返信


■--茨城県牛久市議会議員
++ 杉森弘之 (幼稚園生)…1回          



◎ 戦後50年の1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震(阪神淡路大
震災)は、死者6,434人と戦後最も大きな死者を出し、しかもその約9割
が建物崩壊による圧死であったことは、地震による原発の破壊=大災害
の危険性が極めて高く(石橋克彦氏は「原発震災」と造語した)、原発
を一刻も早く止めなければならないとの思いを強めました。

 そしてその思いを具現化するために同年、全国各地の反原発訴訟・
運動で活躍されている地質学者の生越忠氏、国学院大学教授(経済)菅井
益郎氏、作家の広瀬隆氏が呼びかけ人となり、たんぽぽ舎の柳田真氏が
事務局長となって、地震・環境・原発研究会が発足しました。その後、
物理学者の藤田祐幸氏も関わりました。
 私も事務局に参加させていただき、会報の発行などをお手伝いするよ
うになりました。

◎ 生越氏の案内で、静岡県函南町の丹那断層や、岐阜県の根尾谷
断層、新潟県の柏崎刈羽原発周辺の褶曲地層なども見学しました。
 1996年には「地震と原発全国集会」を開催し、全国の反原発運動の
仲間と、夜遅くまで語り合ったことも良い思い出です。
 藤田氏が作成した原発がなくても電力は十分足りていることを示す
図表は、大変分かりやすくいろいろなところで活用させてもらいました。

◎ 私は、2001年に住居を茨城県へ移し、2007年に牛久市議会議員に
初当選。
 2011年3月4日の市議会定例会で、広瀬氏の『原子炉時限爆弾―大
地震におびえる日本列島』を引用しながら、「地震対策」について一般
質問しました。
 一般質問の通告をした翌日にニュージーランドで地震が発生した
ため、被災者へのお見舞いを申し上げての質問となりましたが、この
質問の中で、牛久市地域防災計画「震災対策計画編」に東海村をはじめ
とする原発震災が抜け落ちていることの危険性を指摘しました。
 その1週間後に東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による福島
第一原発事故が発生したため、「おまえは予言者か」と同僚議員から
からかわれたりもしました。
.. 2019年08月25日 08:15   No.1732001

++ 杉森弘之 (幼稚園生)…2回       
◎ 残念ながら原発震災を防ぐことはできませんでしたが、同年9月に
土浦市で開催した広瀬隆講演会には、1600人の会場に聴衆が入りきれ
ず、300人ほどお断りしたほどでした。
 私は牛久市で「原発いらない牛久の会」の結成に加わり、たんぽぽ舎
の山崎久隆さんに定期的に講演してもらっています。

 さらに、茨城県南部を中心とする脱原発ネッワーク茨城、東海第二
原発の再稼働に反対する茨城県自治体議員連盟の結成にも参加して
きました。
 「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」の結成とその活躍は、大変
頼もしく感じています。

◎ いま、東海第二原発30km圏内の枠を打破して、県南地域の市町村
でも東海第二原発の説明会を開催するよう求める署名運動を、4市で
準備しています。
 福島第一原発事故で牛久市も、ホットスポットとして、野菜などの
出荷が禁止・制限されています。
 原発被害者の立場で、主張・要求を強めていきたいと考えています。
 今後ともよろしくお願いいたします。

※《事故情報編集部》より
杉森弘之氏の文章は、「たんぽぽ舎30周年によせて」のメッセージ
 として10番目となります。

.. 2019年08月25日 08:38   No.1732002
++ 島村英紀 (社長)…487回       
震源の真上は揺れが小さくなる!?
 |  「異常震域」起こす地下大深度の地震
 | 日本では地下600キロでも地震が起きる。
 |  よりによって地震が多いところに日本は位置している
 |  警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 その311
 └──── (地球物理学者)

 7月末に三重県の南の沖で地震が起きた。だがこの地震でいちばん
揺れたのは三陸地方で震度4。
 一方「地元」の三重県や愛知県では、人々がまったく揺れを感じな
かった。気象庁が震源の場所を三陸沖を間違えて三重県東南沖と表示し
たのではないかという人さえあった。
「異常震域」起こす地下大震度の地震だが、三重県東南沖は正しい。
マグニチュード(M)6.5の地震で、震源の深さは420キロだった。

 太平洋プレートは日本列島の東の沖にある日本海溝で日本列島を載せ
ているプレートと衝突したあと、地球の中に潜り込む。そして、日本
列島の地下を通って日本海を横断し、ユーラシア大陸の東岸にまで達
している。深さ700キロにもなる。この間、あちこちで地震を起こす。
今回の三重県沖で起きた地震も、これらの地震のひとつだ。

 ところで、地震の波は、プレートに沿っては強く、プレートの上、
日本列島との間にある上部マントルでは弱くなる。上部マントルは同じ
深さのプレートよりは温度が高いので柔らかく、それゆえ地震波の減衰
が大きいのだ。それゆえ、プレートに沿って地震波が上がってきた三陸
地方で揺れが大きくなる。宮城県では震度4にも達したし、太平洋
プレートに近い都内でも震度3だったから、深夜の地震で飛び起きた
人も多かったろう。

 逆に、三重県など、震源の真上では、距離のわりには地震の揺れが
小さくなる。これが今回起きた現象なのである。専門的には「異常
震域」という。
 このような深い地震があることを最初に発見したのは気象庁にいた
地震学者和達清夫である。1920年代の終わりのころだ。これが、その後
急速に発展したプレート・テクトニクスの証拠になった重要な発見だ。
こういった深い地震がおきることによって、プレートが約700キロのとこ
ろまで潜り込んでいることがはじめて明らかになった。

.. 2019年08月25日 08:45   No.1732003
++ 島村英紀 (社長)…488回       
 その後も、太平洋プレートが起こした深い地震が、ときたま起きて
いる。たとえば2015年に起きた地震は、小笠原諸島の下700キロのとこ
ろで起き、Mは8.1という大きなものだった。このため、日本中の観測
点で震度1以上の有感になった。
 2013年にもM8.3の巨大地震がロシア北東部の深さ600キロのところで
起きた。このときはドバイ、モスクワなど、北半球の広い範囲で人々が
感じた。震源が深いために、これらの地震では被害はなかった。
浅い巨大地震、たとえばM9.0だった東日本大震災(地震名は東北地方
太平洋沖地震)さえ、日本中で有感地震になることはない。

 この種の異常震域は世界各地で見つかっている。しかし、震源の深さ
の限界はまちまちだ。震源の深さの限界はプレートが地球の中に潜り
込んでいっている下限なのである。
 たとえば同じ太平洋プレートでもアリューシャン列島では地下200〜
300キロまでしか深発地震が起きていない。太平洋プレートはこの辺まで
しか潜り込んでいないことが分かっている。
 日本では地下600キロでも地震が起きる。よりによって地震が多いとこ
ろに日本は位置しているのだ。

.. 2019年08月25日 12:58   No.1732004
++ 島村英紀 (社長)…489回       
北海道胆振東部地震から1年−今も課題の「震度」情報
 |  「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その312
 └──── (地球物理学者)

北海道胆振(いぶり)東部地震から来月の6日で1年。マグニチュー
ド(M)は6.7、最大震度は7だった。北海道全域でブラックアウト
(停電)が発生した。不意打ちで、いままでに地震が起きたことが
知られていなかったところだった。
 震度7は2016年4月の二つの熊本地震以来2年半ぶりだった。震度7
はこの地震以後はない。

 現地は過疎地だが、厚真(あつま)町では土砂崩れに巻き込まれた
36人が死亡するなど死者42人を出した。
 この地震で目立ったことは火山灰地の崩落だった。崩壊した面積は
明治以降で日本最大だった。
 このあたりは西50キロにある支笏(しこつ)カルデラから4万年あま
り前に出た火山灰が厚く降り積もった。それ以後の大きな地震はなかっ
たので、火山灰が林に覆われていた山肌が、あちこちで崩れた。このた
め山裾にあった住宅約13000棟が損壊し、田畑も広く損害を受けた。

 この地震では50キロ以上も北にある札幌市でも震度6弱を記録して、
家が傾くなどの液状化被害が出た。札幌南部も支笏カルデラから来た
火山灰に広く覆われている。建築材料として重宝されていて多くのビル
が造られた「札幌軟石」も火山灰が固まったものだ。
 日本には、九州南部のシラス台地など、昔の火山灰が厚く堆積してい
るところが多い。地震のときに、胆振東部地震のような被害が出る可能
性が大きい。

 ところで、震度7は日本では最高の震度で、これ以上の震度はない。
そのすぐ下は震度6強になる。その6強は、この5年来、上の地震3つ
の震源周辺と2019年6月の山形県沖に起きたM6.7の地震だけだった。
 ところが山形県沖の本震と余震の震源分布を見ると、震源に最も近い
のは山形・鶴岡市小岩川だ。だが震度の計測データは小岩川にはない。
震源から遠い新潟・村上市には震度計があり、そこで震度6強だったか
ら、小岩川では、もっと震度が大きかった可能性が大きい。

.. 2019年09月18日 08:44   No.1732005
++ 島村英紀 (社長)…490回       
地震から2ヶ月がたったいまでも、小岩川の集落ではブルーシートで
覆われた家屋や墓地が目立つ。「危険家屋」などの表示のまま、住めな
くなった家も多い。

 震度計は1995年の阪神淡路大震災以後、全国で増やされて4200カ所に
設置されている。気象庁のほか、防災科学技術研究所と各自治体が設置
している。

 じつは胆振東部地震でも、厚真町、むかわ町、日高町、平取(びら
とり)町、新冠(にいかっぷ)町の震度が入電されなかったので、当初は
震度速報では安平(あびら)町で観測した震度6強を最大震度として
気象庁が発表していた。
 その後震度7を厚真町鹿沼で観測していたことが分かって最大震度を
訂正した。地震は明け方3時すぎだったが、分かったのは当日の夕方
だった。
 震度は、地震が起きた直後に初動態勢をとるのに最も重要な情報
だが、胆振東部地震の例では最大震度が分からなかったし、山形の例
のように、震度計がないところは多く、そこでの震度は分からない。
 震度にもまだいろいろの問題があるのだ。

.. 2019年09月18日 08:53   No.1732006
++ 島村英紀 (社長)…491回       
グレートバリアリーフを「軽石の巨大島」が救う?
 |  サンゴ、藻、貝類…新しい生態系が生まれる可能性も
 |  「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その313
 └──── (地球物理学者)

 膨大な量の軽石が、オーストラリアの東海岸へ向かって漂流を続けて
いる。その面積は60平方キロ。東京23区の中でも最大の大田区や二番目
の世田谷区の面積に相当する。それぞれ70〜90万人の人が住んでいる
大きな区だ。
 この軽石の「島」は海面上を漂っている。かつて別の「島」が発見さ
れて、「島」として命名されて権威あるタイムズ世界地図帳やグーグル
の地図に載ったこともある。実在の島だと思われたのである。
 今回の「島」はこの夏に発見されたのだが、数日前には南太平洋の
島国トンガの近くで海底火山の噴火が起きていた。海底火山から大量の
軽石が出て海面上に漂う巨大な「島」になったのだ。
 火山学では「パーミス・ラフト」というもので、「パーミス」とは
火山から出る軽石、「ラフト」とは筏(いかだ)やゴムボートを意味
する。

 この「島」は、オーストラリアの東海岸へ向かって漂流を続けている。
 東海岸には、グレートバリアリーフがあり、ここには4,000近い
サンゴ礁がある。
 だが、気候変動によって海水温が上昇したばかりではなくて、二酸化
炭素を吸収した海は、より酸性化した。このためにサンゴは白化現象を
起こし、共生関係にあった藻を失っている。いまやグレートバリアリー
フの3分の2もが激しい白化現象によって荒廃している。
 この膨大な軽石が流れつくと、サンゴ礁を再生させる助けになるかも
しれないという期待がある。
 それは、軽石が何ヶ月も漂流している間に、サンゴの幼生をはじめ、
藻やフジツボ、カニ、貝類、蠕虫(ぜんちゅう)などあらゆる種類の
生物が住み着いて、軽石が海洋生物の巣の役割を果たしているからだ。
 この軽石がオーストラリア東岸に到達すれば、軽石に住み着いた多様
な海洋生物が作る新しい生態系が生まれる可能性がある。

.. 2019年09月23日 14:03   No.1732007
++ 島村英紀 (社長)…492回       
 さて、この軽石が6〜10カ月後にオーストラリアへの到達後、何が
起きるのか、科学者は固唾を呑んで見守っているのだ。
 ところで今回はトンガの近くの海底火山の活動から出た軽石だが、
世界中でプレートを生み出しているのは「海嶺(かいれい)」という
火山脈だ。海嶺は海底にある活火山脈である。
 海嶺の全体の長さは地球ひとまわり分の40,000キロよりもずっと長
い。??
 日本の場合、東太平洋で生まれた太平洋プレートや、西太平洋で
生まれたフィリピン海プレートが日本列島に衝突してきて地震を起こ
している。
 2011年に起きた東日本大震災(地震名は東北地方太平洋沖地震)も
そうだし、いずれは起きるに違いない南海トラフ地震や、次の関東
地震も、これらのプレートが起こす。
 つまり海底の火山は、大量の軽石を出すだけではなくて、マグマを
大量に出して新しいプレートを次々に作っているのだ。
 海嶺の全体の長さは75,000キロにもなる。北米のロッキー山脈や南米
のアンデス山脈よりもけた違いに長い。世界でもっとも活動が盛んで
長い大火山脈なのである。

.. 2019年09月23日 14:14   No.1732008
++ 島村英紀 (社長)…493回       
世界一高い山はエベレストではない!?
 |  「地球の中心からの距離」でいえば…エベレストは2番目
 |  警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 その314
 └──── (地球物理学者)

 世界一高い山はエベレストだと思っている人がほとんどだろう。
 エベレストはネパールと中国との国境にあり、標高は8848メートル。
たしかに、地図上の「標高」は世界一だ。1953年に初登頂されて以来、
多くの登山者が登頂を目指していて、近年は、狭い道で行きかえなくて
ラッシュになるほどだ。

 だが、「地球の中心からの距離」でいえば、じつはエベレストよりも
高い山がある。南米にあるチンボラソ火山だ。アンデス山脈の高山の
ひとつで、エクアドルの最高峰で国旗にも描かれている。「青い雪」を
意味する。聞いたことがない名前かもしれない。
 地図上の標高は6268メートルだが、地球の中心からの距離は6384.4
キロ、エベレストが6382.3キロだから、チンボラソの方が約2100メート
ルも高い。

 これは緯度のせいだ。エベレストの緯度は北緯度28度、チンボラソは
赤道直下にあって緯度は南緯1度である。
 地球は丸いと思われているが、じつはカボチャ型で、遠心力で赤道
付近が出っ張っている。

 地震や火山活動を起こすプレートは地球全体をおおっている。その
厚さは場所によるが30〜150キロほどだ。プレートは地球でいちばん硬い
ところで、その中はずっと柔らかい。地震も火山活動も、このプレート
の硬さが起こしている。
 地球は1日に1回転している。遅いようだが、赤道付近で時速1700
キロ。ジェット機よりもずっと速い。この回転による遠心力で地球が
カボチャ型に出っ張っているのである。
 その出っ張りは全体の300分の1。これは地球全体が液体だとしたとき
の出っ張りに近い。つまり、表面にあるプレート以外のほとんどは、
地球はごく柔らかいのだ。

 厳密に言えば、地球の自転はだんだん遅くなっているので、地球カボ
チャは少し前の自転速度に応じた形になっている。地球は図体が大きい
ので反応が遅れるのだ。

.. 2019年09月30日 14:23   No.1732009
++ 島村英紀 (社長)…494回       
昔の時計は振り子を振らせる機構だった。地球上の場所によって重力
が違うのが分かったのは、17世紀にパリから南米ギアナに持ってきた
振り子時計が1日に2分も遅れることが発見されたときだった。同じ
振り子でも重力が小さいところではゆっくり振れる。地球カボチャの
出っ張っているところでは重力が小さく、振り子時計が遅れるのだ。

 赤道の近くでは、すべてのものが0.5パーセントほど軽くなる。60キロ
の体重だと300グラムほどの違いだ。ダイエットに励んでいる人たちに
とっては無視できない重さの違いかもしれない。
 チンボラソは19世紀初頭まで、地球で一番高い山だと考えられて
いて、多くの登山家が登頂に挑戦した。

 エベレストは、1954年にはじめて正確に計られて、世界一だという
ことがわかった。これはインド測量局が周辺12ヶ所で測り、結果を
平均して8848メートルという数値を得たものだ。
 インドプレートが南から押してきているために年々高くなっている
から、これからも少しずつ高くなるに違いない。

.. 2019年09月30日 15:02   No.1732010


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