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ウコン色素は、ショウガ科ウコンの根茎の乾燥品から、温めたエチルアルコールまたは温めた油脂で、または溶剤で油出してえられたものです。ターメリック、あるいはクルクミンとも言います。ウコンはご承知のようにカレー粉の原料となるものです。
最近では、肝臓などの働きを高めるということで、その粉が健康食品としても売られています。ですから、安全性に問題はないといいたいところなのですが、ウコンから特定の色素成分を油出したウコン色素の場合、それを動物に与えると、毒性が出てしまうのです。
まず急性毒性ですが、マウスに対して、体重1キロ当たりウコン色素2gを口から与えると、その半数が死亡します。急性毒性は弱いながら、あることになります。
また、マウスとラットに対して、ウコン色素を0・2%、1%、5%含む餌を、103週間自由に食べさせた実験では、マウスの1%郡で肝細胞線種あるいは肝細胞ガンの発生率が、対照群に比べて明らかに増加し、5%郡では、下垂体腫瘍が増加しました。また、ラットの5%郡では、赤血球やヘモグロビンが減っていました。
これらの動物実験の結果を見ると、ウコン色素は安全ということはできません。むしろ危険の分類に入るということになっています。カレー粉に使われるウコンは、ウコンの根茎の乾燥品やそのまま粉にしたものなので、色素などをバランスよく含んでいます。そして、長い食経験の中で、安全性に問題ないことが認められています。
一方、ウコン色素は無理に黄色い色素を油出して、それだけを凝縮させたかっこうになっているので、動物にあたると毒性が出てしまうのかもしれません。あるいは、油出の際に使われた溶剤が、残留していることも考えられます。
.. 2020年04月02日 08:51 No.1890001
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