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レモンやイチゴなどに含まれる、いわゆるビタミンCです。L-アスコルビン酸ともいいます。ビタミンCは天然成分ですが、その化学構造が分かっていて、人工的に合成され、栄養強化剤などに使われています。お茶飲料や清涼飲料水、ジャム、キャンディ、ハム、ウインナーソーセージ、パン、漬物など多くの食品に使われています。
簡略名は、「V・C」。食品は空気にさらされると、酸味と結合し、味や匂いが悪くなったり、色が変わったりします。ビタミンCには、酸化を防ぐ働きがあるので、「酸化防止剤」として使われています。ビタミンCの急性毒性は極めて弱く、慢性毒性も認められていません。大人が1日1gを3か月間取り続けても、異常は認められませんでした。
ただし、1日に6gという大量を取ると、気分が悪くなったり、吐いたり、下痢をするなどの症状が見られました。幼児では、皮膚に発疹が見られました。しかし、普段の食生活でこんなに大量にとることはあり得ないので心配はいらないでしょう。ビタミンCが酸化防止剤として使われたときには、「酸化防止剤」と表示されます。
しかし、ビタミンCは、栄養強化剤としても使われることがあります。栄養強化剤は、企業が自主的に表示しても構わないのです。お茶飲料には、「ビタミンC」という表示がありますが、「酸化防止剤」とは書いてありません。これは、栄養強化剤として使われていることを意味します。栄養強化剤は、企業が自主的に表示しても構わないのです。
ところが、実際にはお茶が酸化して、風味や色が変わるのを防いでいるのです。ですから、本当は「酸化防止剤」と表示すべきなのですが、そうすると、いかにも添加物を使っているようで印象があまりよくありません。そこで、栄養強化のふりをして、「ビタミンC」とだけ表示しているのです。これならかえって印象がよくなります。
これと同じようなケースが、他にもあると考えられます。「ビタミンC」という表示がある場合、ふつうL-アスコルビン酸が使われているのですが、ほかにL-アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L-アスコルビン酸Na、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸2-グルコンドが使われていることもあります。
.. 2020年05月24日 09:08 No.1935001
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