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福島第一原発事故の教訓を忘れ去ること | 老朽炉を60年以上も動かそうと画策する経団連 | 新たな原発支援策を検討する経産省 (その1)(3回の連載) └──── (たんぽぽ舎副代表)
新たな原発支援策を検討する経産省 原発の40年寿命を放棄することは福島第一原発事故をなかったものとし 新たに安全神話を作り出そうとする企み
◎ 4月8日、日立製作所出身の中西宏明経団連会長が、経団連の電力 システム提言について記者会見を行った。 提言の中で、原発の運転期間を現行の最長60年を、さらに延長できるか どうか検討するよう要請している。 また、運転期間を算定する際には、原子炉が停止していた期間を控除 することも要求している。 原子炉等規制法を改正し、運転期間制限を導入したのは福島第一原発 事故の教訓からだが、そこから大きく後退する提言を行った。 その理由は、経済性の悪化が最も大きいと思う。
◎ 経産省は現在、原発の電力に対して新たな補助金を出そうとして いる。キロワットアワー当たり例えば1.9円などと、大きな利益を原子力発 電会社に与えるというもの。電気料金に転嫁されるので国民負担となる。 モデルとされているのは、ニューヨーク州、イリノイ州、ニュージャー ジー州で実施されている「ゼロエミッション・クレジット制度」だ。 つまり排出二酸化炭素量がない(ゼロエミッション)電源であるから 「二酸化炭素排出削減」に貢献する電源として価格に一定額を上乗せする ことが認められる。 しかし発電段階でのみ二酸化炭素排出量が少ないからといって、環境 対策上有効などとは言えない。福島第一原発事故は、どれだけの損害を 生じさせただろうか。
新たな資金支援を原発におこなう理由は、安全対策設備などに巨額の 費用が掛かることから来る。つまり原子力救済策である。 米国でもゼロエミッションクレジットを導入しなければ多くの原発が 閉鎖されると見込まれて、導入されている。
.. 2019年04月16日 08:10 No.1638001
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