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◆柏崎市長、柏崎刈羽原発廃炉計画了承見通し
柏崎市の桜井市長は東京電力から受け取った柏崎刈羽原発1〜5号機 の廃炉に関する回答について、大筋で了承 する考えを示している。 回答は6,7号機の再稼働が前提になっており、廃炉を確約する内容 ではなかったため市民からは批判の声も上がる。 こうした立地自治体の首長の対応や判断を、かつて原発問題に 向き合った首長経験者はどう見るのか。 東海第二原発が立地する茨城県東海村の村上達也前村長と、多くの 原発がある福井県に隣接する滋賀県の嘉田由紀子前知事に受け止めや 地元同意の在り方などを聞いた。
◇前茨城県東海村長・村上達也氏
…東電の回答にはどのような印象を持ちますか。 村上:「東電が原発を再稼働したいと言っているにすぎない。『廃炉に する』ではなく、『廃炉を含めた検討をする』というのは東電らしいな と思う。住民の忌避感情が強い上に、柏崎刈羽原発は中越沖地震で被災 している。実質ゼロ回答で、わたしなら『交渉相手にもならないね』と 言うだろう。住民は生命、財産がかかっている。もっと具体的な回答 でなければ住民の理解が得られるとは思えない」
…柏崎市長は東電の回答を評価しています。 村上:「県の検証委員会と総括委員会が基本ではないか。まだ検証の さなかで再稼働を認める、認めないという話をする状況ではない。廃炉 計画も柏崎市長が求めているだけだ。検証が不要だと言っているに 等しく、不遜に映る。柏崎刈羽原発は世界最大規模で、しかも東電は 福島で事故を起こした当事者だ。企業体質だって全く 検証されていない」
…原発立地自治体の首長には、どのような対応が求められると 考えますか。 村上:「検証委の結論が出た上で住民の意向を確かめて判断する必要 がある。首長は住民の意見を無視できない。再稼働の判断は市民に とって死活問題で、選挙などで民意を問わずに決めるのは極めて 乱暴だ。加えて周辺自治体の意見も開くべきだ。柏崎市と刈羽村の 意向で再稼働することは民主主義にもとる。 福島事故を経た今、立地自治体が声を上げる必要がある。静岡県では 周辺自治体が動いている」 (後略) (11月4日「新潟日報」2面より抜粋。紙面のみでネット上に掲載なし)
.. 2019年11月08日 21:07 No.1786001
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