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■--東海第二原発は老朽
++ 山崎久隆 (社長)…866回          

・被災で危険なだけでなく経済性もない
 |  原電の卸売電気料金単価がいかに高いか…
 |  利益なしでも17.6円程度
 |  (LNG火力9.2〜13.7円、電力卸売市場の平均単価9.7円)
 |  日本原電の電気を買った会社(つまり東電)も共倒れ
 └──── (たんぽぽ舎副代表)

 とにかく異常である。
 誰もが分かっているのに誰もが問い質さず、誰もが不合理と思って
いるのに、それが前提となって物事が進む。
 こんなこと、今は枚挙に暇がないので、一体何のことを言っているの
か、何でも当てはめられる現代なのが恐ろしいが、この際は「東海第二
原発の再稼働をめぐる経済性と東電との関係」である。

◎東京電力は原発に幾ら費用を掛けるつもりか
     (柏崎刈羽原発工事費用は6800億円)

 東電の電力単価は、電気料金の契約書などから、一般家庭の小売料金
は概ね25円前後となる。(月間360kWhとして計算すれば24.51円)。
ただし500kWh以上の大口はkWhあたり17円前後(基本料金を除く)
となる。
 つまり、東電が利益を出しながら「低廉な」電気を売り続けるには、
平均価格は15円ほどが最低線ということになる。新電力や他の電力会社
との競争を考えれば、大口はもっと下げることになるかも知れない。
 有価証券報告書の2018年度からは、もっと厳しい現実が見えてくる。
 年間で売り上げた電力量は2303億kWhで、前年比マイナス4.2%
減、100億kWhも減っている。電力自由化の影響である。
.. 2019年07月31日 08:12   No.1715001

++ 山崎久隆 (社長)…867回       
売上高の内電力料金収入は6兆327億円、単純に電力量で割れば26.19
円/kWhとなる。
 一方、営業費用の内電気事業営業費用は5兆7351億円で、24.90円/
kWhとなる。
 この中には、1ワットも電気を生み出さない東電所有の原発の費用、
原子力発電費用が9892億円入っている。これがなかったとしたら20.61
円/kWhで済んでいたことになる。
 もちろん、維持管理費用は掛かるから、そんなわけにはいかないが、
再稼働のための柏崎刈羽原発の工事費用は合計で6800億円とされる
から、いかに重たい費用か分かるだろう。
 しかもこれは、2017年10月の段階での数値であり、今後の「特定重大
事故等対処施設」の費用を加えれば更に1000億円以上も増えるのでは
ないかと思われる。
 その上更に、東海第二原発の再稼働のために1900億円も出資すると
いうのは、経営判断としては最早考えられない暴挙である。

◎東京電力はいくらで電気を買い取り、売るつもりか

 東海第二原発はとても再稼働などできない。
 新規制基準適合性審査をクリアし、20年運転延長審査も通ったのは
事実だが、条件を満たすには防潮堤を造り、緊急時対策所を整備し、
格納容器冷却や格納容器ベントなどの設備を改造・設置し、工事認可
手続き後の使用前検査に合格しなければならない。
 もちろん、地元の6市村からの同意を取り付けるだけでなく、県民の
7割を超える反対の声にどう答えるのか、周辺の30km圏内の「緊急時
防護措置を準備する区域・UPZ」の原子力防災計画の策定も終わって
いなければならない。
 原電のいう「2021年10月」再稼働は、少なくとも「特重施設」以外は
できている前提である。
 そのために東電と東北電力から合わせて1740億円相当の資金支援を
受けなければならない。
 さらに、運転を継続するには「特重施設」を2023年10月までに造ら
なければならない。そのためには東電は合計1900億円の資金支援をし
ていることになる。

.. 2019年07月31日 08:21   No.1715002
++ 山崎久隆 (社長)…868回       
 東電は7月16日の記者会見で次のように答えている。
 『我々はお客様に低廉で安定かつCO2の少ない電気というものをお
届けするということが使命であると考えております。
 東海第二がそうした電源として耐えうるのかどうかということにつき
まして、市場の価格の見通しであるとか、再稼働に必要な安全対策工事
の見通し、工事期間であるとか、工事費であるとか、特定重大事故等対
処施設設置の見通し、あわせて、さらに地元のご理解を条件に、こう
いったものを総合的に検討しておると、こういう状況でございます。』
 総額1900億円もの資金支援をするかどうかの判断には、市場価格から
見て妥当性のある料金でなければ低廉な電源とは言えないことを事実上
認めている。

◎東海第二原発の単価がいかに高いか…利益なしでも17.6円程度
(LNG火力9.2円から13.7円、電力卸売市場の平均単価9.7円)

 いままで日本原電が電気をいくらで売っていたのか。
 まず2010年以前では、2010年までの年平均発電量62億5411万kWh/
年とした場合、電力収入を割ると11.7円ほどと見積もることが出来る。

 「特重施設」などを建設した後は、3000億円を賄うことになるので
kWhあたり3.2円ほど余計にかかると見積もることが出来る。
 合わせて14.9円がkWh当たりの単価となる。これに福島第一原発
事故により課せられることになった一般負担金の年85.25億円のkW
h当たり0.7円を加算すれば、15.6円程度に増える。

.. 2019年07月31日 08:28   No.1715003
++ 山崎久隆 (社長)…869回       
 原電が年間500億円の利益を上げようとするならばkWhあたり8円
の利益を乗せて、23.6円で売らねばならない。
 しかしこんな単価では誰も買わないだろう。東電の小売価格の平均
よりも高いのだから。
 原電は所有する4基の原発の廃炉費用に少なくても1800億円が必要と
みられるが、これを15年で積み立てるならkWhあたり2円ほどになる。
 利益なしでも17.6円程度の単価で売る卸売電気料金は、とても高い。
 LNG火力でも9.2円から13.7円、電力卸売市場の単価は平均9.7円で
ある。東海第二原発の単価がいかに高いか分かるだろう。
 どんな角度から調べても東海第二原発を再稼働するメリットはどこに
も見いだせない。

.. 2019年07月31日 08:37   No.1715004
++ 中村泰子 (中学生)…48回       
福島第一原発事故から8年4カ月“福島の今”
 |  棄民政策と「放射能安全神話」の普及に励む
 | 政府・東電への抗議を強めよう!  (上) (全3回)
 |  将来世代への責任
 |  「復興」の陰で増え続ける震災関連死
 └──── (たんぽぽ舎会員)

 7月6日、國分富夫さん(相双の会会長)のHOWS講座「福島第一
原発事故から8年の現実」がおこなわれ、これからの反原発運動をどう
取り組むかについて討論した。以下、概要を報告する。

◎将来世代への責任

 8年以上たっても終わらない、どうにもならない福島の現実を見れば
わかるはずなのに、各地の原発立地地域では、未だに原発なしでは経済
が成り立たないと信じられ、原発再稼働の流れになっている。

 事故が起きたら、経済どころではない。もう二度と家に戻れない。
政府は、棄民政策と放射能安全神話の普及によって、事故はなかった
ことにしようとしている。日本は情けない国だ。
 日本は広島・長崎の被爆国であり、福島第一原発による被ばく国と
なった。セシウム137がほぼなくなるまで300年。原発を許してきた
われわれ世代は、子どもたちの未来に責任があることを自覚して、
反原発を訴えなければならない。

◎「復興」の陰で増え続ける震災関連死

 4月に大熊町役場が開庁した。新庁舎は渡辺利綱町長の土地に31
億円をかけて作られた。帰還住民500人、廃炉作業員ら900人を目標に、
呼び込む計画である。
 先月見学に行った双葉町役場は、今も当時のままで、壁には原発事故
対応の指令メモが貼られていた。双葉町南小学校の6年1組の教室には
ランドセルなどが残され、黒板には「3月11日(金)卒業まであと8日」
と書かれていた。その時避難した子どもたちは、今年成人式を迎えた。

 震災関連死者数は、岩手県(約500人)や宮城県(約1000人)に比べ、
福島県は約2300人で実際は3000人超とも言われ、今も増え続けている。
 復興住宅では近隣との交流がなく孤独死が多い。
 事故ですべてを失い、避難生活の疲労蓄積、元へ戻れないことへの
絶望による自死者の数は、福島県が最も多い。(中)に続く
 (「思想運動」2019.8.1号No.1043から了承を得て転載)

.. 2019年08月01日 08:12   No.1715005
++ 近藤容人(ようにん) (幼稚園生)…3回       
東京電力を解体し、自然エネルギー革命を
 |  断固強力に推し進めよう!    (修正・補強版)
 |  参議院選挙で再稼働反対のうち越さくらさん勝利、
 |  自民党候補を破る
 └──── 〔新潟県刈羽村議会議員〕

 ※《事故情報編集部》より
  7月27日【TMM:No3709】★1で発信済みの上記タイトルの文章は
 「修正・補強」されました。
  以下に「修正・補強」後の全文を掲載致します。

◎ 日本で最大最強の電力会社東京電力は、7月24日、福島第二原発
(4基)の廃炉を内堀雅雄福島県知事に伝達した。
 これで、新潟県と福島県にある東京電力の全原発17基中10基が廃炉と
なり、復活は絶対ありえない。
 然し、いまだに東京電力は新潟県柏崎刈羽に世界最大の原発プラント
(821.2万kw)を所有している。1号から7号、現在全号機が停止して
おり再稼働の見通しは全く立っていない。

 中越沖柏崎刈羽地震(「新潟県中越沖地震」2007年7月)の想定をはる
かに上回る地震エネルギーで7基すべて …ここから「修正・補強」

 に重大な損傷が生じた。
 1、5、6号機は定検中で停止していたが、運転中だった3、4、7
号機は自動停止、起動中だった2号機は停止したものの冷温停止に至る
までほぼ1日費やしたので関係者は肝を冷やしたことであろう。
 3号機の変圧器火災は地震で配管が壊れたために消火活動ができず、
また緊急時の指令棟もドアが開かず使用出来なかった。
 中越沖地震により機器の損傷は3千ケ所に上り、柏崎刈羽原発は2009
年4月まで全部停止状態になった。
 しかしいい加減な修理と規制当局の甘い審査により2009年5月に7号
機が、9月には6号機も再稼働した。
 さらに2010年6月に1号機、11月には5号機も再稼働した。

 東日本大震災が起こった2011年3月時点で停止していたのは2、3、
4号機であったが、福島第一原発の炉心溶融事故があったにもかかわら
ず、1号機と7号機が停止したのは2011年8月、5号機は12年1月であ
り、6号機は3月にようやく停止したのである。
 だがそれ以後今日まで、柏崎刈羽原発全7機は停止したままであり、
県民の再稼働反対の世論は大きくなる一方だから再稼働の見通し
はない。…  「修正・補強」終了


.. 2019年08月03日 08:53   No.1715006
++ 近藤容人(ようにん) (幼稚園生)…4回       
それにしても、2007年7月16日「新潟県中越沖地震」、2011年3月11
日「東北地方太平洋沖地震」により、地震国日本といえども東京電力
のみが2回も震災にみまわれた。
昔からのことわざに「2度あることは3度ある」と言われている。

◎ 柏崎刈羽原発の近くには、巨大地震を起こす長岡平野西縁断層帯や
6本の佐渡海峡断層帯、無数の活断層が有る。
3度目の地震が柏崎刈羽原発を襲っても何の不思議も無い。
刈羽村は全村これPAZ(即時避難地域)(注)である。3km以内に
ほとんどの村民が生活しており、小生宅はわずか1.7kmだ。

◎ 7月21日の参議院選挙で「再稼働反対、本気の原発ゼロ!」を訴え
た、うち越さくらさんが安倍総理と麻生副総理に「そんたく」した
塚田一郎氏を打ち破り勝利した。新潟県民の良識が勝利した。
 全国の皆さん、正義は反原発を闘う我々にあります。
 原子力とはキッパリ決別し、太陽光、風力、水素等リニューアル可能
なエネルギーにシフトしましょう!
 成せばなる、やればできる。
 エネルギー革命は世界的規模で力強く拡大しています。

(注)「PAZ」
 原子力施設から概ね半径5km圏内。放射性物質が放出される前の
 段階から予防的に避難等をおこなう。

.. 2019年08月03日 09:12   No.1715007
++ 渡辺寿子 (大学院生)…114回       
福島第一原発事故は100年経っても終わらない
 |  復興、五輪の掛け声の陰で福島原発事故はなかったことに
 |  「自覚的に原子力を終わらせる歴史を作りたい」(小出裕章氏)
 |  福島を忘れない!全国シンポに参加して  (下)
 └────  (原発いらない!ちば)

◎広告代理店の関与とメディア戦略

 オリンピックは福島の復興をアピールをするために最大限利用されて
いるが、看過できないのが大手広告代理店(具体的には電通)の関与と
メディア戦略の活発化である。「風評被害」の払拭や福島復興PRのため
に電通に240億円が国や福島県から支払われる。
 また「安心・安全メディア研究会」なるものが事故翌年の2012年から
年6回も開催されている。そこには福島県内全メディアと福島県観光
課、農産物流課、広報課及び電通が参加しているということです。
 武藤さんの話を聞いて、税金を投入して、これだけ大規模、戦略的
に(放射能)安心・安全キャンペーンを展開して、放射能怖くない、
原発事故など過去のものとオリンピックを前に国民と外国人を洗脳しよ
うとしているのかと許せないし、恐ろしくなりました。

◎東電刑事裁判の判決日(9/19)迫る

 東電刑事裁判のの判決日が9月19日(木)に決まり、配布された武藤
さんのレジュメには東電刑事裁判の経緯や争点などが書かれています
が、紙面の都合もあり、省きます。代わりに最後に書かれた武藤さんの
この裁判に臨む胸を打つ決意を記します。
 「私たち告訴人の目的は、真実を知りたい。自分たちと同じような
被害者を二度と出したくはない。何とか核の悲劇の歴史にピリオドを
打ちたい。事故の責任を追及することが、被害者の責任。」
 9月19日には皆で東京地裁に集まり、裁判官が真実を直視した厳正、
公正な判決を出すか、歴史的裁判の判決を見届けましょう。

.. 2019年08月06日 08:26   No.1715008
++ 渡辺寿子 (大学院生)…115回       
◎福島第一原発事故は100年経っても収束できない

 シンポの最後は小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)さんの記念
講演でした。講演の題「福島第一原発事故 100年経っても収束できな
い」が示すように、かなり辛口の、安易な希望的観測を許さない内容
でした。
 広島原爆で燃えたウランの重量は800グラムであり、100万キロワット
の原発1基が1年間運転すると1トンの核分裂生成物(死の灰)が生ま
れる。つまり広島原爆1000発分の「死の灰」を生み出す。いかに原発が
大量の放射性物質を作り出すか冒頭でまず小出さんは説明しました。

◎困難だが発電所全体を覆うのが最善

 以下小出さんの話でもっとも大事だと思った部分を記します。

 溶け落ちた燃料(デブリ)を取り出すのは世界中どこもやったことが
なく、至難の業。
 東電は試行錯誤しているようだが、どの方法も無理と危険があり、
実現不可能である。
 今、福島第一の現場は汚染水の処理などで悪戦苦闘している。
 現在考えられるもっとも安全な福島第一の処理方法は、発電所全体を
コンクリートか金属で覆ってしまうチェルノブイリ方式である。
 しかし全体を覆う前にやらなければならない困難な作業がある。
それは、1〜3号炉のプールに残っている使用済み核燃料を取り出すこ
とだが、それは非常に困難な作業である。しかしやらなければなら
ない。そうしてもデブリの取出しはおそらく100年経ってもできず、
つまり、福島第一原発事故は100年経っても収束しないだろうという
ことである。

.. 2019年08月06日 08:35   No.1715009
++ 渡辺寿子 (大学院生)…116回       
◎どんなに辛い事実も見ないよりは視たほうがよい

 小出さんは最後に上記のことばを私たちにメッセージとして残しま
した。
 そして「日本の原子力発電はもう終わりであるが、愚かな選択にしが
みつきながらずるずると自滅するのである。日本の原発は1970年代から
90年代にかけて多く建設された。いまのシニア世代こそ原子力の暴走を
許した張本人である。その私たちの手で意志的に原発に引導を渡したい
と思う。(自滅を待つのではなく)自覚的に原子力を終わらせる歴史を
作りたい」と講演を終えました。
 「小出さんの終わりの言葉を深くかみしめ、これからの運動の力にし
たい」との閉会挨拶の言葉に深く頷きました。

◎住民の心を置き去りにして変貌を遂げている被災現地

 翌14日は被災現地のフィールドワークでした。一言でいうと、原発
事故の痕跡を見えないようにし、住民の心を置き去りにしてどんどん
変貌をとげている印象でした。
 紙面の都合上こちらの報告は次号に載せる予定ですが、言い古された
言葉ですが、百聞は一見にしかずで、貴重な体験をしました。

.. 2019年08月06日 08:46   No.1715010


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