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鎌田 慧(ルポライター)
首相に就任するやいなや、いきなり日本学術会議を敵に回して人事に介 入、会員候補6人の学者の任命を拒否した。菅新首相の蛮行、敵基地攻撃 能力保持の欲望とセット、安倍前首相の申し送りの忠実な継承なのか。 それとも、まず最初に懲罰的な人事を強行して異論を唱える者は排除す るぞ、との見せしめ政治の初発の行使なのか。それにしてもやることが姑 息だ。 これからの日本をどうするのか。コロナ禍を乗り切り、健康で文化的な 最低限度の生活をどのように保障するのか。 集会、出版、言論、学問の自由を保障する民主主義の国を皆さんと手を 繋いで確立させましょう、と語りかけてほしかった。 ところが、悪名高いアベ政治を継承するどころかさらにひどい、公然た る言論・学問の自由抑圧をして出発。それが所信表明代わりとは、蓋(けだ) し日本憲政史上初めてか。 戦争のための学問を拒否する、日本学術会議への挑戦から菅内閣がはじ まったのは悲しむべきことだ。もうひとつの悲しさは、首相補佐官に就く と報じられていた通信社の論説副委員長が、この憲法違反ともいえる暴政 を押しとどめることができなかったことだ。 この耳にするだけでも恥ずかしい学問の自由の抹殺は、世論によって修 正されるだろう。その前に新首相補佐官は、職を賭してでも任命拒否を解 除させてほしい。 (10月6日朝刊23面「本音のコラム」より)
.. 2020年10月11日 07:56 No.2046001
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