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新緑の季節が過ぎますと緑が鮮やかになります。緑の香りにはストレスを消す効果が秘められていることがわかっています。緑の効用は気分だけでなく、ストレスによる変調を元に戻すホルモンとの関係で裏付けられています。
ラットの手足を縛り心理的ストレスを与えると、血液中で副腎皮質刺激ホルモンが増え続けます。葉緑体がつくる緑の香りの代表物質、青葉アルコールと青葉アルデヒド混合液をラットに30分間かがせてホルモン量変化を調べました。
手足を縛られる前にかがせた場合は効果が無いのに対して、拘束中にかがせるとホルモン量は半減し、拘束2時間後にかがせると拘束を受けなかった状態に戻りました。実験施設で育ったラットは本物の緑に接したことはなく、生まれついての体質らしいです。
野生だった頃は緑によるストレス抑制が働いていて、人間も緑から離れ、都市生活に慣れるようになってそれほど時間が経っておらず同じではないかということです。青葉アルコールは茶の葉から抽出、発見され、森林浴で嗅ぐ匂いは緑の香りと、ヒノキの香りのような香気成分が混ざっており、緑の香り物質には殺菌作用も報告されています。
さわやかに、楽しく健康のためにウォーキングで森林を歩こうと言っても、毎年、伐採や焼畑耕作などで、日本の面積の半分に匹敵する熱帯雨林が消えています。また、北欧、ドイツ、アメリカなどの森林も、工場や自動車排気ガスなどが原因の酸性雨で枯れています。
かけがえのない森林を守る為には、森林の力や特性を十分に理解して、仲良く付き合っていかなければなりません。その意味で、森林浴は人間と自然の関わり森林の大切さを知る貴重な体験といえそうです。
木の香りはこんなことに効きます。ヒノキ:虫歯予防。クスノキ:局所刺激。バラ:血圧低下。マツ:利尿作用。トドマツ・エゾマツ:眠気覚まし。ハッカ:鎮痛。ミカン類:コレステロール系胆石溶解などです。
.. 2019年06月18日 08:36 No.1684001
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