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もともとアメリカの政治家たちは、日本と直接かかわりあうことがほとんどない。日本の政治家とも関係がない。大使館や外務省は、国務省のいわば下級職員との関わりはあるものの、政策決定者との接触はない。・・・・日本とアメリカとの関係は第二次世界大戦の後、密接になった。第二次世界大戦に日本が敗れ、アメリカが占領したからだが、そうした関係の中で重要だったのは、占領軍と日本政府である。日本で最近しきりに名前をきかれるようになった白洲次郎も、結局のところはアメリカの占領軍と関わっていただけである。吉田茂にしても白洲次郎にしても、占領国の代表としてアメリカ側で相手をしてくれるのは占領軍だけだった。白洲次郎にいたっては肩書きがあるわけでなく、マッカーサー司令部のスパイ組織だったキャノン機関の関係者と交友関係があったにすぎない。こうした吉田茂や白洲次郎と占領軍の関係は、日本が独立した後も続くことになった。日米安保条約が結ばれたからである。日米安保条約は基本的には日本の占領を日本が独立した後も続けるためのものだった。・・・アメリカは日米安保条約によって日本をコントロールしていると考え、外務省をはじめ日本の関係者を安保条約運用のための担当者の一員として扱った。(2009年2月12日刊 日高義樹著「不幸を選択したアメリカ」より)
.. 2009年10月06日 12:24 No.198001
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