返信


■--石原莞爾と蒋介石の誤算
++ 仲條拓躬 (社長)…461回          



昭和12年七夕の盧溝橋事件は、蒋介石にとってはビックリする出来事でした。まさか、日中の全面戦争に発展するとは思っても見なかったのです。日中戦争への拡大は自然の成り行きで、実際、当時の日本政府も、蒋介石も、戦争など望んでいませんでした。

日本が大本営を設置し、戦時型にしたのは、戦火拡大後の同年11月になってからで、またその一方では、事態の不拡大方針を決め、和平交渉の道を模索していたのです。蒋介石も、共産党を倒して国内を安定させてから、対外戦を行なうのが原則方針だったから、対日戦争は避けたかったのです。

当時の中国軍は約2百万人で、各派、各系の武装勢力を合わせると約5百万人にものぼっていましたが、蒋介石の直系軍はさほど多くはないので、仮に2百万人としても、数だけとれば日本軍の7倍ではあるが、それでも正面から対決できる力量ではなかったのです。

日本軍で訓練を受けた軍人蒋介石は誰よりもそれを知っていて、実際、戦争突入後、国民党軍の弱さはいやというほど証明されています。共産党や、張学良らの軍閥は日本軍への「徹底抗戦」を主張しているので、蒋介石が先に日本軍と戦うことは、他ならぬ共産党が息を吹き返す恐れがあります。

延安で辛うじて生き延びていた共産党にとって、「抗日」は唯一の活路でした。共産党がそう言わないと、まず自分たちが蒋介石率いる国民党の餌食になってしまうからです。また国民党内部の反蒋介石・非蒋介石グループも「抗日」に同調する者が多かったのです。

なぜなら共産党を先に討滅しては蒋介石の絶対的権力が固まると、自分たちの出る幕がなくなってしまうからです。そこで共産党からも蒋介石を抗日に追いつめたのです。 これは、蒋介石の誤算であったのです。

結論はアジアの安定線をまず日本が確立して、アジアの平和、繁栄問題で蒋介石の国民党と話し合うことを良策と考えて、満州からロシア勢力を排除して、ソ連の国境線でアジアの平和線を確立して、蒋介石と話し合う方針でした。そのためには蒋以外の軍閥には強い意志で臨んでいましたが、中国民衆には慈愛で応対しました。
.. 2020年07月07日 08:29   No.1976001

++ 仲條拓躬 (社長)…462回       
満州建国も満人を主体としての建国、日本人が中心になるなどとは毛頭考えていませんでした。ただ石原莞爾は干沖漢の提言には共鳴して、満州の防衛だけは日本の責任において担当する決意でした。それで各民族はあくまでも平等でなければ、対立を生んで、その対立は戦争となって又歴史は逆転すると考えていたので、民族の平等を念願していました。

日本民族の世界統一などは石原莞爾にとっては考えもしないことだったのです。世のいわゆる維新論者は、日本がアジアの指導者であり、世界の支配者となる事を自負しましたが、石原莞爾は日本民族が世界の指導者と呼称することはおこがましいとして、あくまでも世界民族と平等の立場においてこれを考え、己には極めて厳しかったのが石原莞爾なのです。

.. 2020年07月07日 08:44   No.1976002
++ タク (社長)…1415回       
政治の系譜

指導者の安倍氏の首相在任期間が2019年2月に吉田茂を抜き、6月に伊藤博文を抜いて、8月に佐藤栄作を抜き、11月には桂太郎―ニコポン宰相を抜いて憲政史上最長になりました。これは驚きです。

2010年代には、海外の総理や大統領は頻繁に変わって、政治情勢も外交情勢も大きく動いたのですが、安倍政権がそれでも生き延びているというのは、なぜなのかということです。安倍首相を見ていると、何かについてコミットメントすることがあまりありません。

そのうまさはあります。あれもやる、これもやると問題を見つけて、手は出すけれども結局やり遂げたのは3つくらいです。しかし国民のほうは、いろいろやってくれていると思ってしまいます。憲法改正についてはコミットしているという人がいますが、安倍首相は憲法改正条項を変えるといってみましたが、いまは9条3項に固執しています。

そもそも自民党の憲法改正案とは違うもので、いったいどうなっているのか。少し前であれば、言っていることがくらくら変わりすぎれば、首相の首がとびます。しかし誰もおかしいとは言わない。誰かが「安倍さんは多様でいい」といっていたけれども、憲法改正が多様だったら困るでしょう。首相の系譜でいえば、初代は伊藤博文です。

.. 2020年07月08日 08:07   No.1976003
++ タク (社長)…1416回       
伊藤がいて西園寺がいて原敬。これが改正友会の1、2、3代です。一方で大久保の流れとして、牧野伸顕がいて、その女婿が吉田茂です。英米協調、リベラルの系譜として、伊藤、西園寺、原敬がいて、高橋是清はよくわかりませんが、吉田茂から、池田、佐藤につながります。

2つに分かれて、1つは太平、宮澤の系統があって、竹下から、橋本、小渕という流れです。こうした流れが絶えてしまっているような感じがします。あれほど国民から税金をとることがうまく人を育てるのがうまかった竹下さんが、「小渕さんばかりかわいがっているうちに、その後が見えなくなったという面もあります。

系譜という面でいうと、太平の流れは岸田さんにつながって、田中の系譜に連なるのは石破さんでしょうか。そういう残党的な感じはあるのですが、きちんとした系譜かというとだいぶずれています。一方で岸の流れは安倍首相につながっています。この筋は見えるわけです。一本で変わりませんからね。

.. 2020年07月08日 08:19   No.1976004
++ 反原発自治体議員・市民連盟 (小学校中学年)…14回       
ニュースの紹介
 |  「原発やめようニュース」No.35 2020年7月
 

 「原発やめようニュース」7つの見出しを紹介します。

1.新型コロナ状況下の原発の運転と再稼働を止めよう
2.老朽原発をうごかすな!9月6日大集会に全国から
  集まろう 二木洋子
3.放射能を垂れ流し自然を破壊する六ヶ所村核燃料再処理工場は
  STOP
4.新型コロナで東海第二原発は? 阿部功志 東海村議会議員
5.女川原発の再稼働を止めよう 阿部美紀子 女川町議会議員
6.重大事故へ向かう北海道泊原発 岩内町議会議員 佐藤英行
7.川内原発運転延長阻止3号機増設反対
  7月県知事選に全国からご支援を 鹿児島市議会議員 野口英一郎

.. 2020年07月09日 05:46   No.1976005
++ タク (社長)…1417回       
PCR検査は正しいのか

徳島大学の大橋眞名誉教授は、新型コロナのおかしな点を指摘しています。それは、新型コロナを特定するやり方がおかしいというのです。新型コロナウイルスの感染者を判定する為に世界で行われているPCR検査は、基準となる新型コロナの遺伝子配列と同じ配列の遺伝子があるかどうかを測定するものだと言います。

この世界的基準となる遺伝子配列は、中国の研究者たちが2020年1月に医学雑誌ネイチャーに掲載された遺伝子配列が使われていると言うのです。この論文は、昨年末に武漢で肺炎を発症した患者の肺から採取した体液に含まれる各種のウイルスや菌などが持つ膨大な数の遺伝子の中から採取したものです。

SARSやコウモリのコロナウイルスなど、既存の類似のコロナウイルスの遺伝子配列に似たものを取り出し、それを新型コロナウイルスの遺伝子配列だろうと結論づけています。大橋教授は、この論文に掲載されている遺伝子配列の決定手法が適切でないと指摘したのです。患者から採取した体液の中には無数の遺伝子が入っています。

それを調べるのでなく、新型コロナであろうと思われるウイルスを分離してから調べないと、何の遺伝子を調べているのかわからなくなると言うのです。分離したウイルスが本当に新型コロナウイルスである事を確認する作業はすでに発症して治癒した人の抗体が含まれている血清によって、分離したウイルスが無力化されることを確認する作業が必要です。

それらをせず、採取したままの体液からそれらしい遺伝子を取り出しても、それは新型コロナウイルスでなく、似たような、元から体内にある多くの種類の常在性のコロナウイルスの一つを取り出して、これが新型コロナウイルスの遺伝子だと決めつけてしまう間違いをおかしかねないと大橋教授は指摘しているのです。

常在性ウイルスは多くの人の体内に生まれつき存在して、他人に感染する性質のものでなく、何らかの理由で免疫が低下すると、体内の常在ウイルスが増殖して肺炎などを起こす日和見感染があるので、それが新型コロナウイルスの症状とされると本質でないと大橋教授は語っています。


.. 2020年07月09日 07:57   No.1976006
++ 武笠紀子 (小学校中学年)…18回       
中学校教科書の原発についての記述には問題がある
 |  〜子どもたちには正しい知識−原発について−を伝えたい
 |  来年から使用される中学校の教科書選定に要望
 └──── (千葉県松戸市在住)

来年から使用される中学校の教科書選定が行われるにあたり、
各地で市民に対する教科書展示会が開かれています。
 松戸での展示会に行って、「公民」の教科書を見てきました。
 「 歴史」の教科書での記述が問題とされる育鵬社ですが、公民の
教科書も問題です。
 176頁『原子力発電の見直し−原子力発電は放射性物質をあつかうこと
について不安がある一方、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を
ほとんど出さず、原料となるウランをくり返し利用することで、大きな
エネルギーを安定的に得られる利点も指摘されています。そのため、
大量の石油等を輸入に頼る日本では重要なエネルギー源となって
きました。』

この育鵬社の公民を採択する地域は少ないですが、松戸(千葉県
東葛地域)を含め、かなりの地域で採択されてきた東京書籍の公民の
教科書でも、195頁『原子力発電は、海外から燃料を安定して供給
でき、少ない燃料で多くの電力が得られ、発電時に二酸化炭素を排出
しないという利点があります。』とあり、「主な発電方法の利点と
課題」の一覧表があって、原子力の利点に『・温室効果ガスを排出
しない・燃料を安定的に供給できる(日本では未実施)』とあります。

 核燃料サイクルという言葉は使われていませんが、それを指している
と思われます。他の教科書等、詳しく見る時間がなかったのですが、
教科書の原子力発電についての記述は訂正を要求していかなければ
ならないと思いました。
 (注:展示会では、メモしか許されてないので、
    少し違うかもしれません。)

.. 2020年07月10日 05:41   No.1976007
++ 山田和秋 (大学生)…88回       
東京都知事選挙の結果を見る
 |  「小池圧勝」も低調の極み
 └──── (たんぽぽ舎ボランティア)

 ※2つの補足あり
  ・『女帝 小池百合子』執筆者、石井妙子氏の指摘と
  ・東京都北区の都議補選で「都民ファースト」惨敗

◎低調な理由
1.投票率55.00%。前回選挙2016年59.73%。4.73ポイント下回った。
(小泉今日子談「投票率の低さに驚いた」)
2.テレビ討論会を一度も開かなかった。小池が嫌がった?
3.他候補が当然、小池の前回選挙の「7つのゼロ公約」達成出来た
 のは「ペット殺処分ゼロ」のみ、を追及するためか。
4.1兆円あった都の貯金にあたる財政調整基金は、小池都政でほぼ
 使い果たした。
5.新型コロナ問題と重なり、争点をすべてコロナ問題にすり替えた。
6.オリンピックの延期までコロナ問題、何一つ手を打たなかった
 こと。PCR検査をネグレクトしてきたこと。
7.毎日テレビに出演、都税の無駄遣いは目に余った。
8.安倍首相の失策を利用し、小池は良くやっているという
 イメージ作り。

◎野党の無策
 立憲民主党の無策。野党共闘、プラス市民の候補者擁立に失敗。
 宇都宮健児候補の不人気…本人は真面目ではあるが、野党統一候補
としては不適切。
 山本太郎より得票数は多かったが、前回知事選挙時得票数98万票余り
から今回84万票と共闘にもかかわらず10万票以上減らした。
 世界の政治家が40代、50代という時代に73才というのは、
どんなものか。
 その老人を統一候補にした野党の体たらくも情けない。
 また、宇都宮候補不人気のもう一つの理由は、一部の市民から強い
反発がある。前回知事選で落合恵子を推薦した市民グループが共に要請
に出向いたにもかかわらず、彼女の返事を待たずに立候補したこと、
理由はともあれ認め難いと。

.. 2020年07月10日 05:49   No.1976008
++ 山田和秋 (大学生)…89回       
◎山本太郎が期待したほど伸びなかった理由
 私も小池票を崩すのではないかと期待もして、実際運動にも参加した。
 街頭演説では多くの人たちを集めていたが、2013年参議院選挙の66万
票に少し及ばなかった。
 有権者が山本太郎は衆議院選挙が目的ではないかとの判断が
多かった。
 「YouTube」などを見た人たちは山本の出馬を理解したが、浸透しきれ
なかった。
 また、彼の財政政策はもっと時間をかけて丁寧に説明する必要が
あった。
 選挙事務所には連日100人近い若者たちが詰めかけ、電話作戦など
運動を支えていた。
 この若いエネルギーは衆議院選挙に必ず役に立ち、力を発揮するで
あろう。

◎結論
 どの候補者もコロナ問題に言及するが、原発問題を取りあげ、
主張しないのはどういうわけか。
 東京都は東京電力の最大の株主である。
 福島第一原発事故による放射能汚染水が海に放出されようとして
いること。
 東海第二原発再稼働は首都圏に壊滅的打撃を与える。
 首都直下地震対策など問題は山積。

 東京の増え続ける新型コロナ感染症に小池都政は対応できるのか。


※2つの補足

 『女帝 小池百合子』執筆者、石井妙子氏の指摘と
 東京都北区の都議補選で「都民ファースト」惨敗

1.石井妙子氏の指摘

 「…理由のひとつは選挙報道にあるのだろう。もちろんコロナの影響
は大きい。だが、むしろコロナが政治利用されたと感じられて
ならない。小池都知事は「コロナ対策にまい進する」というポーズを
常に取り、テレビ討論会への参加に消極的だったとされる。
 結果的にテレビ局は、討論会そのものを一度も開かなかった。
なぜ、残りの候補者だけで討論会をし、報じなかったのか。
 一方で、現役の都知事である小池氏の会見は毎日のように、テレビで
取り上げられていた。不公平であろう。小池氏がテレビ討論を嫌がった
のであれば、その真の理由は、他候補からの厳しい質問に答える自信が
なかったからではないか。他候補はテレビを通じて自己を主張する貴重
な機会を小池氏とテレビ局によって奪われてしまったと言っていい。」
    (後略)(7月6日発行「日刊ゲンダイ」3面緊急寄稿
        石井妙子より抜粋)


.. 2020年07月10日 05:55   No.1976009
++ 山田和秋 (大学生)…90回       
2.北区の都議補選で「都民ファースト」が惨敗

 東京都知事選挙と同時投票の北区都議補選では、「都民ファースト」
(小池氏の作った政党)が4位で惨敗した。当選は自民党、2位は
立憲民主、「都民ファースト」の候補はなんと4位。
 東京都知事選挙は、小池氏が汚いやり方で「熱気なき当選」をしめた
が、来年7月の都議会議員選挙で「都民ファースト」の惨状を予想
させたのも今回の結果だ。
 現在の都議会の構成は、「都民ファースト」50人、自民党26人、
公明党23人。
 これが来年の都議会議員選挙で激動し、小池百合子の足元が
危うくなる。
 小池提出の都予算の順調な進行は見通せなくなる。

.. 2020年07月10日 06:01   No.1976010
++ 渡辺マリ (課長)…174回       
「本来、ヒトが近付くべきでない場所で人々が木々を
 |  切り倒したために目を覚ました神々が怒って
 |  罰として病気を与えた」(アフリカの呪術師)
 |  人間は地球上の多様な生き物の、
 |  たかだかその一つに過ぎない  (上)(3回の連載)
 |  驕(おご)り昂ぶる「ヒト」への自然の逆襲
 └────  (たんぽぽ舎ボランティア)

〇驕り昂ぶる「ヒト」への自然の逆襲

 新型コロナウイルスによるパンデミックは、グローバル資本が過剰な
開発と都市化、生態系を破壊したことが原因と言われています。
 とすれば、仮にこのウイルスとの「戦争に勝った」としてもまた同じ
ことが繰り返される可能性がある、とも。
 この地球上の生き物全てが支え合って生きている、私たち「ヒト」は
たかだかその生きものの一つに過ぎないのだ、ということを教示して
くれた3人の方の文章を3回に分けてお送りします。
 いつ、どこに掲載されていたのかを書きとめておかなかったので、
その点はすみません。

(1)生きもの38億年の歴史〜自然の一員 認識しよう〜

〇 私の専門である「生命誌」について語りたい。地球上には多様な
生きものが暮らしている。
 寒中とはいえ、庭では椿が満開、梅もほころび始めた。夏ほどでは
ないけれど、花を求めてメジロやヒヨドリがやってくる。
 この多様性こそ生きものの特徴だが、一方で、これらはすべて
DNA(ゲノム)を含む細胞から成るという共通性を持つことも明らかに
なっている。
 DNAが、大腸菌もヒトも同じように働いているという事実は、今は
小学生でも知っている。
 しかし20世紀の半ば、大学生としてこれを知った時の驚きは今も
覚えている。

 そこで専攻した生命科学は、共通性に強い関心を持ち、個別の現象を
解明していった。DNAを遺伝子として捉え、すべてを遺伝子で語ろう
とした。
 多様でありながら共通、共通でありながら多様という生きものの
ありように惹かれる気持ちと離れていく研究に違和感を覚えて悩んで
いる中で、ある時答えを見つけることができた。

.. 2020年07月10日 07:55   No.1976011
++ 渡辺マリ (課長)…175回       
 「生命誌研究館」という6文字が頭に浮かんだのである。
 生きものは進化をしており、すべての生きものでDNAの働き方が
同じであることは偶然とは考えられず祖先が一つであることを
示している。
 祖先細胞の誕生は未解明だが38億年前の海には生命体が存在したと
される証拠があるので、今はこれを始まりと考えよう。

 現存の生きものの持つDNAは、この歴史を語っている。あなたの
細胞にあるDNAは両親から受け継いだもの、両親はまたその両親から
受け継ぐという形でさかのぼるので、そこに38億年の歴史が
書き込まれる。
 すべての生きもののDNAにはそれぞれの生きものの38億年が記され
ているのであり、これを読み解けば、生きものって何なのだろうという
ことが見えてくるはずだ。
 それを知った上で、この地球上で生きものとして生きる生き方を
探ろう。これが生命誌である。

 大事なのは人間が多様な生き物の一つであり、それらを外から見ている
のではないということである。自然の一部という事実。これを外さずに
社会を組み立てよう。
 これは一つの学問ではなく、政治も経済もここから始める必要がある
と考え、研究所でなく館として皆で考える場を創った。

〇 私たちは熱帯林のイチジクコバチを研究している。熱帯林の鍵と
なる樹木イチジクは、常に実をつけ鳥や虫、動物たちを支えている。
 この花粉を運ぶのが体長1.5ミリのコバチだ。コバチは子育てのために
中に入るのだが、外へ出る時に花粉を身につけていく。両者はみごとな
共進化を示しており、広大な熱帯林はコバチあっての存在だとわかる。

 地球に暮らしながら、権力争いやお金の動きへの関心だけで行動して
いると、熱帯林の持つ意味もわからず、自分の都合だけで勝手に利用
することになる。
 人間には熱帯林に代わるものを作り出す能力はなく、その破壊は自分
たちの生活をも脅かすことになる。
 数億年の時間をかけた小さなハチとの関わりの中で生まれた広大な
森の歴史を知った上で活用してゆく必要がある。
 これは一例であり、さまざまな自然のしくみを知ることがさまざまな
生き方を考えさせる。(後略)(中村桂子さん・JT生命誌研究館館長)

.. 2020年07月10日 08:25   No.1976012


▼返信フォームです▼
Name
Email
ホームページ    
メッセージ
( タグの使用不可 )
Forecolor
アイコン   ICON list   Password 修正・削除に使用