返信


■--福島「原発安全神話」から「被曝安全神話」へ
++ 小出裕章 (中学生)…45回          

 (その2)
 |  風に乗って東西南北へ散る放射性物質
 |  福島から新潟、東京までセシウムが降り積もった
 |  1平方メートルあたり4万ベクレル以上の汚染を制限
 |  していたはずの日本の法律はどこへいった
 |  日常を絶つ様々な被害、そして苦悩    (7回の連載)
 └──── (元京都大学原子炉実験所助教)

2.風に乗って東西南北へ散る放射性物質

 (前略)福島第一原子力発電所から噴き出した放射性物質のほとんどの
ものは、実は偏西風に乗って太平洋に流れました。(中略)
 でも地上では、北風、南風、東風の日だってあるわけです。(中略)
 例えば、事故が起きた当日もそうでしたし、数日後もそうだったので
すけれども、北風が吹いている時がありました。
 その時は放射能の雲は南へ流れて行って、福島県の浜通りや、いわき
市などを、汚染していきました。

 放射能から見れば、県境なんてものは全く意味がないわけですから、
簡単に茨城県との県境を越えて北部を汚染しました。一時期、風で太平
洋に抜けていた放射性物質が、また茨城県の南部で陸地に戻ってきて、
北部を汚染しました。一時期、風で太平洋に抜けていた放射性物質が、
また茨城県の南部で陸地に戻ってきて、霞ケ浦一帯を汚染する、千葉県
の北部を汚染する、東京の下町を汚染する、というようなことになりま
した。
 一時は南東の風が吹いていた時がありました。そのため放射能の雲は
北西へ流れていきました。(中略)どうにも人が住めないということで、
この区域にいた人たちが強制避難をさせられたのです。

3.福島から新潟、東京までセシウムが降り積もった

 (前略)福島県の中通りと私たちが呼んでいるところです。東側には
阿武隈山地、阿武隈高地という山並みがありますし、西側には青森県
からはじまった奥羽山脈という長い山並みがあります。(中略)そこを
放射能の雲が舐めるように汚染していくことになってしまいました。
  (中略)
 群馬県の西には長野県があるんですけれども、群馬県と長野県の県境
にも高い山並みがあって、放射能の雲は山を乗り越えるのではなくて、
山腹を巻くように流れていきまして、群馬県の西部を汚染しました。
.. 2019年06月28日 08:12   No.1691001

++ 小出裕章 (中学生)…46回       
4.1平方メートルあたり4万ベクレル以上の汚染を制限
  していたはずの日本の法律はどこへ

 (前略)放射性物質というのは危険なものだから、普通の人たちが近づ
けるようなところで使ってはいけない。特殊なところでその仕事はやれ
と、放射線管理区域と呼ぶ場所でやれと決まっていたのです。(中略)
 普通の皆さんは、まず立ち入ることが許されません。
 私のような特殊な人間だけが、その場所に立ち入ることが許されるの
ですけれども、立ち入った途端に水を飲むことが禁じられます。
 食べ物を食べてもいけません。寝てもいけません。管理区域の中には
トイレがありませんから、排泄すらできない、要するに、人間が生き
る、生活するなんてことは到底できない、してはいけないというのが
放射線の管理区域なのです。(中略)
 管理区域の外側には、1平方メートルあたり4万ベクレルを超えて
汚染しているようなものは、どんなものでも存在させてはいけないと
いうのが日本の法律だったのです。(中略)
 東北地方と関東地方の広大なところが、本当であれば放射線管理区域
にしなければいけないほどの汚染を受けてしまったというのが、福島
第一原子力発電所の事故です。

5.日常を絶つ様々な被害、そして苦悩

 (前略)自分の何気ない平穏な日常というものは、ずっとこれからも
続いていくのだ、それが平和というものなのだ、と思いながらたぶん
生きているわけですけれども、この地域の人たちは違ったのです。
    (中略)
 逃げたところは体育館のような避難所で、床に寝転がるというよう
なことをやりました。

 しばらくして仮設住宅というのに移りました。(中略)
またそれでしばらくすると、今度は災害復興住宅へ行け、みなし仮設
住宅へ行けというように、あっちへ行ったりこっちへ行ったりする。
    (中略)
 あまりの辛さに次々と命が絶たれていく、自分でも命を絶っていく。
    (中略)
 今でもそれが続いているという状態になっています。

.. 2019年06月28日 08:18   No.1691002
++ 小出裕章 (中学生)…47回       
 その上、地震と津波で破壊され、さらに強制避難区域になって
しまったところに取り残された人たちもたくさんいたのです。
 助けに行けば助けられたけれども、人がもう入れない、助けること
ができないまま、たくさんの人が死んでいったということが、あの時に
起こりました。(中略)
人間だけではありません。(中略)家畜だって、ペットだって、捨てられ
て死んでいったのです。(その3)へ続く

(「DAYS JAPAN」2018年・8月号増刊号より抜粋)

.. 2019年06月28日 08:26   No.1691003
++ 小出裕章 (中学生)…48回       
福島「原発安全神話」から「被曝安全神話」へ (その3)
 |  良心的学者までもが「被曝安全神話」   (7回の連載)
 | 被曝というのは絶対に危険です あらゆる意味で危険です
 |  なぜ被曝をすると人は死ぬのか
 |  被曝量と危険度の相関性とは
 |  被曝の影響は被曝量に比例して存在することになっている
 └──── (元京都大学原子炉実験所助教)

6.「原子力安全神話」から「被曝安全神話」へ

 (前略) 原子力発電所というのは、科学の粋を集めて造ったもので
あって、絶対に大きな事故なんて起こりません、と皆さんは聞かされて
きたはずだと思います。でも事実は違ったのです。福島第一原子力発電
所の事故がそれを教えてくれました。
 途方もない事故が起きたわけですけれども、そうなって今どうなって
いるかというと、今度は「原子力安全神話」じゃなくて「被曝安全
神話」というのが出てきています。(後略)

7.良心的学者までもが「被曝安全神話」
  被曝というのは絶対に危険です あらゆる意味で危険です

 (前略)そして彼ら(原子力ムラではなく原子力マフィアと呼ぶ)はどう
したかというと、「いやもう大したことないんだよ、被曝なんていうの
は怖がることはない、100ミリシーベルト以下なら何のこともない」、
というようなことを言って、人々を汚染地に住み続けさせようとする。
 一度は逃げた人に対しても「戻れ」と言い出すことで、「被曝安全
神話」を、今しきりに振りまき始めました。(中略)
 そこで私は皆さんに原点に戻って考えて欲しいと思います。
 被曝というのは絶対に危険です。あらゆる意味で危険です。

8.なぜ被曝をすると人は死ぬのか

 (前略)皆さん、風邪をひきますよね。体温計で今日はいつもの体温
より1度C高くなっちゃった、2度C高くなっちゃった。でも人間と
いう生き物はそんなことで死なないんです。それが、こと放射線から
エネルギーを加えられる時には、1000分の1度Cとか1000分の2度C
加えられたら、死んでしまいます。

.. 2019年07月01日 07:30   No.1691004
++ 小出裕章 (中学生)…49回       
 なぜそんなことになるかというと、この世にあるすべてのもの、私の
体もそうですけれども、すべては化学結合というもので成り立っていま
す。水素、酸素、炭素などが、私のDNAの遺伝情報もそうですけれど
も、お互いに手を繋ぎあって維持しているわけです。(中略)

 セシウム137という放射性物質は、ガンマ線という放射線を出しま
すが、そのエネルギーは66万1000エレクトロンボルトです。生物が生き
るための化学結合のエネルギーから比べると、数十万倍のエネルギーの
塊に被曝させられます。つまり、生きていられなくなる。(中略)
 では、死なない程度の放射線なら安全なのかというと実はそうでは
ないのです。必ずあちこち傷を受けているわけです。

9.被曝量と危険度の相関性とは
  被曝の影響は被曝量に比例して存在することになっている

 (前略)被爆者の人たちを10万人も、長い年月をかけて調べていきま
した。初めの頃は、高い被曝をした人は確かに危険があることが
分かった。もう少し研究を続けていくと、やっぱり危険はずっとあるぞ
ということが分かってきた。つまり、どんなに低い被曝になっても、
被曝量に比例して危険があることが分かってきたわけです。(中略)
 いろんな説があっても、現時点での学問の定説というのは、被曝の
影響は被曝量に比例して存在することになっています。(その4)へ続く

  (「DAYS JAPAN」2018年・8月号増刊号より抜粋)

.. 2019年07月01日 07:36   No.1691005
++ 名出真一 (小学校低学年)…6回       
全ての原発廃炉まで反原発運動の声を決して絶やさない
 |  たんぽぽ舎のような拠点が絶対に必要
 |  たんぽぽ舎30周年おめでとうございます
 └────  (伊方から原発をなくす会)

 30年のうち私が関わったのはほんの数年です。こんな場でコメントを
出せるような立場では決してありません。
 しかしこの数年のたんぽぽ舎との関わりには本当に感謝しています。
それまで何のつながりもなく、突然現れた者の声を真剣に受け止めて
いただき、全面的な協力をしていただいてきました。

◎ 私が反原発運動に関わったのもチェルノブイリ原発事故以降でし
た。16ミリの映写機が使えたので、香川県各地で映画の上映会を
手伝っていました。
ただこの時には「原発イコール原爆だからダメ!」という極めて単純
なものでした。同じ四国の中に伊方原発があることすら知りませんで
した。出身が大阪でしたので原発といえば福井でした。
また原発現地の方達の長く辛い恐怖と分断による地域破壊の現状も
知らずにいました。学生で時間があった時に自分の身近な伊方の闘いを
知らずにきた。
この事は本当に悔やんでも悔やみきれません。私1人が関わっていて
も、もちろん何も変わりはしないでしょう。
しかし一番大変な時に共に闘えなかった事はずっと消えない後悔の念
です。また、私自身にとっても伊方の闘いから得られるものは無限で
あったと思います。

◎ その後職場で組合結成をしたことや、反原発市民運動の方向性など
に馴染むことが出来ずにいつのまにか原発問題からは遠ざかって
いきました。
そして2011年3月11日を迎えてしまうことになります。この時に感じ
た恐怖感と後悔は今も忘れる事は出来ませんが、福島やその近隣の方達
の恐怖は私が感じたものなど比較にならないでしょう。
この事故をきっかけに原発現地で半世紀にわたって原発反対を訴え続
けられた方たち、たんぽぽ舎のように30年間途切れることなく反原発
運動を闘い続けた方達に出会うことができたのは皮肉としか言いようが
ありません。

.. 2019年07月03日 07:56   No.1691006
++ 名出真一 (小学校低学年)…7回       

◎ 二度と同じ後悔を繰り返さないために、全ての原発廃炉まで反原発
運動の声を決して絶やさないためにもたんぽぽ舎のような拠点が絶対に
必要なものだと感じています。
30年にとどまらずこの先も大きな役割を果たしていただければと
思います。
またその闘いの隅っこにでも関わらせていただければと思います。


※たんぽぽ舎からのご案内

 ★9/22(日)たんぽぽ舎『30周年記念の集い』のご案内★
    − 命と大地を放射能から守れ −
     原発やめよう みんなの想い

・記念講演『原発にしがみつく日本 なぜ? どうする?』
     講師:小出裕章氏(元京都大学原子炉実験所助教)

・リレートーク参加ゲスト(順不同)
 熊本一規氏、山崎久隆氏、菅井益郎氏、安田節子氏、
 武藤類子氏、阿部功志氏、鴨下全生氏

 日 時:2019年9月22日(日)13時30分より16時45分
 会 場:「ベルサール神保町」たんぽぽ舎から徒歩5分
 第1部:記念講演、リレートーク、
     たんぽぽ舎と「食品の放射能測定」の30年史など
第2部:懇親会(定員・予約制)17時30分より
     ※会場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
第1部の参加費:当日1200円、前売り1000円
 第2部の懇親会費 3500円
     (ただし、第1部と第2部共に参加される方は
      ◎当日参加の方は4200円、◎前売りの方は4000円)

 ※「名刺意見広告」にもご協力いただけると幸いです。
  詳しくはたんぽぽ舎にお問い合わせ願います。

たんぽぽ舎の「30年」を振り返り、引き続き『原発をなくす』
取り組みを前進させたいと思います。
 9/22(日)たんぽぽ舎『30周年記念の集い』へのご参加と、たんぽぽ
舎の活動へのご協力をさらにお願い致します。

.. 2019年07月03日 08:03   No.1691007
++ 浅野健一 (中学生)…36回       
東電福島第一原発爆発の衝撃映像を
 |  いまだに放映しないNHKと主要民放局 (上)(2回の連載)
 |  放射能被害が予知できたのに安全だと報道した
 | 報道犯罪の検証はなされていない
 |  「メディア改革」連載第7回
 └──── (アカデミックジャーナリスト)

 日本の政府とキシャクラブメディアにとって「6月30日」は悪夢の日
だっただろう。
 「絶対にあり得ない」(BS−TBSで森本敏・木村太郎両氏)
「実現しても成果は期待できない」(朝日新聞)とテレビと新聞で
言ってきた板門店での第三回朝米首脳会談の成功で、安倍政権と主要
メディアは大混乱している。
 リベラルといわれる朝日新聞、東京新聞も朝鮮民主主義人民共和国に
関する報道は最悪だ。
 ヤマトの新聞は、朝鮮を40年間、侵略・強制占領した過去を清算して
いないからだ。
 元韓国大使や無能な専門家が「韓国の文在寅大統領は無力だ」と
言っていたのに、トランプ大統領と金正恩委員長の約1時間の会談を
取り持ったのは文氏だった。

 会談では、今月中旬に実務協議を再開することで合意した。トランプ
大統領が金正恩委員長の右肩に手を掛けて軍事境界線の北側へ約10メー
トルも踏み入れたのは歴史的だった。
 現場に日本のメディア記者は1人もいなかったと思われる。日本のテ
レビ局が放映した映像はどこから提供されたのか、明示した局はない。
おそらく、米CNNか韓国の放送局からの提供と思われる。映像を共有
するプール取材だったのかもしれない。

 重要な事象を報道する場合、自分の局で撮れない場合、撮影できた局
から映像を提供してもらうのは当たり前だ。
 ところが、2011年3月11日に起きた東京電力福島第一原子力発電所の
爆発事件で、1号機と3号機が爆発した瞬間のテレビ映像はいまだに
日本テレビ系のNNNしか放送していない。
 NHKと他の民放を視聴していた日本の民衆は、キノコ雲が空に
広がった鮮明な動画を見ていないのだ。日本に住む人民の90%以上は
メルトダウンを起こしたショッキングな映像を目にしていないのだ。

.. 2019年07月04日 08:56   No.1691008
++ 浅野健一 (中学生)…37回       
 本連載の第1回で書いたが、私は5月14日から23日までウクライナで
チェルノブイリ事故から33年後の現状を取材した。
 私は5月17日にキエフにある放射能医学研究センターで開かれた国際
チェルノブイリ連盟の第7回総会後に開かれた公開フォーラム「今後の
エネルギーと安全」で、福島第一原発事件に関する日本メディアを検証
し、福島の現状を次のように報告した。
 この国際連盟は「国際チェルノブイリ福島連盟」と名称を変え、
「食品と暮らしの安全基金」の小若順一代表が副会長に就任した。

◎メルトダウンを2カ月発表しなかった政府とメディア

 社会の問題を人々に知らせ、解決に導くにはマスメディアの正確な
報道が欠かせない。ところが、日本のマスメディアは、福島第一原発の
真実を正しく伝えていない。
 特に、8年前の事件直後、福島に駐在していたマスメディアの記者た
ちのほとんどが県外に逃げたことは、日本のジャーナリズムの退廃を
表している。
 福島第一原発の事件から2カ月間、特に最初の1週間の「取材・報道
の放棄」は万死に値する。
 当時の東電福島第一原発の吉田昌郎所長(2013年7月に食道がんで
死亡)は「3月11日の夜から大変なことが起きていて、12日には死ぬと
思った」と証言している。
 政権幹部が4号機のどこからか水が入り爆発を回避できたことについ
て、菅直人首相(当時)は「4号機が爆発していれば東京を含む東日本
は壊滅だった。神のご加護があった」と振り返る。 

.. 2019年07月04日 09:03   No.1691009
++ 小出裕章 (高校生)…52回       
福島「原発安全神話」から「被曝安全神話」へ (その4)
 |  低線量の被曝にもリスクはある
 | 放射能は見えなくても危険は「ある」   (7回の連載)
 └──── 小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)

10.低線量の被曝にもリスクはある

 例えば米国のアカデミーの中に、ベイル委員会という放射線の生物
影響を考える特別委員会があって、その委員会が出した報告書に例えば
こんなことが書いてある。「利用できる生物学的、生物物理学的なデー
タを総合的に検討した結果、委員会は以下の結論に達した。被曝のリス
クは低線量にいたるまで直線的に存在し続け、しきい値はない」
 100ミリシーベルト以下なら安全だ、なんていうものはない。もっと
低くたって必ず危険はあるんだ、というように結論として書いている
わけです。
 (註)しきい値:ある値以上で効果が変わる一定の境界線
 (中略)
 原爆があり、被爆者の研究が出てきて、放射線はもっと危険だという
事が分かり、その後もどんどん許容量が下がってきました。

 一般の人たちにこんな危険なものは許してはいけないということで、
90年には、一般の人は1年間に1ミリシーベルト、職業人は20ミリシー
ベルトと許容量が定められました。
 この20ミリシーベルトの基準は、別に安全だから決めたのではありま
せん。被曝というのはどんなに微量でも危険があります。
 だから1ミリシーベルトだって、20ミリシーベルトだって安全では
ないですが、この国で生きるには、あるいは放射線業務従事者として
働いて給料をもらうには、それくらい我慢すべきだ、といって決められ
たのが現在の基準です。(中略)

 そんな中、福島は今、一般の人たちも1年間に20ミリシーベルトまで
は我慢しろと、帰還しろと、安全だと、日本の国は言っているし、一部
の良心的と言われるような人たちもそんなことを言い始めています。
 しかし、もしその基準に従って赤ん坊が汚染地に戻されれば、31人に
1人はやがて赤ん坊ががんで死んでしまう、それだけの危険を負うとい
うことになります。

.. 2019年07月08日 09:52   No.1691010
++ 小出裕章 (高校生)…53回       
11.放射能は見えなくても危険は「ある」

 「見えないこと」と「ないこと」とは違います。被曝の影響だって、
初めはどうなるか分からなかった。(中略)
 大量に被曝すれば人は死んでしまうことは、すぐ分かりました。でも
低い被曝だったらどうなるかは分からないで長い研究の後、そうだ、
やっぱりがんで死ぬ人たちが出るんだ、それは被曝が少なくても、
出るんだということが分かってきたのです。(中略)

 生命を維持している化学結合のエネルギーに対して、放射線のエネル
ギーは圧倒的に巨大なわけです。そのことを考えれば、どんな病気でも
私は生じると私は思っています。それはこれから研究をすればするだけ
出てくる、今はまだわかっていない、見えない、科学的に立証されてい
ない影響だって、これからどんどん出てくるだろうと私は心配して
います。

 そして本当の事を言うと被曝が安全だなんていう専門家はいない
です。例えば、国なんかはしきりに国連科学委員会はもう大丈夫だと
言っているという風にいうわけですけど(中略)自然に発生するがんと
区別はできない、識別はできないけれども、がんが増加すること自体は
彼らも認めているんです。
 ただ、「見えない」と言っているにすぎない。だけど「見えない
こと」と「ないこと」は違うということを、肝に命じなければいけない
と私は思います。(中略)

 セシウム134の半減期が2年ですので、初めはかなり速やかに
減っていってくれるけれども、これからはセシウム137はあまり
減りません。
 次に、セシウムは物理的な性質だけではなくて、例えば雨で流されて
しまう、地面に浸み込んでいってしまうという効果が必ずあるわけです。
   (中略)
 もし私の考えている代表的なものが合っているとすると、今は事故
直後の約10分の1に汚染が減ってくれている、でもこれからはほとんど
減りません、ということになります。(中略)
 原子力マフィアたちは100ミリシーベルト以下は安全だと言っているわ
けですけど、それすらも超えてしまうという途方もない危険地帯に、
人々を帰そうとしているのです。  (その5)へ続く
  (「DAYS JAPAN」2018年・8月号増刊号より抜粋)

.. 2019年07月08日 09:59   No.1691011


▼返信フォームです▼
Name
Email
ホームページ    
メッセージ
( タグの使用不可 )
Forecolor
アイコン   ICON list   Password 修正・削除に使用