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■--見せかけのJR常磐線全線開通
++ 中村弘美 (幼稚園生)…1回          


  車両空冷フィルターの「ちり」の放射能濃度23倍
  (茨城県牛久市、環境学習同好会)

 JR常磐線3/14全線開通を、喜んではいけない!
 東京オリンピック開催までに福島第一原発事故被災地は復興した
という見せかけだ。

 ずっと不通だった富岡−夜ノ森−大野−双葉−浪江の区間には、
住民が帰る見通しが立たない「帰還困難区域」があり、今でも放射能
測定器の針が振り切れる高線量の地域が近くにある。

 JRは駅周辺と線路上を除染し、列車は高速で走るので車両に
放射能はつかないとして放射能測定を行なわないと聞いた。
 2/29東京新聞には、試運転した車両の空冷フィルターの「ちり」に
セシウム137が2350ベクレル/kg検出とある。
通常運行車両の23倍だ。

 運転士や車両整備員等が内部被ばくする。乗客や車両センター
周辺の住民も被ばくする。
 1日上下各3本上野・品川〜仙台直通列車が走る。
 放射能は運ばれる。

 大好きな常磐線が悲しい。さらに悔しいのは、えきねっと会員
対象に常磐線特急料金+乗車料金が50%OFFという破格の割引で
全線開通記念と銘打って利用促進を呼びかけていることだ。
 被災地を想う温かい心の人々への裏切り行為だ。
 みんな騙されないで!みんなに、このことを知ってほしい!

※「YouTube」で動画が見られます。
 「常磐線全線再開は安全か?帰還困難区域現地調査報告」
https://www.youtube.com/watch?v=s-X2A7HDS-k
.. 2020年03月08日 08:08   No.1867001

++ 井戸謙一 (幼稚園生)…4回       
8項目について山下俊一氏の「ウソ」をバクロ
 |  100ミリシーベルト以下では健康リスクが「ない」のではなく
 | 「証明されていない」であること
 | 住民には連年100ミリシーベルトずつの被ばくも
 |  「健康被害がない」との誤解を与えた…等
 |  3/4子ども脱被ばく裁判第26回口頭弁論期日のご報告
 └────  (弁護団長)

 さる3月4日、山下俊一氏の証人尋問が行われ、この裁判の終盤の
大きな山を越えました。弁護団としては、万全の準備をして臨んだ
つもりでしたが、振り返れば反省点が多々あります。
しかし、獲得した成果も大きかったと考えています。

 山下氏は、尋問前に提出書面で、自分が福島県民に対してしたのは
「クライシスコミュニケーション」であり、住民のパニックを抑える
ためには、わかりやすい説明が必要だったのだと正当化していました。
 しかし、いくら緊急時であっても、住民に嘘を言ったり、意図的に
誤解を誘発することが正当化されるいわれはありません。
 私たちは、山下氏がした具体的な発言の問題点を暴露することに
重点を置きました。

 山下氏は、福島県内の講演では、ゆっくりと余裕を感じさせる
話しぶりでしたが、法廷では、語尾が早口で消え入るように小さな声に
なり、緊張感が窺えました。
 尋問によって山下氏に認めさせることができた主な点は、
次のとおりです。

(1) 100ミリシーベルト以下では健康リスクが「ない」のではなく、
正しくは「証明されていない」であること

(2) 国際的に権威ある団体が100ミリシーベルト以下の被ばくによる
健康影響を肯定しているのに、そのことを説明しなかったこと

(3) 「年100ミリシーベルト以下では健康被害はない」との発言は、
単年だけの100ミリシーベルトを前提としており、連年100ミリ
シーベルトずつの被ばくをする場合は想定していなかったが、
住民には、連年100ミリシーベルトずつの被ばくも健康被害がないとの
誤解を与えたこと

.. 2020年03月10日 05:55   No.1867002
++ 井戸謙一 (小学校低学年)…5回       
(4) 「1ミリシーベルトの被ばくをすれば、遺伝子が1つ傷つく」と
話したのは誤解を招く表現だったこと、すなわち、実効線量1ミリ
シーベルトの被ばくをすれば、遺伝子が1つの細胞の1か所で傷が
つき、人の身体は37兆個の細胞でできているから、全身で遺伝子が
37兆個所で傷つくことになるから、自分の発言は、37兆分の1の
過小評価を招く表現だったこと

(5) 子どもを外で遊ばせたり、マスクをするなと言ったのは、リスクと
ベネフィットを考えた上のことだったこと(すなわち、子どもを外で
遊ばせたり、マスクをしないことにはリスクがあったこと)

(6) 水道水にはセシウムが全く検出されないと述べたのは
誤りだったこと

(7) 福島県民健康調査で福島事故後に生まれた子供に対しても甲状腺
検査をすれば、多数見つかっている小児甲状腺がんと被ばくとの
因果関係がわかること

(8) 鈴木眞一氏が言うように、福島県民健康調査で見つかり
摘出手術をした小児甲状腺がんには、手術の必要がなかったケースは
存在しないこと、

 被ばく医療の専門家が住民に対してこれだけ多数の虚偽の説明をした
目的は何だったのか、山下氏を利用した国や福島県の意図はどこに
あったのか、今後、これらを解明していかなければなりません。
 弁護団は、これから最終準備書面の準備にかかります。
 裁判は、次回の7月28日午後1時30分からの弁論期日で結審します。
 年内か年明けには判決が言い渡される見通しです。
 最後までご支援をお願いします。


.. 2020年03月10日 06:01   No.1867003
++ 矢ヶ崎克馬 (小学校低学年)…6回       
コロナウィルス問題は「事実をありのままに認識」すること、
 |  「人道的」な施策を要求、安倍内閣による「新型インフル
 | 特措法の改正と緊急事態宣言」に反対します (その2)(了)
 └──── 「つなごう命の会 〜命どぅ宝〜 放射能公害被災者に
  人権の光を! 」
「避難者通信77号(2020年3月4日)福島原発事故の
実相2飛び入り版」より
             ※(その1)は3/7【TMM:No3877】に掲載

(2)福島原発事故後の「原子力緊急事態宣言」(原子力災害対策
特別措置法)による人権の破壊:この件については避難者通信次号等で
詳しく解説します。

イ.(背景)国際原子力ロビーによる被曝防護措置の強力な阻止

ロ.(日本市民の人権)被曝に関して「年間1mSv」であったが
「20mSv」に押し上げられた。被曝防護されることに関して明確な
人権切り捨て。

ハ.(専門家集団)100%ICRP遵守者であり、ICRPの2007
勧告に際して法律で定められた住民保護との矛盾を指摘するものは
皆無だった。
 原水禁世界大会実行委員会運営委員会代表の野口邦和氏に代表される
数多くの専門家は積極的にICRP2007勧告の受け入れを説いた。

 原発事故後に内閣参与に任命された小佐古敏荘氏が20mSvについて
「容認すれば私の学者生命は終わり。法律を軽視してその場限りの
対応を行い、事態収束を遅らせている」として辞任したことがこの
分野の専門家が人道にたち、学問の自由に則って行動した唯一の
ものだった。

 逆に山下俊一氏に代表される住民だましと権力/核企業に対する
忖度の一本槍しか持たない専門家集団の独壇場となった。
 山下氏曰く「放射能の影響は、実はニコニコ笑ってる人には
来ません。クヨクヨしてる人に来ます」。
(これに対してコロナウィルス問題では、感染拡大防止の専門家など、
はっきりと真実を語ろうとする専門家がいるようである)。

ニ.(原子力緊急事態宣言の人権上の実害)原子力緊急事態宣言は
年間20mSvを設定したが、これは暴政であった:
 1.放射能汚染に基づいた住民の強制移住に関する基準だけで無く
 2.被曝防護の基準にもなった。

.. 2020年03月13日 05:46   No.1867004
++ 矢ヶ崎克馬 (小学校低学年)…7回       
 例えば、避難強制は20mSvであるが、避難希望者には1mSv/年以上の
汚染で認める、あるいは汚染地域も含めた日本全域の住民を食材による
内部被曝を避けるための保護をする、などのきめ細かい政策は一切
伴わなかった。
 住民との約束事項である被曝制限値が全く適用されない社会を作り、
結果として明確な「原子力災害の拡大」を増進させた。

(3)(原子力緊急事態宣言の実被害−死亡者の異常増加と出生者の
異常減少
 放射能の被害は弱いものに集中的に現れた。厚労省の人口動態調査を
解析すれば上記2項目の原因の異常人口減少が7年間で50万人に及ぶ。
この被害が隠されたままだ。

(4)(安倍首相の原発事故処理指揮)
 安倍首相はオリンピック招致の時に事実に反する「アンダー
コントロール」と「健康被害は一切無い」の虚言を弄し、その後
全官庁が「食べて応援」、「風評被害払拭リスクコミュニケー
ション」、「放射能のホント」、「放射線読本」などでこの路線に
従った。
 マスコミから「放射能」の1語が消えた。
 事故後5年というチェルノブイリ法が成立したタイミングで
指定区域外避難者への住宅補償を停止した。

(5)事実に基づく科学的人道的判断を基本とし、それに基づいて
権限を行使できるメカニズムを伴わない限り「緊急事態宣言」は基本的
人権にとって危険極まりないものとなります。あくまで事実と人道に
基づいた施策の実施できる決定基盤を要求します。
大権集中型の処理体制には強く反対します。

 誰でも新型コロナウィルスの蔓延には反対します。
 誰でも子どもを強く保護することを望みます。
 しかしそれを口実として、科学的事実確認とそれに基づいた人道的
施策の検討抜きにして、政治的処理が断行されることには強く
反対します。
 与党にも野党にもこのことを要求いたします。
 安倍内閣による新型インフル特措法の改正と緊急事態宣言に
反対します。

.. 2020年03月13日 05:52   No.1867005
++ 木村雅英 (社長)…418回       
関西電力に原発稼働の資格は無い、
 |  高浜・大飯を直ちに止めろ
 |  関電第三者委員会の報告が示す、関電の「安全文化」欠如
 | 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その219
 └──── (再稼働阻止全国ネットワーク)

 3月14日(金)に関電第三者委員会が報告を公表、関電が役員人事・
経営責任処分・「経営刷新本部」設置を発表、16日に経産省が電気
事業法に基づく大臣からの業務改善命令を出した。第三者委も関電も
経産省も新聞休刊日(15日)を挟んで用意周到の原子力ムラ出来レース
だ( https://www.kepco.co.jp )。

 ところがこの出来レースに原子力規制委員会は登場しない。第三者
委員会報告には規制委が好きな「安全文化」の欠如を示す情報が満載
なのに、更田委員長は3月18日の記者会見では、「現時点で直接的な
安全に関わるようなもの、例えば、炉規法の下で気にしなければなら
ないようなことが起きているというような認識を持っているわけでは
ありません」と逃げた。

 しかしながら、第三者委員会の金品受領に注目した調査であっても、
同報告が次のことを示している。

1.関電にガバナンス上の深刻な問題が存在
 第三者委員会でさえも「関西電力からの受注確保による安定収益」の
仕組みを見抜き、「本件問題の重要性や関西電力の取締役会規則の内容
等に鑑みれば、ガバナンス上重大かつ深刻な問題が存在する」
としている。

2.再発防止策の提言
 第三者委員会でさえも再発防止策として次を提言している。
・ユーザー目線でのコンプライアンス意識の醸成
・内向きの企業体質の是正
・地元を重視する施策についての透明性の向上
・取引先関係者からの金品受領に関する明確なルール設定
・悪しき情報が早く伝わり、現場に直接メスが入るためのガバナンス
体制の再構築

.. 2020年03月22日 08:08   No.1867006
++ 木村雅英 (社長)…419回       
3.調査報告の中に「保安活動を阻害」する(「安全対策」欠如)
 の証拠
  2011年1月7日に長谷高浜発電所長が豊松原子力事業本部長ほかに
 送信した電子メールをご覧頂きたい。
 <…1月21日の3号機本格運転に向けてやるべきことが多々ある中、
それこそこんな対応は、発電所の保安活動を阻害するもの。
 その典型は、昨年の※※※※当日。事故対に詰めてまさに奮闘中に、
柳田への追加1億円工事の実績報告を要求され、その対応に肝心の保修
関係者を使うありさま。発電所運営に支障。いつまでこんな対応をして
いるのか、大いに疑問。毎月京都で一対一の対話、月に10回程度(
つまり2日に1回程度)の電話。エスカレートしている?
以上、愚痴でした。…>

 これだけの事実が明らかにされ関電の「安全文化」欠如が明らかに
なったにもかかわらず、更田委員長は「経済産業省が出した業務改善
命令に対して、どのように改善計画が出され、そして、実行状況の報告
がどのようにされるかというのを見ていく」と答え、高浜も大飯も
直ちに止める気は全く無い。
 さすがに、原子力規制委員会は再稼働推進委員会だ。
 なお、上記3などについて共同通信の記者が更田委員長に丁寧な
表現ながらしっかり食いついて質問したことを添える。

 一方、別件だが次の2点の報道はいただけない。
○朝日新聞(3月17日)
 <稼働でも規制 電力会社直撃 既存原発にも最新の知見
  「バックフィット」>
 記事では「テロ対策施設」(特定重大事故等対処施設、特重)を
バックフィットとしている。
 しかし、特重は「新規制基準」と一体のものであり、当初
「新規制基準」施行から5年以内の猶予、その後本体工事計画認可から
5年以内の猶予に延ばされたもの。新知見に基づく「バックフィット」
とは異なる。原子力規制委員会を甘やかす報道はまずい。

.. 2020年03月22日 08:16   No.1867007
++ 木村雅英 (社長)…420回       
○東京新聞(3月18日)こちら原発取材班
 「節目の汚染水問題」として137万トンの放射能汚染水とトリチウム
1000兆ベクレルの詳しい説明はとても分かり易くて良いが、「汚染水の
浄化処理」欄の記述
 <…一部をデブリ冷却に再利用し、残りは多核種除去設備
(ALPS)でトリチウム以外の放射性物質を国の基準を下回る濃度迄
取り除き、構内のタンクで保管している>は間違いだ。
 本シリーズ「その217」で示したように、タンクに保管されている
108万立方mの放射能汚染水のうち、トリチウム以外の核種の告知濃度比
総和が1倍以下であるのは約30万立方mで、108万立方mのうち7割以上
は告知濃度比総和が1を超えている(2019年12月31日現在、
 こちら )。

 このことは、長らく東電と経産省が隠していた嘘(2018年8月
に報道)であり、そのことを知りながら、更田委員長はこれらの放射能
汚染水を「処理済水」と呼べと言い、「海に流せ」と
主張しているのだ。さすがに被曝押付委員会だ。

.. 2020年03月22日 08:23   No.1867008
++ 蓮池 透 (小学校低学年)…7回       
・「映画『Fukushima50』の違和感」
 | 3月23日朝のTBSラジオを聞いて
 | ・吉田所長以下関係者には敬意を払っている。
 | しかし『英雄』ではない
 └──── 浜島高治(神奈川県在住)
       蓮池 透 (新潟県在住)

・「死の淵を見た男−吉田昌郎と福島第一原発」原作著者、門田隆将
さんはアベ首相に近い人。
 吉田所長を「渡辺謙」、1・2号機所長を「佐藤浩一」が演じ、
現場の人達を英雄視、持ち上げ。ノンフィクションとフィクションの
中間で曖昧。
・原発を進めた自民党政権の責任と実行者東電の責任は共に不問。
 「現場のフィフティ(50人)は生死をかけて…」のように、
原発は恐い危ないものとは描かない。
・菅直人首相を嘲笑批判。1号機が爆発したのに知らされたのは
1時間後。
 首都圏5千万人への危険はかろうじて救われたが、危機管理は今の
コロナにつながる。

☆新潟県在住の蓮池 透さんからは、以下のようなメモをいただいた。

 「命を賭して諸策を講じた吉田所長以下関係者の人たちには、最大の
敬意を払っている。しかし、決して『英雄』ではない。
 彼らを『英雄視』することにより、事故の凄惨さ、被害の甚大さを
矮小化、さらには無かったことにする。これは許されないことだ」

 「吉田所長は、2号機格納容器の圧力上昇になすすべなく、
神に祈ったという。幸運にも爆発はなかったが、Fukushima50(50人)の
おかげではない]
「Fukushima50」と崇め奉ることなど、以ての外。

.. 2020年03月24日 11:55   No.1867009
++ 山崎久隆 (社長)…900回       
福島震災から9年  (中) (3回の連載)
 |  いまの喫緊の課題は何か−5つ
 | 福島第一原発の汚染水問題
 |  廃炉事業全体は何年遅れか
 └──── (たんぽぽ舎共同代表)

  ☆《事故情報編集部》より見出しの紹介
   (下)は、4.福島第一原発「廃炉」の姿(形)が決まっていない
       5.東海第二原発資金支援の問題、
         耐震性も津波対策も問題

2.福島第一原発の汚染水問題

 「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」は2020年1月
31日、国への意見書で汚染水については海水と混ぜて希釈して排出する
か蒸発させて大気に放出する方式を「提言」している。
 これを受けて国が汚染水対策の方針を決定するようだが、800兆
ベクレルを超えるトリチウムなどに汚染された水を、海や大気に
放出することは人為的放射性物質の拡散に他ならない。

 事故により90京ベクレル(ヨウ素とセシウム)を放出した後にも
放射性物質の放出は続いており、東電によると2019年には年間10億
ベクレル(セシウム換算)に達している。まだ環境を継続して
汚染している。
 トリチウムなどの海洋・大気放出は、これに付け加わるので影響を
加算して考えなければならない。

 また、汚染水にはトリチウムだけでなくセシウムもストロンチウムも
含まれており、海洋に放出する場合、その前に多核種処理施設等に
通して告示濃度以下に下げることはできると東電は言うが、
言い換えれば汚染水対策として告示濃度程度の放射性物質を放出する
という意味だ。

 ちなみに告示濃度はセシウム137で90ベクレル/リットル、
ストロンチウム90で30ベクレル/リットル。
(*)告示濃度;この濃度の水を公衆が生まれてから70歳になるまでの
期間飲料水として飲み続けたとき、平均線量率が1年当り1ミリ
シーベルトの実効線量限度に達するというモデルに基づいて計算された
濃度のこと。

.. 2020年03月27日 08:10   No.1867010
++ 山崎久隆 (社長)…901回       
 2016年11月から始まった小委員会の議論は、結局「海洋放出」への
お墨付きを与えるだけの役割だった。珍しく市民の声を聞く「公聴会」
も開いたというのに、そして公聴会では圧倒的に放出反対の声が
多かったのに、結論がこれでは意味がない。
 次の段階では経産省による意見聴取が4月から実施される。ここで
反対意見が強ければ撤回するべきだが、そうするだろうか。
 国も東電も何かと言えば「地元に寄り添う」という。しかし実行
不可能ではない汚染水対策程度の対応でさえ、地元の声を踏みにじって
排出へと方針を固めていく。これを許してはならない。

3.福島第一原発の廃炉事業全体は何年遅れか

 工程表に基づく廃炉事業については、最も明確に時期を決めていた
「各号機からの使用済燃料移送」でも、現時点で最大5年の遅れを
出している。4号機以外は、ほとんど進んでいないといった方が良い。
 原因のひとつは人が滞在できない高線量環境であることで、3号機
からは遠隔操作で燃料体移送を行う計画としたものの、トラブル続きで
うまくいかないことと、1、2号機についてはガレキの撤去も線量を
下げる作業も進まず、移送方式や工程の作成すら出来ないためだ。

 特に炉内調査やデブリの取り出し準備、建屋の汚染水処理などが
同時並行で進められているため、狭隘な現場では相互に影響をし合い、
作業人員も資金も分散していることも問題として指摘できる。
 「あれもこれも」ではなく、どれを最優先すべきか精査し、人員と
資金を集中すべきだ。優先第一は止水と防潮堤、第二が燃料体の
取り出しだ。 

.. 2020年03月27日 08:21   No.1867011


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