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−結論「原発の事業性は、ない」 | 甚大かつ巨大なリスクであるため…民間の保険が成立していない └──── (城南信用金庫城南総合研究所特別顧問)
原発の再稼働がなし崩し的に進んでいる。 そこで、本稿では原発の事業性(viability:事業として成り立つ可能性)に ついて、「経済産業省総合資源エネルギー調査会・発電コスト検証ワー キンググループ報告書、2015年5月」(以下、「経済産業省報告書」と 略称)を使用して検証する。
第一に、原発事業の保険であるが「甚大かつ巨大なリスクであるため…。 民間の保険が成立していない」(「 」内は、経済産業省報告書64頁からの 引用)。保険が成立していないと言う事は、原発事業はリスクがあまりにも 大きすぎて事業性がない事を示唆している。 第二に、原子力発電コストについては、原発事業の保険が成立していない 等にも拘わらず数値を造り、「10.1円〜/kWh」(「 」内は、経済産業省 報告書12頁からの引用)としている。この「10.1円〜」については、 大きな問題が少なくとも2点ある。
第1の問題点は、原子力発電コストの「10.1円」を各電源コストの中 で最も安いと吹聴し、独り歩きさせている事である。 第2の問題点は、その「10.1円〜」が、「下限10.1円で上限 なし」と受け取れる事である。 因みに、石炭火力・太陽光等の全ての(原子力発電コストを除く)各電源 発電コストは、経産省報告書12頁で「単一発電コスト」表示、又は、「下限 発電コスト〜上限発電コスト」表示であり、「単一発電コスト」表示でない 各発電コストについては全て下限発電コストと上限発電コストが両方明記 されている。
.. 2019年01月29日 08:17 No.1577001
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