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医療機器による被ばく量は結構、大きい。コンピューター断層撮影(CT) 検査は一回で10ミリシーベルト程度被ばくする。低線量でもがんになる リスクがあることを前提に議論している。
原子力規制委員会は昨年10月、原発事故後一週間の被ばく線量の目安を 決めた。自治体が作る住民の避難計画に生かすためだが、その数値は100ミ リシーベルトだった。 (中略) 東大などの研究では、事故後、原発立地自治体の大熊町や双葉町に滞在 し続ければ、最大1,000ミリシーベルトを超える被ばくをしていた。屋内退 避で防ぐのは難しい。今回の目安は、規制委と医学界との間には認識のズ レがあるのではないか、と疑わざるをえない。
◇適正管理はない 厚労省が検討しているのは、適正管理。つまり、メリット、良いことと デメリット、悪いことの比較だ。 立地自治体や周辺自治体の住民にとって、再稼働後、事故で被ばくする リスクに見合うメリットはあるのだろうか。メリットがなければ、受容で きる被ばく量などはないはずだ。100ミリシーベルトの目安は、原子力ムラ にとって都合がよいだけではないか。そうなら、原発が人と共存できない ことを端的に示しているのだろう。 (3月9日 社説)
.. 2019年03月11日 12:01 No.1608003
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