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原子力災害と感染症の拡散が同時発生する懸念 | 東京電力の汚染水対策を批判する | 福島第一原発での新型コロナウイルス対策 (その3)(了) | 海洋放出を既成事実化 | こっそり放出の準備作業を進める東京電力 | 「リスクコミュニケーション」とは何をする場か | 様々な立場の意見を主張する場を設ける必要 └──── (たんぽぽ舎共同代表)
5.海洋放出を既成事実化
同文書において東電は「海洋放出の場合」として「海水中の トリチウムの告示濃度限度(水1リットル中60,000ベクレル)に対し て、「地下水バイパス」及び「サブドレン」の運用基準(水1リットル 中1,500ベクレル)を参考に検討する」としている。これを前提として 計画した結果の各種データが記述されていると考えられる。 これであれば改めて福島県との間で安全協定等を作成する必要はない と考えているのだ。しかしこれでは総量が極めて多くなる。
現在の総量を排出するとした場合、単純計算で年間放出総量860兆 ベクレルは管理目標値(22兆ベクレル)を超えると考えられる (860÷38年は約22.6兆ベクレル、860÷30年は約29兆ベクレル)。 管理目標以内での排出を前提として、時間減衰を考慮した結果「40年 以内に全量排出」という計算をしたのだろうか、明確ではない。 しかしながら福島第一原発では2010年以前には年間2〜3兆ベクレル の総排出量だったから、管理目標値の十分の一だったことは明記して おかなければならない。 なお、水でデブリを冷却し続ける限りトリチウム汚染水は追加で発生 するため、総量860兆ベクレルも確定値ではない。 時間減衰(10.3年で半減)を考えるのであれば、40年間貯蔵しつつ、 残っていくトリチウムをカナダ等の技術で濃縮する方法で排出しなく ても総量を減少させることが出来る。 何が何でも放出、ではなく、あらゆる手段を総合的に動員して、放出 しなくても体積を減少させることが可能であることも考えなければ ならない。
.. 2020年04月25日 07:23 No.1885008
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