方本土周辺およびサイパン、テニャン、グアムの南洋諸島を難攻不落の要塞にし、何年でも頑張りうる態勢をとると共に、外交的には支那事変解決に努力、傾注する」。
「日本が真にサイパンの防衛に万全を期していたなら、米軍の侵入は防ぐことができた。五分五分の持久戦となり、断じて敗けていない、ということだ」するともう一人の記者が「マッカーサー軍政は大失敗であると言われましたが、いかなる点ですか」と質した。
石原莞爾は、その理由を、「その第一の理由は、敗戦国の精神を侮辱していることだ。君らは武力で少しばかり日本より強かったからだ。精神の問題ではない。それに勝った国が負けた国を奴隷的扱いするということは大きな誤りだ。失敗の第二点はマッカーサーが過去の日本軍がやった軍政と同じことをやっていることだ」。
「第三点は、民主的な平和団体である私どもの東亜連盟を解散させたことだ。マッカーサーも東条軍閥と少しも変わらない。その権力的なことは、東條英機よりはるかに強圧である」記者の取材を見ていた父・仲條立一は『永久平和』誌にこう書き残している。
.. 2020年10月15日 08:32 No.2051001
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