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■--「新規制基準」に不備
++ 木村雅英 (社長)…399回          

適合性審査がずさんで
 |  「基準」すら満たしていない
 |  石橋克彦さん「内陸地震に対する原子力発電所の
 | 安全性は確保されていない」
 |  原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その209
 └──── (再稼働阻止全国ネットワーク)

 岩波科学2019年8月号の特集「新たな安全神話を生まないために」
は、5サイト9基の原発が稼働している状況でタイムリーな企画。
特に、石橋克彦さんの「内陸地震にたいする原子力発電所の安全性と
理学・工学問題」(9頁)が興味深いので紹介する。

 最近「原発と地震」問題への関心が薄れているように感じている
石橋さんは、次のように原子力規制委員会を痛烈に批判している。
 <原子力規制委員会の「新規制基準」に不備があり、しかも原発再
稼働のための新規制基準適合性審査が杜撰(電力会社の言いなり)で
「基準」すら満たしておらず、日本の原発の内陸地震にたいする安全
性は確保されていない>

 以下では、長論文からその一部をピックアップして紹介する。
 なお、内陸地震(陸側のプレート内で起こる地震)が原発に影響を
与える要因(地震動、地表付近の断層のズレ、地震時の地震後の地殻
変動、津波、大余震)の中から、ここでは地殻変動と大余震と最大地震
に話を限っている。

◎新規制基準適合性審査において、地震時地殻変動が十分に吟味されて
いない。
 <・2007年3月の能登半島地震(M6.9)で北陸電力志賀原発の北方の
海岸が約40cm隆起した。
・7月の新潟県中越沖地震(M6.8)では東京電力柏崎刈羽原発の敷地が
10cm程度隆起して、そのためかどうかは未詳だが、全7基の原子炉
建屋とタービン建屋で建屋ごとに相異なる微量な傾斜変動が生じた。
・関西電力大飯原発について、渡辺満久は、FO−B〜FO−A〜熊川
断層の3連動断層の左横ずれ逆断層運動が大飯原発側を(約1.5m〜
5m)隆起させてきたと判断している。>
.. 2019年10月09日 08:55   No.1765001

++ 木村雅英 (社長)…400回       
◎新規制基準の耐震安全性で、余震にたいする考慮はまったく含まれて
いない。新規制基準に余震の考慮を明記すべきである。
 <・2004年10月23日17時56分の新潟県中越地震(M6.8、最大震度7)
は余震活動が活発で、同日18時03分(M6.3、最大震度5強)、同日18時
11分(M6.0、最大震度6強)、同日18時34分(M6.5,最大震度6強:
最大余震)にM6.0以上の余震が発生した(その後もM6前後の
余震あり)。
 川口町役場で観測された東西方向の最大加速度(単位cm/s2)は、
本震で1676、最大余震で2036であった。
・2007年7月16日10時13分に東京電力柏崎原発を直撃して全7基に被害
を与えた新潟県中越沖地震(M6.8)は、不幸中の幸いなことに余震活動
が不活発で、最大余震は同日15時37分のM5.8の地震だった。
・もし2007年中越沖地震の余震活動が2004年中越地震のようだったとし
たら、最悪の場合には柏崎刈羽原発で過酷事故が起きていたかもしれ
ない。>

◎柏崎刈羽原発において、考慮すべき「最大地震」を想定できていな
い。東京電力と規制委は、原子力安全・保安院時代の古い審査をなぞっ
ただけで誤魔化している。
 <・東京電力は、柏崎刈羽原発に最も影響を与えるのはF−B断層で
発生する断層長36kmの地震だとして、基準地震動の最大加速度を1〜
4号機で2300cm/s2、5〜7号機で1203cm/s2と策定し、審査書
はこれを新規制基準に適合していると認めた。
・しかし驚くべきことに、この結果は、同原発が2007年新潟県中越沖
地震で大被害を受けて全機停止し、その再稼働を当時の原子力安全・
保安院に申請して、保安院と安全委が認めたものとまったく変わらない。
・柏崎刈羽原発の最大地震としては、その全長に沿う断層長50〜60km
程度、M7.5程度の地震を想定すべきである。
・東日本大震災と福島原発事故は、それまで政府の地震本部がM7〜8
程度の地震が6領域ぐらいで別々に起こると予測していた広大な範囲で、
M9.0の超巨大地震が一挙に発生したために生じた。よって、地震の想定
は最大限にしておかなければいけないというのが東日本大震災の最重要
な教訓の一つである。>

.. 2019年10月09日 09:03   No.1765002
++ 木村雅英 (社長)…401回       
◎原発は社会にとって必要不可欠な施設というわけではない。原発の
リスク・ガバナンスのなかには、リスク回避(原発をなくす)という
選択肢が、理学・工学に関係なく、入っていて当然だ。
 <・科学技術文明における人間活動が飽和状態に近づき、「脱成長」
を真剣に考えるべき時代においては、モノ造りの抑制も考えるような
工学が重要になるのではないだろうか。
・日本の原発に関して根本的に重要なのは、…「国策民営」で推進され
てきたことであろう。民営だから、東京電力が福島第一原発の津波対策
を蔑ろにしたようにコスト削減圧力が強い一方で、国策を背景に経営的
にも技術的にも謙虚さ・誠実さといった姿勢が不足がちである。安全性
確保の科学技術に関しても、中央政府が莫大な組織的・財政的・人的
資源を投じてバックアップしている。
・(残念ながら)国策遂行を妨げるような批判をする(サイエンスに
忠実であろうとする)のはとんでもないことだと思っている理学者は、
実は決して少なくない。>

 長文になってしまったが、地震学者石橋克彦さんが、原子力規制委員
会や協力する学者たちへの怒りとともに、私たちがずっと訴え続けてい
る「新規制基準」の不備と適合性審査の杜撰(電力会社の言いなり)を、
科学的に分かりやすく説明してくれている。
 石橋さんが、川内原発の適合性審査に対して「行政不服審査法」に
基づき審査が「違法」であると規制委に厳しく意見陳述されたことを
思い出した。よろしければ原文をどうぞ。

.. 2019年10月09日 09:12   No.1765003
++ 島村英紀 (社長)…495回       
「前兆がなかった」御嶽山噴火から5年…
 |  富士山、箱根も「いつ噴火しても不思議ではない」
 |  警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 その315
 └──── (地球物理学者)

 戦後最大の火山災害、死者行方不明63人を生んでしまった2014年の
御嶽山(長野・岐阜県境)の噴火から来週27日で5年になる。
 火山学から言えば、この噴火は、噴火としてはけして大きなものでは
なかった。規模も、地下からマグマが出てこなかったという噴火様式も
そうだ。
 不幸は、秋の天気のいい土曜日の昼時に噴火が起きてしまったこと
である。ロープウェイや道路が山頂近くまで通じている3000メートル
級の山。多くの人が集まっていた。

 火山学にとって衝撃だったことは、噴火が警告できなかったことだ。
2週間前にあった火山性地震は治まってしまっていたし、気象庁が出す
噴火警戒レベルも「山頂まで行っていい」というレベルだった。
 2007年の積雪期に起きたが被害がなかった小噴火のときに約2ヶ月
前から出た火山性微動も、このときには11分前にしか出なかった。

 その後、2018年1月に前兆もなかった草津白根山がいきなり噴火
して、死者1、負傷者11名を出した。
 2019年8月には浅間山(群馬・長野県境)が、これもいきなり噴火
した。この噴火も前兆がなかった。幸い夜だったので登山客などに被害
はなかった。
 浅間山は1783年には大噴火して広く飢饉を及ぼしたこともあるので
火山周辺の観測体制は充実していた。直近にも2008年、2009年、2015年
に小規模に噴火したが、いずれも数日前から前兆があった。
 草津白根山も浅間山も、それぞれホームドクターの大学の先生が張り
付いているところだし、事前の前兆の把握に問題があったわけでは
なかった。むしろ前兆の把握に優等生を自任していたほどだった。

.. 2019年10月10日 11:10   No.1765004
++ 島村英紀 (社長)…496回       
 つまり2014年、2018年、2019年の最近の噴火は、いずれもノーマーク
のときに起きて、噴火する前兆が把握できなかったことになる。
「前兆のない噴火」は気象庁や火山学者には大変なショックだった。
 もし噴火が「いつ噴火しても不思議ではない」活火山である富士山や
箱根で起きたら、被害ははるかに大きくなる可能性がある。
 たとえば富士山には年に20万人も登っているし、夜でも登山客は
多い。箱根には年間2千万人もの観光客が集まっている。

 富士山や箱根には限らない。日本には活火山が110もあり、どれも
観光地になっている。そのうちどれが噴火するかは分からないのだ。
 戦後最大の火山災害になってしまった御嶽の噴火。だが火山学的には
もっと大きな噴火があっても不思議ではない。
 噴火の規模を表す指標に「火口から飛び出した火山噴出物の総量」が
ある。御嶽では東京ドームの容積(124万立方メートル)で半分以下
だった。

 東京ドームの容積の250杯分以上の噴火を火山学では「大噴火」と
いう。日本では、この大噴火が100年間に4〜6回もあった。
 最後が1913〜1914年の鹿児島・桜島噴火と1929年の北海道・駒ヶ岳
噴火だった。災害を忘れやすい日本人のほとんどの頭にはもう残って
いないに違いない。

.. 2019年10月10日 11:43   No.1765005
++ 島村英紀 (社長)…497回       
火災保険が下りない…地震後に発生する「通電火災」
 | 難解な「地震免責約款」に留意を
 | 警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 その316
 └──── (地球物理学者)

 9月9日に東京湾に入りこんで来た台風15号。
 千葉県の大規模停電はほぼ解消したが、3週間近く長引いた。一時は
64万戸にも達した。自然災害では2011年の東日本大震災以降で最大の
ものになった。
 そして、停電から回復する過程で、恐れていた通電火災が起きた。
 千葉市では停電から復旧した住宅から出火。木造2階建てを全焼し
男性が逃げる際にけがを負った。男性は停電で避難して15日に自宅に戻
り、ブレーカーを入れた数時間後に火災が起きたという。千葉・君津市
でも住宅に隣接する倉庫が全焼した。
 水没などで故障状態になった家電を通電させると、ショートや異常な
発熱で火災が発生する恐れがある。なかでも、家屋の屋根裏や壁の内側
にある電気配線に損傷があると外からは見えない。

 電力会社は、漏電や家の中で倒れている電気器具などにお構いなし
に、電気を復旧する。地震などの際にガス会社が1軒1軒を回ってガス
漏れがないことを確認しながらガスを使えるようにしていくのと
違って、電力会社は、一斉に電気を流す。

 阪神淡路大震災(1995年)では最大9日もあとで通電火災が起きた。
地震の当日ではなくて1日後のものが21件、2日目以降9日目までの
出火が58件もあった。これは類焼ではない。
 あとからの出火の多くは「原因不明」とされている。だが電力会社が
送電を再開したために発火した通電火災もかなり含まれていたと考えら
れている。

 大地震のときには台風よりもはるかに多くの電気器具が家中に倒れて
いただろう。とくに阪神淡路大震災が起きたのが真冬の1月だったか
ら、スイッチが入った暖房器具が多数倒れていたに違いない。
 この通電火災で火災保険が下りなかったことを知っている人は
少ない。火災保険という名前から紛らわしいが「火災」で燃えても火災
保険は支払われなかったのだ。

.. 2019年10月12日 08:52   No.1765006
++ 島村英紀 (社長)…498回       
 保険会社には「地震免責約款」があって火災保険金や共済金の支払い
をしなかった。この約款には「火災保険では、地震を原因とする火災に
よる損害や、地震により延焼・拡大した損害は補償されません」とある。
 しかし、この地震免責条項は法律の専門家から見ても言葉が入り組ん
でいて難解なものだ。一般の人が理解するのは容易ではない。ほかの
保険の約款と同じく、虫眼鏡を使わないと読めないような小さい字で
書いてある。
 阪神淡路大震災では火災保険金の支払いを請求して裁判になった
ケースもあった。保険加入者側の敗訴という判決だった。
 米国でもこの通電火災は地震のあとの多くの火災の原因になった
ことがある。

 千葉の場合は、火災保険に入っていれば保険が下りるかもしれない。
しかし地震の場合にはずっと複雑なのである。地震保険に入っていなけ
れば支払われないし、地震保険に入っていても火災保険の半分しか
補填されない。通電火災も半分だ。
 大規模地震が起きるかもしれない日本では「通電火災」について
よく知っていたほうがいいだろう。

.. 2019年10月12日 10:14   No.1765007
++ 島村英紀 (社長)…499回       
火山の大噴火は世界の“色”を変える
 |  北米と欧州でカラフルな夕日、千島列島の火山噴火が原因
 |  警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 その317
 └──── (地球物理学者)

 北米と欧州で、7月から8月にかけてピンクや黄色に染まった朝日や
夕日が見られた。ふだんは見られないカラフルな空だった。
 これは、はるかに離れた千島列島にある火山が噴火したせいだ。
 火山は千島列島の中部、やや北寄りのライコケ火山。7月22日に95年
ぶりに噴火して、噴煙が13000メートルにまで上がった。

 ここは成層圏の高さだ。ここまで上がった噴煙は世界中を回る。噴煙
に含まれる多量の微小な火山性粒子が、日の出と日の入りに太陽光を
拡散させたのである。
 ライコケとは珍しい名前だが、先住民族であるアイヌが火口を見て
「地獄の穴」と名づけたアイヌ語で、戦前の日本では雷古計島と呼ば
れていた。ロシア語でもそのまま踏襲されている。長さと幅が2キロ
あまりの小さな火山島で、山頂の高さは551メートルある。

 ここは日本や東アジアから北米へ向かう航空路だ。航空路は大圏航路
を取るから千島列島を通る。人工衛星が火山からの噴煙を観測して、
この地域を担当する気象庁の航空路火山灰情報センターでは注意報を
出した。
 じつは火山の噴煙が成層圏まで上がって世界中に影響したことは
多い。たとえば、1783年の浅間山(長野・群馬県境)で出た火山灰は
地球を半周してグリーンランドの氷河のボーリングで見つかったこと
がある。

 また、インドネシアのタンボラ火山は1815年に大噴火して、世界の
気候を変えてしまった。舞い上がった火山灰は世界の気候を変え、
地球に降り注ぐ太陽熱をさえぎってしまったのだ。米国北東部では異常
低温となって雪や霜が6月まで見られた。欧州でも5月から10月まで
長雨が続いて農作物が不作になった。

 インドネシアのクラカタウ火山は1883年に大規模な噴火を起こした。
火山島が吹き飛んでしまったほどのすさまじいものだった。噴火は海面
近くで起きたので大津波を発生し、地元での死者は36000人にも達した。
死者数は2004年のスマトラ沖地震(マグニチュード(M)9.3)までは世界
でも最も多い津波の犠牲者だった。
 クラカタウの噴火の影響で世界の気候が変わってしまった。

.. 2019年10月14日 07:45   No.1765008
++ 島村英紀 (社長)…500回       
舞い上がった火山灰は世界の気候を変え、
地球に降り注ぐ太陽熱をさえぎってしまったのだ。米国北東部では異常
低温となって雪や霜が6月まで見られた。欧州でも5月から10月まで
長雨が続いて農作物が不作になった。

 インドネシアのクラカタウ火山は1883年に大規模な噴火を起こした。
火山島が吹き飛んでしまったほどのすさまじいものだった。噴火は海面
近くで起きたので大津波を発生し、地元での死者は36000人にも達した。
死者数は2004年のスマトラ沖地震(マグニチュード(M)9.3)までは世界
でも最も多い津波の犠牲者だった。
 クラカタウの噴火の影響で世界の気候が変わってしまった。
舞い上がった火山灰は世界の気候を変え、太陽熱をさえぎって北半球
全体の平均気温が0.5〜0.8度Cほど下がった。その後何年にもわたって
世界的な冷害を招き、農作物の不作をひき起こした。

 タンボラ火山の噴火の影響も1815年だけではすまず、翌年にも世界
各地で続き、「夏のない年」といわれた。その後も長く、世界各地で
太陽が異常に赤っぽく見えたり、太陽のまわりに大きな輪が出現する
「ビショップの環」が見えたりした。

 昨年日本に来たノルウェーの画家ムンクの「叫び」。この絵はインド
ネシアの火山噴火が世界中に影響したのものだと主張している学説が
ある。気候変動でノルウェーでも異様な色の夕焼けがあったはずだと
いうのである。
 ムンクの絵は1893年に制作されたが、1883年の大噴火の10年後
だった。噴火で舞い上がった火山灰は、数年以上も世界中の空を漂って
いたのである。

.. 2019年10月14日 07:52   No.1765009
++ 島村英紀 (社長)…501回       
津波が運ぶ“死亡率10%”の感染症「クリプトコックス症」
 |  警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 その318
 └──── (地球物理学者)

 熱帯地域にしか分布しなかった病気が、いままでなかったところにも
拡がっている。肺炎に似た「クリプトコックス症」だ。北米大陸の
北西部沿岸で300人以上がかかり、その死亡率は約10%という高い数字
だという。
 この病原菌を南米から北米大陸に運んだのは、どの船にもついている
バラストタンクの海水だったらしい。船は空荷になると喫水
(きっすい)が上がってしまって不安定になるので、バラストタンクに
近くの海水を満たす。それを積み荷が積まれる遠くの海で捨てるのだ。

 北米大陸北西部沿岸で見つかった菌を調べると、その古さは南米から
の船による輸送が始まった時期と一致していた。1914年にパナマ運河が
開通して以降、船の輸送が急増していたのだ。

 だが、この菌の人への感染が初めて確認されたのは1999年だった。
つまり半世紀以上もの時間遅れがあったのである。
 通常の感染ルートならば、菌の胞子を吸い込むことで菌が肺に入り
込んですぐに発症する。この菌は海水には弱く、人への感染能力の
ほとんどを失ったに違いないと思われている。半世紀以上海を漂って
いるというのは不思議だった。

 この時間遅れを解くため、最近、新しい学説が出された。それは、
この病気の元になる菌が大地震の津波で沿岸や森林に入りこみ、そこで
生き延びるために人間にとって有害な「進化」を遂げたというものだ。

 その大地震とは1964年のアラスカ地震。マグニチュード(M)9.2。米国
の地震観測史上で最大、世界でも最大クラスの地震だった。
 この地震からの津波は、カナダ西岸・バンクーバー島や米国西岸の
広い地域の沿岸部と内陸に達した。南部カリフォルニア州でも津波で
12人が死亡した。日本でも岩手・大船渡で90センチの高さが記録された
ほか、三重・志摩半島ではカキの養殖いかだが流された。

.. 2019年10月21日 08:44   No.1765010
++ 島村英紀 (社長)…502回       
この津波によって、菌は砂地や木々が広がる陸地へと運ばれた。
そしてアメーバや土壌生物が作用して、人や生物へのより強い病原性を
持つクリプトコックス菌の「変異体」が誕生して感染力や病原性が
増したのではと考えられている。
 津波が運んだという学説ならば、時間の空白が埋められる。

 じつは、クリプトコックス菌がいるのは南米だけではない。オースト
ラリアやパプアニューギニア、欧州やアフリカなど世界中の温暖な地域
にも分布している。
 北米大陸西岸では地震から5年後に初めて人への感染が確認された。
それゆえ、今後数年の間に、アラスカ地震だけではなくて、2004年の
スマトラ島沖地震(M9.3)や2011年の東日本大震災(M9.0)による大津波
の影響で、別の地域に、いままでにない感染症が出現するのではないか
と恐れられている。
 地震の津波で陸上に上がった菌が有害な「進化」をしているかも
しれないのだ。
 津波はもちろん大きな災害だ。だがその他に、病気を運んでくる恐れ
も指摘されているのである。

.. 2019年10月21日 08:52   No.1765011


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