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■--3/4子ど脱被ばく裁判第26回期日傍聴報告
++ 冨塚元夫 (部長)…242回          

山下俊一のウソ発言の結果、多くの市民(特に子供)が
 |  避難せずに被曝し一生取り返しのつかない健康被害
 | 早口、小声の言い逃れに終始、「記憶にない」
 |  追い詰められてしぶしぶ誤りを認める
 |  (上)(2回の連載)
 └──── (たんぽぽ舎ボランティア)

 山下俊一証人は事故直後の福島県各地の講演会での「重要発言の
誤り」を認めました。しかし取り返しのつかない被害と被ばくを
軽視する政治状況に変わりはありません。

 3月4日は子ども脱被ばく裁判第26回期日、約6年続いた子ども
脱ひばく裁判最大の山場でした。
 福島県民と日本国民をだまして被曝をさせた、あのにっくき山下俊一
の証人尋問が行われました。
 原告弁護団は心血を注いで準備して来ました。原告のお母さん
お父さんは彼の発言のため家族が無用な被曝をさせられた上に、
困難な避難生活を強いられました。

 さらに、その避難が必要のない、故郷を裏切った行為だと非難されて
来ました。
 12時、裁判所前には前回の鈴木眞一証人尋問の時以上の傍聴希望者が
集まりました。生業裁判、かながわ訴訟、関西訴訟、南相馬20ミリ
シーベルト撤回裁判、東電原発事故刑事裁判などいろんな裁判を
闘ってきた人が挨拶しました。

 ひだんれん代表の武藤類子さんは、「原発事故告訴団は最初の
告訴では東電幹部だけでなく、山下俊一も告訴したが起訴に至らず
残念だった。しかし、子ども脱ひばく裁判で法廷に引きずり出した
意味は大きい」と発言しました。
 前回より多い100人以上の傍聴希望者が抽選券をもらいました。前回は
抽選に外れた私は当選しました。山下俊一が、死を招く悪魔のウソを
どう言い訳するのか聞きたいと思いました。

 結論から言うと、がっかりしました。早口、小声の言い逃れに終始
しました。
 追い詰められて、しぶしぶ誤りを認めたり、記憶にないと言ったり
しました。
 しかし彼のウソ発言の結果、多くの市民(特に子供)が避難せずに
被曝し、一生取り返しのつかない健康被害を受けた、その責任は全く
感じていないようでした。
 被告(国、福島県)側弁護団がまず1時間ほどスライドを使って、
尋問しました。
 
.. 2020年03月22日 07:35   No.1879001

++ 冨塚元夫 (部長)…243回       
 山下がどういう経過で福島県放射線健康リスク管理アドバイザーに
就任したか、就任後どういう方針で県と打ち合わせし、県民に講演
したかなど確認したものでした。
 福島県からの長崎大学への再三の要請で就任した。放射線リスク
管理の方法は、“国際的コンセンサス”に基づいて、正しい放射線の
知識と“リスクコミュニケーション”を県民に教えるという
ことのようです。
 実際は、“クライシスコミュニケーション”と名付ける緊急時の
放射線量年間20-100ミリシーベルトを適用した、100ミリシーベルト以下
では健康被害は出ないという「科学的根拠」の説明などを行いました。
   (下)に続く

.. 2020年03月22日 07:53   No.1879002
++ 地脇美和 (幼稚園生)…1回       
昨年9月19日の東電刑事裁判の<判決の全文>を収録
 |  [担当裁判官が書いたと思われる解説]と[特集論文が6本]
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 └──── (福島原発刑事訴訟支援団)

『判例時報』No.2431・2432(春季合併号)2020年3月11日号
      発行:判例時報社 こちら
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1.判例特報
 東電福島第一原発業務上過失致死傷事件(東京地判令1・9・19)
 特集:東電福島第一原発業務上過失致死傷事件経営陣を無罪とした
    第1審判決の検討−福島第一原発水素爆発事件・
    東電元副社長ら強制起訴事案第1審判決と過失犯についての
    見せかけのドグマ…(古川伸彦)
2.東電無罪判決雑感(小林憲太郎)
3.東電無罪判決の手法について(福崎伸一郎)
4.東電経営陣の無罪判決について(樋口英明)
5.福島第一原発事故と東京電力の責任
  民事判決との対比から(大塚正之)
6.東電刑事無罪判決に書かれなかったこと−
  被害者参加代理人として法廷に立ち会って(海渡雄一)
  (福島原発刑事訴訟支援団より)

.. 2020年03月22日 08:37   No.1879003
++ 冨塚元夫 (部長)…244回       
山下俊一のウソ発言の結果、多くの市民(特に子供)が
 |  避難せずに被曝し一生取り返しのつかない健康被害
 |  原告弁護団は山下俊一のウソ発言6点を問い詰める
 | 3/4子ども脱被ばく裁判第26回期日傍聴報告 (下)
 └──── (たんぽぽ舎ボランティア)

 原告弁護団は井戸さんを先頭に、田辺さん、崔さん、古川さん、
柳原さん、光前さんがこれまでの入念な準備を生かして、
逃れられないように問い詰めました。

*ウソ発言その1“放射能はニコニコ笑っている人には来ないで
くよくよしている人に来る”
 …安心してもらうためのユーモアだったそうです。

*ウソ発言その2“被曝量1年間で100ミリシーベルト以下ならば、
がんのリスクは無い“
 …「積算被ばく量が100ミリシーベルト以下の健康被害の証明は
されていない」としても、通算すればすぐに100ミリシーベルトを
超えるではないか、この発言は毎年100ミリシーベルトに達しなければ、
問題ないと理解されているが、どう思うか、という尋問に対し、
「そう理解されたかもしれない」と認めた。

*ウソ発言その3“福島市、郡山市などで、空間線量が毎時10-20
マイクロシーベルトだった時に、100マイクロシーベルト以下は
心配ありません、マスクはいりません、子どもを外で遊ばせて
問題ありません。洗濯物も外に干して問題ありません。”
 …間違いだったとすぐ認めました。意図的ではなく、うっかり
間違ったそうです。
 1か月後に外部から指摘されて、訂正した。県のホームページでも
訂正した。
 しかし、県のホームページでは翌日の日付(3月22日)で訂正した
ことになっていたそうです。

*ウソ発言その4“空間線量1ミリシーベルトの場合、1個の遺伝子を
傷つけます”
 …実際は細胞一つ当たり1個の遺伝子を傷つけるのであり、人間の
体には37兆個の細胞があるので、37兆個の遺伝子が傷つく、つまり
37兆分の1の過小評価ではないか“その通りです”と認めた。

*ウソ発言その5“水道水にヨウ素は入るが、短期間で減少する。
セシウムはフィルターで除去されるから、入らない。”
 …厚労省のデータでも「セシウム200ベクレル/リットル超えた場合
は危険だから飲むな」などと言っているではないか、という尋問に
対し間違いを認めた。

.. 2020年03月25日 05:49   No.1879004
++ 冨塚元夫 (部長)…245回       
*ウソ発言その6“3月15日雪の日、線量計がガーガー鳴って計測
不可能だった日、県知事室で県民の安定ヨウ素剤服用は必要ないと、
職員の質問に答えて言った”…“覚えていない、記憶にない”と
答えた。
 「チェルノブイリ原発事故と甲状腺がんの因果関係をIAEAも
認めた。1986年事故以降に生まれた子供は以前に生まれた子供に
比べて、甲状腺がん罹患率が大幅に減少したからだ。
なぜ同じ疫学調査を福島でやらないのか」
 という尋問に対し、“疫学調査に耐えうるデータがない”とか、
“福島の場合はスクリーニング効果という結論が出ている”とか、
“100ミリシーベルト以上の被爆をした人が少ない”とか、“放射線の
健康影響は難しい”とか、いろいろとごまかしていました。

 報告集会での、原告さんたちの感想は、
 「山下は意図的にだました。本当に騙された。」
 「親たちがだまされた。山下の話を信じた母親と喧嘩した。本当に
悔しい。避難したかったのにできなかった人が多い、避難して苦労した
人も多い」「義母が山下俊一の講演を聞いた。心配いらない、本当に
危ないならば国が動くはずと言われて何もできなかった。
いまはまだ子供たちは元気だが、将来が心配だ」
 「まだ不明な時に出まかせ言ったのは許せない、良心的な科学者は
いないのかと思う」などでした。

 山下俊一は“安全でなくても安心を与える”役割を見事に果たした
わけです。
 彼に命じたのは国です。国は国際原子力マフィア(IAEAが中心)
の核兵器維持のための核の平和利用方針に忠実に従ったものと
思います。
 「上の命令に従っただけ」とナチス裁判で答えたアイヒマンに
似ています。

.. 2020年03月25日 05:55   No.1879005


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