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「日本の原発報道」(2019年5月ウクライナにて) | 日本の現状をよく知らない「国際チェルノブイリ | 福島連盟」の各国代表に福島第一原発事故当時の | メディアの報道姿勢と事故後8年たった | 日本政府の対応を報告 (上)(3回の連載) └──── (アカデミックジャーナリスト)
◎「事故」ではなく「事件」
福島第一原発「事故」ではなく「事件」と呼ぶべきです。原発による 災害関連死を含めた死者は1600人に上っています。 史上最悪の原発事件から8年2ヶ月経った今も、事件収束の目途は まったく立たず、約4000人の作業員が被曝しながら現場を支えています。 しかも作業員の多くは日雇いで、身分の不安定な人たちです。最近は 外国人の雇用も検討されています。 子どもの甲状腺ガンは200人を超えました。事件被害者の補償・賠償は 不十分で、さまざまな民事裁判が行われています。
◎「わからない」だらけ
メルトダウンした1〜3号基の炉心がどうなっているか誰にも わかりません。放射線量が異常に高くて人間が近寄れないのです。 政府と東電はロボットを使おうとしていますが、放射線に弱くて ロボットはほとんど役に立ちません。 2019年1月、東電は2号機の原子炉格納容器の底に堆積した核燃 デブリを初めて掴み上げたことがニュースになり、デブリの取り出しを 2年後に始めるというのですが、いつまでかかるか、取り出したデブリ をどこへ捨てるかも決まっていません。
◎今も継続中の「原子力緊急事態宣言」
原発から漏れ続けている放射能汚染水は110万トンになり、原発の 敷地内にタンクが林立しています。今後どう処理するかは見当も ついていません。 日本政府が事件発生の日に出した「原子力緊急事態宣言」は今も 継続中で、安倍政権は東京五輪前に宣言を取り消そうと 画策しています。
事件の後、20万人以上が避難し、今も4万6000人が故郷を離れて生活 しています。日本政府は避難指示を次々と解除し、2019年3月末、福島 から全国各地に自主避難している住民の家賃補償などを打ち切りました。
.. 2020年07月11日 08:13 No.1980001
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