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年金も税金もバイ菌同様目に見えなくされている これがまともな国家なのだろうか
三木義一(みきよしかず)青山学院大学長
長いこと真面目に社会保険料を負担してきた。税金も、税務署を批判 する立場なので、必要以上に払ってきた気がする。 それでも老後になお2,000万円以上不足するといわれた。むなしさが こみ上げてきた。人生をやり直すことはできないし、やり直しても、 年金制度がこれでは同じことがくり返されるからである。
しかも、政府がその報告書を隠そうとしている姿を見て、私たちは 戦後主権者になったはずなのに、まともな政府をつくれなかったという 自責の念に駆られた。
60歳になった時、職場で年金の手続きをした。あまりの難しさに 音を上げた。年金機構での手続きも難解な書類を何度も読んで行った が、予想通り間違いを指摘された。難しい税法の手続きに慣れている 私でさえこのありさまであった。 一般の市民にとっては、払う税金も難解でわからず、もらう年金も 難解でわからない、ということだろう。 年金も、税金も、バイ菌同様目に見えなくされている。これがまとも な国家なのだろうか。
65歳になると、年金決定通知書を受け取る。そこに記載されている 金額を見たとき、余りの低さにびっくりし、落胆してしまった。 頭の中を山口百恵さんの横須賀ストーリー(阿木燿子詞)が 駆け巡った。 ♪これっきりこれっきり もうこれっきりですか♪ (6月27日朝刊27面「本音のコラム」より)
.. 2019年07月08日 10:37 No.1697002
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