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新型コロナウイルス肺炎の流行が示すもの (下)(2回の連載) └──── (医療カウンセラー) (上)は3/5発信【TMM:No3875】に掲載
◎ 要は、特定の疾患やウイルスにのみ神経質になるのではなく、 身近な感染症を含むあらゆる疾患への対応を心がけることである。 それがどう勘違いされたか、健康に人一倍自信のある人びとの 集まりである東京マラソンをはじめ、全国で自治体主催のイベントは 中止され、初の天皇誕生日の一般参賀も中止した。 もっとも一般参賀には高齢者が多く集まると思われるので、これを 機会に、インフルエンザの流行季節である正月や2月に行なわれる屋外 の一般参賀をいっさい中止するなら有意義なことといえよう。
◎ クルーズ船を「移動隔離施設」とした背景には、国内の医療 機関の受け入れの問題があろう。 新しい未知の疾患に対する医療現場の異常な反応は、AIDS いらい改善されていない。コロナウイルスにせよHIV(エイズ ウイルス)にせよ、発症者は感染者のきわめて一部で、すべての住民に ついて感染有無を検査することなどはできない。
血液由来ウイルスを通じたAIDS発生以来、「すべての受診者の 血液を、何らかの感染源として扱う」というユニバーサル・ プリコーション(UP)が提唱され、SARS発生以後は、咳・痰・ 唾を含む「あらゆる体液を何らかの感染源」とするスタンダード・ プリコーション(SP)が、あらゆる医療における必須対策と されている。
◎ 新型コロナはSARSより感染力・死亡率が小さいものの 「潜伏期にも感染力がある」とされるが、UPもSPも、症状や自覚、 感染症の有無にかかわらず「すべての受診者の、汗を除く体液を 何らかの感染源」とみなして、未知の疾患に備えて万全の予防対策を とることが原則とされている。 新型肺炎への対応に医療側が躊躇するのは、従来より 「危ない予防対策しかしていない」と表明することになる。
◎ 武漢での発生以来、マスコミは中国と、この1,000万都市の 「医療崩壊」を書きたてるが、現地の事情について、広州市保健局の 要請で武漢市や湖北省から来た人びとの相談・生活支援活動に アドバイザーとして日本から馳せ参じている中医の公衆衛生専門家は 私信で述べている。
.. 2020年03月08日 07:54 No.1866005
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