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市民団体代表 若井正幸(千葉県柏市)
柏市を含む千葉県東葛地域6市を中心に活動する市民団体など19団体 は、「東葛6市が主催する(日本原子力発電と原子力規制庁が 出席する)東海第二原発の再稼働に関する住民説明会」を求め、 共同で署名活動を実施してきた。 昨年2月から10月にかけ、集まった9244筆の署名と要請書は各市に 届けられ、6市からは一体となって実現へ動いてくれる旨の回答を 頂くことができた。
要請の特徴は二つある。一つは東葛地域の6市長は市民の不安を すくい上げ、市民を代表して交渉に立ち上がれということ。 もう一つは、そもそも6市の防災計画作りには原発災害時に何か 起き、どのような影響かおるかを行政や市民が知ることが必須である ため、原電と規制庁から住民への十分な説明を求めるというものだ。
背景には、この地域が3・11原発事故の被害地域で、東海第二原発 (茨城県東海村)からはわずか80キロの距離にあること。同村には、 規制委員会が危惧する再処理施設も存在することがある。 6市の回答から半年が過ぎようとしているが、新型コロナで6市の 動きも鈍りがちかもしれない。
一方、原電は東海第二原発の再稼働に向けた安全対策工事を着々と 進め、先月15日に使用前検査をスタート。2022年末の営業運転開始を 目指している。 原子力災害の実相を知らずして防災計画作りはできない。原電、 規制庁は東葛6市の求めに応じ、住民説明会に参加して、地域行政と 市民の疑問や意見に向き合うべきではないか。 厳しい新型コロナ情勢下、東葛6市の交渉を市民は引き続き応援し、 見守っている。 (6月8日朝刊5面「発言・ミラー」より)
.. 2020年06月09日 07:24 No.1948001
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