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カリフォルニアを脅かす群発地震 | 長さ1300キロの活断層(サンアンドレアス断層)が原因 | 警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 その305 └──── (地球物理学者)
米国には50の州があるが、ニューヨークにもシカゴにも地震は起きない。 地震があるのは西海岸のカリフォルニア州と北に離れたアラスカ州だけだ。 そのカリフォルニア州を南北に縦断してサンアンドレアス断層という活 断層が走っている。長さが1300キロもあり、草木の少ないカリフォルニア なので、よく見える。同州で起きた地震はすべてサンアンドレアス断層絡 みなのである。
このサンアンドレアス断層は部分部分で性質が違う。いつも動いている クリープ断層と、ふだんは動かない断層とがある。このうち、ふだんは動 かない断層が地震を起こす。
1906年に起きたサンフランシスコ大地震はサンアンドレアス断層の北部 が起こした地震で、米国の大都市を襲った地震として最大の被害を生んだ。 マグニチュード(M)は7.8だった。当時のサンフランシスコの人口は40万人 だったが、死者は約3千人以上、22万5千人が家を失った。 十分な耐震強度を備えていなかった建造物の多くが倒壊し、火は3日間 燃え続けた。 市長は、市内に出動する兵士と警察官に「略奪者はその場で射殺せよ」 と命じた。これは厳密には違法だが、市長は責任を問われなかった。 以後、米国でも耐震建築が盛んになり、カリフォルニアでは内部の人間 が逃げ出せるように、ドアは外開きにしなければならない。
ところで、このところカリフォルニア州の南部ジュルーパ・バレーで小 さな地震が集中的に発生していて、地元民を不安に陥れている。震源は数 キロ四方の地域に集中している。ジュルーパは同断層の南部に近いところ で、ロサンゼルスの50キロほど東にある。
.. 2019年07月19日 10:44 No.1707001
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