|
福島原発刑事裁判無罪判決と特重施設の問題はつながっている | 第二の福島第一原発事故を阻止できない理由はここにある | (その1)誰が見てもおかしい福島原発刑事裁判無罪判決 └────(たんぽぽ舎副代表)
世界でも例のない「3基の原発の同時炉心溶融」を引き起こした福島第 一原発事故。その責任を誰が取るのか。福島原発刑事裁判は強制捜査もさ れず、身柄も拘束されず、検察が起訴せず、市民が構成員の第五検察審 査会で二度にわたり「起訴相当」と議決しての「強制起訴」でやっと公判 が開かれた。 そして9月19日判決で、永渕健一裁判長は「被告人を全員無罪」とする 驚くべき判決を下した。問題点はどこにあるのだろうか。
1 避難中の住民死亡認定の誤り
この裁判は、元東電取締役3名に対して業務上過失致死傷罪に問う裁判 だった。検察官役の弁護士は求刑で禁固5年を求めた。 論告求刑によれば、勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社 長の3人は、東電の原子力事業を推進してきたが、その中で、2011年3月 11日の東日本太平洋沖地震において何の備えもなく原発を地震と津波によ り壊滅的破壊に至らしめ、その後に双葉町の双葉病院などから「原子力災 害対策特別措置法」による広域避難を余儀なくされ、避難中または避難後 に少なくても44名の住民を死に至らしめる「業務上過失致死傷罪」に問わ れる罪を犯した。 初公判は2017年6月30日、3月12日までの37回の公判を経て結審していた。 判決では、双葉病院の患者の死亡は認めたものの、それが放射性物質の 拡散により自衛隊も避難活動を繰り返し中断し、治療はおろか水や食料さ えもないままに放置されていたこと、原発事故により避難も妨げられてい たことが触れられていない。避難中とその後の死亡には原発事故による放 射性物質の影響があったことが認定されなければ、原子力災害との関係は 見えてこない。意図的に外したと思われる。
.. 2019年12月15日 07:10 No.1814001
|