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添加物は原則として物質名が表示されることになっています。しかも、甘味料や着色料、保存料などは用述名も銘記されることになっています。ということは、表示を見ればどんな添加物が使われているのかすべて具体的にわかるはずです。
ところが残念ながら、実際は違うのです。実は「一括明表示」という大きな抜け穴があって、大半の添加物は物質名が表示されていないのです。一括明とは用述名とほぼ同じです。ちなみに「香料」とありますが、これが一括明です。
香料とは、香りをつける目的で添加されるものですから、実質的には用述名です。しかし、その後に物質名が書かれていません。実際には、数多くの香料成分が使われているのですが、その具体名称は表示されず、「香料」とあるだけです。これが、一括明表示です。
この場合、消費者にはどんな添加物が使われているのかわかりません。使用添加物を一つ一つ全部表示されると、表示しきれないケースも出てくるので、このような一括明表示が認められているのです。また、具体的な名前を知られたくないという事情もあります。
実は一括明表示が認められている添加物は、とても多いのです。それは、次のようなものです。「香料」香りをつける。「乳化剤」油と水を混じりやすくする。「調味料」味をつける。「酸味料」酸味をつける。「膨調剤」食品を膨らます。
「PH調整剤」酸性度やアルカリ度を調節し保存性を高める。「イーストフード」パンをふっくらさせる。「ガムベース」ガムの基剤となる。「チューインガム軟化剤」ガムを柔らかくする。「豆腐用疑固剤」豆腐を固める。「かんすい」ラーメンの風味や色合いを出す。
「苦味料」苦みをつける。「光沢材」つやを出す。「酵素」タンパク質からできた酵素で様々な働きがある。以上ですが、それぞれの一括明に当てはまる添加物は、大体数十品目あり、香料は130品目ほどあります。
したがって、添加物の多くは、いずれかの一括明に当てはまることになり、結局のところ、大半は物質名が表示されないことになっています。なお、一括明表示が認められている添加物の場合、多くはそれほど毒性の強いものではありません。
.. 2019年11月10日 06:42 No.1789001
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