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警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 その325 (地球物理学者)
このところ、月面探査がかまびすしい。 アポロ計画50年を記念して米国が次の有人月面探査「アルテミス 計画」を予定しているし、インドはこの秋に無人機を送り込んだ。 だが、不幸にして通信が途絶えた。 アルテミス計画は月だけはなく、このロケットは将来の火星と木星、 土星への無人飛行も視野に入れている。火星の有人着陸は2030年代を 目指している。 この有人着陸に必要なものは、飛行士に必要な宇宙服だ。
この宇宙服は内部の温度と湿度、圧力を調整するだけではない。宇宙 飛行士を放射線から保護し、通信装置も備える。宇宙服は宇宙船と同じ くらい複雑な機械、いわば「個人用の宇宙船」だ。宇宙服は全身3D スキャンで個人に合わせて特注される。 宇宙遊泳の無重力環境では両脚がほとんど役に立たないために、腰 から下は硬く、曲がらないように作られている。
だが、月や火星の表面では、宇宙飛行士は歩かねばならない。 そのため宇宙服は移動したり、体を曲げたり、道具を扱えるなどの 軽さと柔軟さを備えるように作られる。 アポロ計画では月面をウサギのように飛び跳ねるだけだった。柔軟性 が少なくて動きが制限されていたのだ。
今度は胴体の反対側に手を伸ばしたり、しゃがんだり、頭の上から物 を持ち上げたりすることができるようになった。より広い範囲での動き が可能になるのだ。 一つの大きな問題は、月のちりだ。地球上の石や砂、ちりは何百万年 もかけて浸食され、摩耗している。だが空気も川もない月面には風も 吹かないし浸食もない。小石から小さな粒子まで、どれも角が鋭く、 ノコギリのような切れ味を持っている。それゆえ危険も多い。
このほか火星には人体に有害な化学物質、過塩素酸塩が土壌に含まれ ていることが分かっている。これらも避けなければならない。 でも、新型の宇宙服にも弱点が残っている。簡単には脱げない宇宙服 にはまだ、宇宙オムツが必要なことだ。
.. 2019年12月08日 07:47 No.1809001
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