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富有と富裕と富豪と「富傲」 資金のない庶民は「ふこう」 三木義一(弁護士)
京都市長選挙は残念な結果。政治の流れを変えることは できなかった。何かが足りないようだ。 アメリカも民主党候補の混戦状況からすると、再びトランプ政権に なる不安が強まっていた。 そこに、ブルームバークが参戦し、自分たち富豪も税負担をすべきだ と主張しはじめた。個人所得税の最高税率を39.6%に高め、富裕層には さらに5%の追加税率も課し、連邦法人税率も21%から28%に高める というものだ(日経新聞2月3日)。 トランプ陣営の金に糸目をつけない選挙対策に対抗できるのは、 確かに彼ぐらいかもしれない。 庶民はそもそも選挙資金がないし、「富有者」は富があるだけで あり、少し余裕のある「富裕者」はその余裕を租税回避に回して しまう。「俺たちが率先して税金を出すぞ」という豪傑、「富豪」が 必要だった。 しかも、トランプが親の資産を承継し、政略で資産を維持して きたのに対し、彼は一代で現在の地位を築いたという意味で本当の 実業家だ。 さらに、トランプは富で政権を取り、富者をさらに優遇するという、 富者の傲慢さを象徴する「富傲」でもあった。 「富傲」を退治できるのは「富豪」だけかもしれない。とはいえ、 選挙に金がかかり、「ふごう」たちに利があるのは不合理だし、 資金のない庶民は「ふこう」だな〜、という思いは残りますな〜。 (2月6日朝刊25面「本音のコラム」より)
.. 2020年02月07日 09:18 No.1844001
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