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■--岩波「科学」2月号の小野論文:
++ 小野有五 (幼稚園生)…1回          


   北海道電力の主張をくつがえした1枚のCT写真
   泊原発・敷地内の活断層の決定的証拠
   「最後の賭け」に出た北海道電力の主張は完全に崩壊
 (行動する市民科学者の会・北海道;
            通称「ハカセの会」)

◎ 泊原発の再稼働を目指す北海道電力に対し原子力規制委は、2019年
2月22日の審査会合で、私たち「ハカセの会」などの主張(その後、
「活断層研究」51号に査読付き論文として受理、掲載されました)を
認め、泊原発敷地内のF−1断層は新規制規準にいう「活断層」
であることを否定できないと初めて公式に述べました。
 F−1断層上方の小断層群は、古い地層で頭を切られておらず、
33万年前の砂層中で上端がせん滅しているので、12.5万年前以降の
活動を否定できないとする渡辺・小野論文(2018)をも援用した
科学的な認定でした。

 しかし、あくまで再稼働に固執する北海道電力は、F−1断層と
その上方に伸びる小断層群との連続性が一部で途切れていること
から、「両者は別物」と頑強に主張、それを証明する追加調査をすると
言って審議の引き延ばしを図ったのです。

◎ その調査結果を公表した2019年11月7日の審査会合で、北海道
電力は、2月にあれほど主張した「F−1断層と小断層群は別物」説を
自ら否定、両者は連続すると主張を一転させました。
まさに「最後の賭け」に出たのです。
 そして、小断層のうち3本が33万年前の地層に切られていることを
調査で発見したので、「F−1断層は活断層ではない」と
主張したのです。
 これを受けて11月15日、吹雪のなかで強行された原子力規制委の
現地視察では、雪のためにまともな観察もできないなか、いくつかの
課題は出されたものの、規制委は、北電の主張をほぼ認めて
しまいました。
.. 2020年02月06日 08:13   No.1843001

++ 小野有五 (幼稚園生)…2回       
◎ 北海道電力が新たに掘削した地層断面には川底で堆積した砂利の
層が出ているのですが、北電は小断層のうち2本は、その「砂利層と
の境界でぴたっと止まっている」とし、砂利層を33万年前とした
ので、「小断層に連続するF−1断層も33万年前より古くなるから
活断層ではない」と主張したわけです。
 一見、理路整然としていますが、そこには意図的ともいえる大きな
見落としが隠されていました。
 砂利層は、単に川底にたまっただけではなく、堆積後、
「周氷河作用」による大きな擾乱を受けていることが写真からも
明らかだからです。

 「周氷河作用」というのは、寒冷気候のもとで土壌が凍結・融解を
繰り返したり、一年中、凍ったままの永久凍土ができたりすることで
生じる擾乱や移動のことです。
 砂利層の基底部は、大きな擾乱を受けて一部は斜めに滑るなど、
複雑な形態を示しています。
 もし、砂利層の境界まで延びるような小断層がそれ以前にできて
いたとしたら、この擾乱により、小断層は境界付近で変形を
受けるはずです。
 しかし、境界面でも小断層はまったく乱れていないのです。
この事実だけでも、「小断層は、砂利層の堆積とその後の擾乱の
後にできた」ことは明らかなのですが、これまで「周氷河作用」を
全く認めてこなかった北電ですから、そんな擾乱はなかったと
北電が強弁すれば、規制委も押し切られてしまう危険がありました。

◎ しかし、小断層は、決して「砂利層との境界面でピタリと
止まって」はいなかったのです。その動かぬ証拠が、なんと北電が
審査会合で提示していた境界面付近のCT画像から見つかりました。
病院で撮られるCT写真と同じものです。
 11月の審査会合でネット上に公開された北電の資料を徹底的に
チェック、この1枚の画像だけでも数十回、拡大したり縮小したり
して見ているうちに、ある日、突然、気づいたのです。
なんだ、小断層は境界を突き抜けて、砂利層のなかまで入って
いるじゃないか!

.. 2020年02月06日 08:20   No.1843002
++ 小野有五 (幼稚園生)…3回       
◎ 主観的な判断にならないよう、断層の専門家やCT画像を見慣れ
ている地質学者数名にも送って見てもらいました。すべての方が、
まちがいなく突き抜けていると言われました。
 皆さまにもご自分の目で見ていただきたいです。
 北電の主張は、自らが提出していたCT画像によって
自ら崩れたのです。

 もう1本の小断層を止めていると北電が主張したのは、「33万年前の
斜面堆積物」と北電が判断した地層でした。
 しかし実際には、それは最終氷期、おそらく2から3万年前に、
やはり強い周氷河作用を受けて移動・堆積した斜面堆積物でした。

◎ 論文には間に合いませんでしたが、その後、地元で原発の建設前
から泊をウオッチされてきた斉藤武一さんから、建設前に敷地周辺を
空から撮った写真をいただくことができ、
「科学」2月号のウエブサイト
  https://www.iwanami.co.jp/kagaku/KaMo202002.html
  に掲載されましたので、ごらんください。

 敷地内には何段かの海成段丘面があります。本来、段丘面と段丘面
は、雛壇のように、切り立った段丘崖で区分されるのが普通ですが、
北海道では、「周氷河作用」によって崖は崩れ、なだらかな周氷河性
斜面に変わってしまいます。それがよくわかる写真です。
 1号機建設時にそこを5m以上も掘った場所(開削箇所南側)で、
わずかに切り残された周氷河性斜面堆積物の基底部が小断層を切って
いたにすぎません。
 今回のCT画像と、このような周氷河性斜面の認定で、
北電の主張はことごとく破れ去りました。
 規制委が、それらをきちんと評価し、科学的な判断を下して
くれるのを願っています。

「科学」2月号は1月24日より発売中

小野有五(2020)「泊原発の活断層審査で周氷河作用を無視する
北海道電力」、科学、90、(2)、102-113.

渡辺満久・小野有五(2018)「泊原子力発電所敷地内の断層活動
時期に関する問題」、科学、88、(11)、1086-1090.

小野有五・斉藤海三郎(2019)「北海道西部、岩内平野の
地形発達史―泊原発の敷地内断層と関連して―」、
活断層研究、51、27-52.

.. 2020年02月06日 08:26   No.1843003
++ 今井孝司 (大学生)…74回       
島村英紀さんパンフレットの補足図を作成
 |  −茨城県南部には地震が集中する特異なエリアがある−
 └──── (地震がよくわかる会)

○島村英紀さんのパンフレット(「地震多発地帯・首都圏の地震活動」)
の内容の補足となるような図を前回のメール(2020/01/14発信
【TMM:No3833】)で紹介しましたが、今回は、パンフ内にある表2
「茨城の地震」の震央位置をプロットしたものを作成しましたので、
よろしかったらご覧ください。

○この表について、パンフには「2001年から2016年までの茨城県南部
での内陸で起きた地震の一覧表です。」とあり、項目として、
通し番号、地震の発生日時、震央地名、緯度、経度、深さ、
マグニチュード、最大震度があります。該当する地震の発生回数は
21回となります。

○表の経度・緯度情報をもとに、前回作成した地図上に地震の震央
位置をプロットしました。その際、前回作成済みのフィリピン海
プレート上面の等深線の他に、太平洋プレートの上面の等深線も
付加しました。
 地震が集中しているエリアを部分拡大した図(【図1】)を
当会HPのトップ( こちら )に示しました。

○詳細解説付きの全体図(【図2】)は以下に作成しました。
こちら

○【図1】を見ると、震央の重なり具合が尋常ではないように
思います。パンフに「年間50回(※)を超えるのが、釧路・根室、
三陸地方、茨城、あとは和歌山県の和歌山市の周辺で50回を超える」
とあります。
 ここ茨城県南部は日本の中でも、有感地震が多い、特異的な場所
であるということがわかると思います。
 ※引用者注:有感地震の回数の意味

○【図2】を見ると、一見、東海第二原発直近に地震はほとんど発生
していないので、安心だと勘違いされるかもしれませんが、パンフの
中で、福岡県西方沖地震(2005年)は、日本史上1回も地震が無かった所
で起きたという説明があります。地震がほとんど起きていないと
言われているところでも、そのまま安心ということはならないのです。

.. 2020年02月07日 08:47   No.1843004
++ 島村英紀 (社長)…534回       
地球全体が氷や雪に覆われた「スノーボールアース」時代
 |  巨大隕石が温暖化を助ける援軍に
 | 警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 その333
 └──── (地球物理学者)

 スイスのダボスで世界経済フォーラム年次総会が開かれ、スウェーデン
の環境保護活動家グレタ・トゥーンベリさんと、米国のドナルド・トラン
プ大統領が地球温暖化について舌戦を闘わせた。
 地球はかつて、いまより温度が高くて地球上どこにでも氷河がない時代
も、全体が氷や雪に覆われた約22億年前の「スノーボールアース」の時代
も経験した。たとえば恐竜が栄えていた時代はいまよりも暖かかった。
 スノーボールアースは、1990年代に米国カリフォルニア工科大学のジョ
セフ・カーシュビングが唱えた学説だ。

 スノーボールアースになってしまったら地球全体が氷に覆われる。海水
も凍る。氷や雪は太陽からの熱を反射してしまうから、地球は太陽から来
る熱を受け取りにくくなる。
 地表が氷に覆われてしまうと生物は死に絶えて生物が出す二酸化炭素
が減る。こうして地球の温度は下がり続ける。こうした「正のフィード
バック」が働くのだ。
 いったんスノーボールアースになってしまうと、そこから抜け出すこと
ができないはずという反論が強くて、学会の主流にはなれなかった。

 一方、スノーボールアース後のいくつかの証拠があった。たとえばキャ
ップカーボネイトといわれる氷河堆積物の直上にある炭酸塩岩層がアフリ
カ南部のナミビアなどで発見された。これはスノーボールアースの終結後
に二酸化炭素が岩石に取り込まれたことを示している証拠だ。また当時は
赤道周辺であったと推定される世界各地の場所で、スノーボールアースの
時代の氷河堆積物が見つかっている。つまり一時は存在した氷河が溶けて
流れた残存物である。

.. 2020年02月09日 08:50   No.1843005
++ 島村英紀 (社長)…535回       
 ところで、このスノーボールアースの時代に、かわいそうなのは生物だ
った。いままで生きてきた環境が破壊されて多くの生物は死滅してしまい、
僅かに深海のブラックスモーカーの近くなど、火山活動が起きている場所
で細々と生きていたのだ。
 しかしその後、生物はその反動から、爆発的な進化を遂げた。古生代の
始まり、つまり5億400万年前に起きてその原因が不明だった「カンブリ
ア爆発」という生物の進化の一大事件になったのではないかと考えている
科学者は多い。

 ではスノーボールアースからどうやって抜け出せたのだろう。これは難
題だった。
 だが、今年になって報じられたところではオーストラリア西部ヤラババ
周辺で大きな隕石が落ちた跡が見つかり、その時期がぴったりスノーボー
ルアースから抜け出した時期になることが分かった。
 クレーターの直径は70キロにもなる。巨大な隕石が地球の温暖化を助け
る強力な援軍になったのだ。

 地球は正のフィードバックがかかりやすい。温暖化も、人間の排出量が
増えるだけではなく、生物が増えて二酸化炭素が増えると地球全体が温暖
化するなど、正のフィードバックがかかる。
 フィードバックから回復するには、きっかけと数万年以上の長い時間が
いる。
 さて、いまは地球は温暖化に向かう正のフィードバックの時期にあるの
だろうか。

.. 2020年02月09日 08:55   No.1843006
++ 島村英紀 (社長)…536回       
(地球物理学者)

 先月末にトルコ東部で大地震があった。マグニチュード(M)6.8。
コロナウィルスのニュースの陰に隠れてしまったが、先月27日までに
41人の死亡が確認され、負傷者は1600人以上に達した。
 トルコは日本と同じく世界有数の地震国である。
 しかも、トルコを東西に走る「北アナトリア断層」に沿って大地震が
移動していくので有名だ。

北アナトリア断層は長さが1000キロあまりもある大断層だ。
この断層に沿って、東から西へ、順々に大地震が起きていった
のである。
 最初は、1939年にこの断層の東の端に近いところでM7.8の地震が
起きた。阪神・淡路大震災(1995年)よりも地震エネルギーが6倍も
大きな直下型の地震だったから、もちろん、大変な被害を生んだ。
 その後、1942、1943、1944年と5年の間に次々と西へ場所を
移しながら、M7クラスの大地震が続いた。

 この5年でいったん収まったかに見えたのだが、その後1950年代に
なって、1944年の地震のすぐ西方で1957年、さらにそのすぐ西で1967年
とM7クラスの地震が起きた。つまり1967年までの約30年間の間にM7
から8の大地震が西に移動しながら次々に起きていったのだ。
 そして1999年には断層の北西部イズミットでM7.6の大地震があり、
1万7000人以上が死亡した。

 1000キロといえば東京鹿児島間より長い。この間を60年ほど
かかって「移動」したことになる。地球物理学的に考えると、
年間10キロほどの移動というのは、地下で何かが動くとしたら
ありえない速さだ。プレートが動く年間数センチよりもずっと速い。
それゆえ、何がこの地震の移動をもたらしたのか、大きなナゾに
なっている。

.. 2020年02月11日 21:21   No.1843007
++ 島村英紀 (社長)…537回       
 じつは断層の先には、マルマラ海という細長い海がある。
トルコ最大の都市、イスタンブールが面している海だ。この海の先には
エーゲ海から地中海までつながっている。
 この海底まで断層が伸びているのかどうか、断層の性質はどのような
ものかを研究するために、私たちの海底地震計をマルマラ海に展開した
ことがある。2001年のことだ。フランス・パリ大学とトルコ・イスタン
ブール工科大学との共同研究だった。私たち日本人が海底地震計を、
そしてトルコとフランスの科学者は陸上に地震計を設置した。

 研究結果はマルマラ海の海底には大断層の「延長」はあるが、幸い、
近年大きな地震を起こさないだろうということだった。
 ところで先月の地震は、この断層の東端だった。震源はトルコ東部の
エラズー県の南方約40キロ、深さは10キロだった。この地震で70棟
以上の建物が完全に崩壊し、900棟以上が被害を受けた。
 じつは2010年にこの付近で起きた地震では約50人の犠牲者が
出ている。
 地震が東から西へ移動する新しいシリーズが、また始まったの
だろうか。

.. 2020年02月11日 21:27   No.1843008
++ 島村英紀 (社長)…538回       
政府も自治体も問題だらけ…進まぬ「火山シェルター」設置
 |  警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 その335
 └──── (地球物理学者)

 御嶽山で戦後最大の火山の悲劇が起きたのは2014年9月だった。
犠牲者はシェルター(待避壕)のない御嶽山で逃げまどい、
そして63人が命を失った。
 政府の対応は素早かった。すぐに消防庁に調べさせた。その結果、
気象庁が常時監視している47火山のうちの35火山には、登山者や
観光客が逃げ込める施設が整備されていないことが分かった。
 そして内閣府は2015年12月に、シェルター設置の手引をまとめた。
政府が初めて具体的な指針を示したものだ。
 しかしその後、設置は遅々として進んでいない。

 この2月になってから、九州・普賢岳など雲仙岳ではシェルター
設置を白紙に戻すことになった。費用負担や技術面で困難と
判断したものだ。
 現在、雲仙岳の登山道にはシェルターは設置されていない。
雲仙普賢岳では1991年の火砕流で43人が亡くなった。御嶽山の前は
戦後最大の火山災害だった。

 シェルターの設置が進まない理由がある。ひとつには地元自治体の
負担は半分だが、費用が高いことだ。シェルター自身は200万円台で、
そう高くはない。だが、ヘリコプターを使った設置には2000万円も
かかる。地元が負担するにはあまりに大きい。

 もうひとつは火山の特殊性だ。火山は県境にあることが多くて、
主体となる各火山防災協議会に複数の自治体や地元の意向が絡んで
いて、意思決定が難しい。
 たとえば、群馬・長野県境にある浅間山は県境にある。
いま、4つのシェルターがあるが、すべては長野県側だ。浅間山の
登山道は長野県側にしかない。両県で費用負担するのか、国や市町村
が負担してくれるのかが問題になっている。
 群馬県でも、車道のある草津白根山には13カ所も設置している。
だが、浅間山は両県とも車道がない。
 東京・三宅島には小さいものは10人でいっぱいになるが、合計3000
平方メートルものシェルターがある。
 一方で、北海道・有珠(うす)山のように小規模なシェルターが
1カ所しかないところもある。シェルターがない常時監視火山は
7割以上にもなっている。いまだシェルターがない火山には富士山も
含まれている。

.. 2020年02月20日 05:49   No.1843009
++ 山崎久隆 (社長)…894回       
女川原発再稼働を許さない   (中)(3回の連載)
 |  規制委は被災原発の「審査書」は撤回すべき
 | 最大1000ガル(水平)600ガル(垂直)の基準地震動は極めて過小
 └──── (たんぽぽ舎)
            (上)は2/20発信【TMM:No3864】に掲載

5.地震想定の誤り
 最大1000ガル(水平)600ガル(垂直)の基準地震動は極めて過小な評価
であり、女川原発に近い岩手宮城南部地震での4000ガルを超えるケース
や柏崎刈羽原発の基準地震動2300ガル、浜岡原発の2000ガルに比べても
大きく見劣りがする。
 また、近年解明されてきている「キラーパルス」(※2)についても
何ら考慮されていない。

6.津波想定の誤り
 津波の想定が29メートルと極めて高く設定されているようだが、
実際には三陸地方では30メートルを超える津波はざらに観測されて
いる。また、引き波による取水口露出についても過小評価と
なっている。

7.竜巻想定の誤り
 竜巻想定は100メートル毎秒だが、120メートル毎秒程度は
起こりえる。想定が小さい。特に近年指摘される台風の大型化などは
今後想定されるべきものである。

8.火山対策の誤り
 火山の噴火に伴う火砕降下物(火山灰など)の想定は15センチを
想定しているが対策も15センチを前提としている。想定値と対策値が
同じではばらつきに対処できない。

9.外部火災の評価の誤り
 「外部火災に対する設計方針」は事実上「想定しない」ことにに
なっている。
 航空機の墜落は確率的に小さいから想定しないとしつつ、故意による
航空機墜落は「テロ行為」として想定している矛盾がある。

10.システムへの侵入防止対策の問題点
 「その他人為事象に対する設計方針」では実態とはかけ離れた審査を
している。
 一般にこれは安全保護系統以外のサイバー攻撃ないしは外部から
システムへの侵入についてを想定していると考えられるが、その観点
からの対策は一切記載されていない。

.. 2020年02月26日 05:53   No.1843010
++ 山崎久隆 (社長)…895回       
11.安全保護系の安全対策の問題点
 「安全保護系のデジタル計算機は、盤の施錠等により、
ハードウェアを直接接続させないことで物理的に分離する設計と
する。」等が対策とされている。
 しかし盤の施錠は破壊されれば突破されるので、そもそも対策には
ならない。それ以外にも鯉による侵入を図ろうとするものには大した
効果がないことが羅列されているだけである。

12.火災損傷防止対策の問題点
 火災による損傷の防止としては3.11の際の「高エネルギーアーク
損傷火災」(※1)が1号機タービン建屋で発生していることが重要。
 これは地震により発生した2例目であり、教訓化されていなかった
証明でもある。地震により高圧設備が大きく揺れる場合、この種の
火災を防止することは困難である。 (下)に続く

※1「高エネルギーアーク損傷」
       (HEAF:High Energy Arcing Fault)
 遮断器や開閉器などの通電された導体間、または通電された部品と
アースの間に大電流のアーク放電が発生し、熱、光、金属の蒸発及び
圧力上昇を伴って、急激なエネルギーの放出が起こる事象として特徴
付けられる爆発性の電気故障である。
 (「原子力規制委員会」 www.nsr.go.jp/data/000160077.pdf )より

※2「キラーパルス」別名:やや短周期地震動
 地震学において、地震による揺れの速さ(周期)のうち、特に木造
家屋などにダメージを与えやすい、1秒〜2秒周期の揺れ。
                 「新語時事用語辞典」より

.. 2020年02月26日 05:59   No.1843011


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