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■--書籍紹介
++ 坂東喜久恵 (高校生)…60回          

島村英紀さん (地球物理学者)の 「その2」
 |  明日(11/17)と来週(11/24)の2回「地震活動と噴火」連続講座開催
 |  「その1」と合わせ5冊の書籍は連続講座でもご用意致します
 └──── (たんぽぽ舎)

☆『火山入門—日本誕生から破局噴火まで』
    2015年5月10日発行 NHK出版新書(No.461)
              205頁 新書版 740円+税

 東日本大震災以降、日本各地の火山が活発化している。 最近でも蔵王、
桜島、阿蘇など、多くの火山が活動を活発化させて話題となった。
 そもそも日本は、世界の0.25%しかないわずかな陸地の上に、陸上にある
7分の1の火山が集中している「火山大国」だ。
 各世紀で複数回の「大噴火」が起き、これまで多くの日本人が苦しめられ
てきた。
 しかし、ここ100年ほどは大きな噴火がなく、地球物理学的には「異常な
状態」が続いている。
 はたして、これは日本に壊滅的な打撃を与える「破局噴火」の前触れな
のか。 日本と世界の火山を概観しながら、火山形成から噴火までの仕組
みと「火山大国」に住むうえで知っておきたい火山の驚異を明快に解説
する1冊。

☆『直下型地震—どう備えるか』
  2012年3月20日発行 花伝社 223頁 四六判並製 1500円+税

 直下型地震についていま分かっていることを全部話そう
 海溝型地震と直下型地震  直下型地震は予知など全くお手上げ
 地震は自然現象、震災は社会現象
 大きな震災を防ぐ知恵、地震国・日本を生きる基礎知識
.. 2018年11月19日 08:24   No.1528001

++ 島村英紀 (社長)…391回       
ルーマニアにしか起きない深発地震の被害
 |  プレートが地球の中に入りこんでいる深いところで地震が起きる
 | 警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 その273
 └──── (地球物理学者)

 10月末にルーマニアで深発地震が起きた。地震は遠くウクライナやブルガリア
でも感じられた。幸いマグニチュード(M)は5.7と小さかったので、被害は壁が落
ちたくらいで限られていた。
 しかし、皆が1977年に起きたルーマニア大地震(M7.2)のことを思い出して背筋
を冷たいものが走った。
 当時は独裁者チャウシェスク大統領の時代だったから、被害の大きさは国家機
密だった。死者1700人と報じられたが、じつは多くのビルが倒れて6000人以上が
なくなった大被害だった。

 これらの震源の深さは約100キロ以上もあった。不思議なことに、これらの地震
の被害は震源の上ではなくて、100キロ以上離れた首都ブカレストに集中していた。
震源からブカレストまで伸びているプレートに沿って、強い地震波が上がってき
たものだと思われている。
 一般的には地震がないヨーロッパだが、南ヨーロッパにだけは地震が起きる。
ルーマニアにはアルプスの曲がった尻尾がある。ヨーロッパを押してきているア
フリカプレートがルーマニアの地下まで入っているからだ。
 このため、ルーマニアでは地下でプレートが地球の中に入りこんでいる深いと
ころで地震が起きる。

 世界では浅い地震が起きなくて、この種の深発地震だけが地震を起こしている
ところがルーマニアのほかに2ヶ所ある。インドの北西にあって7000メートル級
の高山が連なっているヒンズークシュと南米コロンビアの北部にあるブカラマン
ガ地域だ。
 これらの場所では、潜り込んでいったプレートがちぎれて地下深くにあるとこ
ろが地震を起こしている。いずれの場所でも、地震は浅いところには起きなくて、
100〜200キロの深さのところだけで起きている。


.. 2018年11月20日 08:46   No.1528002
++ 島村英紀 (社長)…392回       
 ルーマニアの地下で地震を起こしている場所は東西8キロ、南北4キロしかな
い。プレートの一部だけのごく小さなところだ。ルーマニアのように深い地震で、
しかも遠いところに被害が集中するのは珍しい。
 日本のようにプレートが押されて潜り込んでいくところの全部で地震が起きる
わけではない。日本では、深さでは0キロから750キロのところまで地震が起きる。

 1977年のルーマニア大地震のときには、ブカレストにあった古いビルの1階を
ショールームにするために改造したところの被害が目立った。壁を抜いてガラス
張りにしたのだ。今風の言い方ではピロティ形式だ。1階が弱いこの種のビルは
地震が来るとビル全体が倒壊してしまう。

 だが、ルーマニアの地球物理学者によれば、ルーマニアには、ビルを建てると
きの耐震基準が、いまだにとても甘いのだという。一般住宅には耐震基準はない。
 私が最近ルーマニアを訪れたとき、ブカレストの繁華街で見たビルの新築現場
では、なんとも柱が細いのが目立った。それだけではなく、3階部分の柱は、2
階以下の階につながっていない。つまり、積み木のような造りなのである。
 また悲劇がくり返されなければいいのだが・・。

.. 2018年11月20日 08:55   No.1528003
++ 柳田 真 (社長)…370回       
地震・火山の学習に好適の本(紹介)
 |  『富士山大爆発のすべて−いつ噴火してもおかしくない』
 | 島村英紀さんの著、11月24日(土)午後、学習会です
 └──── (たんぽぽ舎)

1.島村英紀さん(地球物理学者)は筆達者な人だと思う。かなりの数の
本を書いてみえる。わかり易い内容の本が多い。
 この『富士山大爆発のすべて−いつ噴火してもおかしくない』も読みやす
い本だ。電車の行き帰りでかなり読めた。
 5章で富士山の三大噴火の歴史(800年延暦、864年貞観、1707年宝永)
が述べられている。
 8章で破局噴火、そして原子力発電所を持つ「無謀」が述べられている。
 さて、私たちは未曽有の危機に備える時間はあるか?
 原発廃止の実現は噴火の前にできるのかどうか。

2.本の内容は1章から8章まで。各章は10位の節に分かれている。

第1章 不十分な富士山の監視
第2章 もし富士山が噴火したら
第3章 火山の成り立ち
第4章 日本人が見なかった富士山の過去
第5章 日本人が見た富士山の過去
第6章 富士山最後の大噴火は300年前の宝永噴火
第7章 噴火予知は難しい
第8章 破局噴火・そして原子力発電所を持つ「無謀」

      2016年9月25日発行 花伝社 209頁 四六判並製 1500円+税

 ※11/24日(土)島村英紀さん連続講座第2回にご参加を!
  「日本列島の最近の地震活動と噴火〜大噴火が少なすぎる近年の日本」

 講 師:島村英紀さん (地球物理学者)
 日 時:11月24日(土)14時より16時15分
 会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
 参加費:800円

.. 2018年11月26日 11:57   No.1528004
++ 島村英紀 (社長)…393回       
韓国で集団訴訟「地震は地熱発電のせい」
 |  大量の水が地下で断層に圧力をかけて地震を誘発したもの
 |  警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 その274
 └──── (地球物理学者)

 この10月、韓国で市民が政府などを相手取って集団訴訟を起こした。
といっても、話題の徴用工や慰安婦の話ではない。
 地熱発電が地震を起こして被害を生んだと訴えた訴訟である。市民が地熱
発電を提訴したのは韓国では初めてだ。
 地震は、2017年11月に韓国南部で起きた。マグニチュード(M)は5.4。韓国
で地震観測が始まって以来、二番目の大きな地震だった。

 地震は人口が集中している地域を襲った。家屋が倒壊するなどして92人が
負傷し、被災者は1800人、被害額は332億円にものぼった。
 浦項(ポハン)地熱発電所は韓国南部にあり、韓国政府の肝いりで地熱発
電実用化研究開発事業として推進されてきた。資源開発業者のネクスジオと
鉄鋼大手ポスコ、韓国水力電子力、韓国地質資源研究院などが参加している。

 地下深くの岩石に高圧の水でひびを入れてそこから出た蒸気でタービンを
まわす発電方式だ。このために地下4キロ以上の穴を2本堀った。一方に水
を注入し、地熱で加熱し、発生した水蒸気を別の穴から取り出す。
 2016年6月に試運転を開始し、2017年12月から商業運転に入る予定だった
が、その直前に地震が起きた。震源は地熱発電の穴から600メートルしか離れ
ていなかった。

 原告側が出した仮処分申請が裁判所で認められ、現在は稼働を中断して
いる。
 この裁判の原告には市民71人が加わった。地震で被害を受けた市民の精神
的被害に対する慰謝料として、1人当たり1日500〜1000円を5年間にわたり
支給するよう求める内容である。
 韓国は日本とちがって、プレート境界から遠く、地震がほとんどない。
 だが、この地熱発電所が運用開始以降、それまでは観測されることのな
かったM2以上の地震が何回も起きた。そして、M5.4が起きて被害を生んで
しまった。

.. 2018年11月26日 12:06   No.1528005
++ 島村英紀 (社長)…394回       
この作業で利用した大量の水が地下で断層に圧力をかけて地震を誘発した
ものだと考えられる。
 このほか地熱発電が誘発した地震は過去にもオクラホマ州などの米国や
スイスで起きている。

 2006年にスイスのバーゼルで地熱発電所を稼働中、M3.4の地震が起きた。
スイス政府は2009年に発電所の稼働が地震の原因だとする結論を下した。
発電所は被害住民に約1010万円の和解金を支払った。韓国の地震のエネル
ギーはスイスの地震よりも1000倍も大きく、地熱関連では世界最大だった。
 日本には地熱発電所が38ヶ所あり、これから規制が緩くなって増える趨
勢だ。他人事ではない。ところが、日本ではふだんから起きる地震のレベル
が高いので、この種の「人造地震」が区別できにくい。

 石油や石炭に頼らないから化石燃料を使わないうえに二酸化炭素を出さな
いし、太陽光や風力のように天候や日夜に左右されない新発電の「期待の
星」、地熱発電。
 だが、地震という思わざる副作用があったのだ。

.. 2018年11月26日 12:15   No.1528006
++ 島村英紀 (社長)…395回       
“高等生物”がいるかもしれない太陽系外惑星
 |  恒星「バーナード星」の惑星(光の速度で6年の距離)
 |  警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 その275
 └──── (地球物理学者)

 10月の末に、NASAのケプラー探査機が役目を終えた。10年近く観測し
てきたが燃料が尽きたのだ。
 この探査機は太陽系外の惑星探査で多くの業績をあげてきた。なかでも、
太陽系の外にある恒星の多くは、その周囲を回る惑星があること、そのうち
約5分の1が地球に似た大きさや軌道をもつことが分かった。
つまり惑星は恒星が作られたときのよくある産物だということを、ケプ
ラー探査機のおかげで分かったのだ。
 なぜ「太陽系外惑星」が研究の焦点になっているのだろう。それは私たち
人類のような高度の生物が太陽の一惑星、地球だけにたまたま生まれたのだ
ろうかという根元的な疑問に答えるためだ。

 かつては地球上の生命は特別な偶然が揃ってはじめて出来たと思われて
いた。
 しかし現在では、水があり、温度も地球のようなところでは生物が生まれ
ることが分かってきている。つまり、地球上の生物は、生まれるべくして生
まれたものだということになった。
 だとすれば、この広い宇宙に地球のような惑星があって地球とは別に生命
が生まれたとしても不思議ではない。はじめは原始的な生物でも、時間がた
てば進化して高等生物が生まれる可能性も否定できないのだ。
 ケプラー探査機の寿命は尽きたが、太陽系外惑星の研究が終わったわけで
はない。地球上からの観測は大気に邪魔されて不可能だが、探査機や人工衛
星を使った研究は続けられている。

 米国・カーネギー研究所などの研究チームはこの11月、地球から6光年の
位置に、生命があるかも知れない地球型惑星を発見したと発表した。太陽に
近い恒星「バーナード星」を周回しているという。
 これまでに見つかった太陽系外惑星の中では、恒星「プロキシマ・ケンタ
ウリ」を周回する惑星の4.2光年に次ぎ、2番目に地球に近い。
 

.. 2018年11月26日 15:24   No.1528007
++ 島村英紀 (社長)…396回       
その後、プロキシマ・ケンタウリが2017年に巨大な爆発を起こしてフレア
を出したことが観測された。太陽で起きた最大のフレアよりも10倍も大きな
ものだ。
 フレアとは星の磁場が急激に変化して電子を加速することで起きる。電子
はプラズマガスと衝突し、エックス線から電波までの広い波長域にわたって
爆発を起こすのだ。
 プロキシマ・ケンタウリは、出来てから今回観測されたようなフレアが
何度も起きたと考えられるようになった。恒星のフレアによって、惑星に
大気や海があったとしても蒸発してしまった可能性が大きい。

 このため、今回のバーナード星の惑星が、生命が存在する可能性がある、
もっとも近い太陽系外惑星になったわけだ。
 6光年といっても、光の速度で6年分だ。現在の宇宙船技術では到達する
のに約5万年かかる。だが宇宙物理学者の故ホーキング博士らは、光速の5
分の1の速さで飛行し、この恒星系に30年程度で到達できる超小型探査機を
開発する計画を発表した。
 「近い未来」に私たちが見たこともない高等生物に遭遇することになるの
だろうか。

.. 2018年11月26日 15:39   No.1528008
++ 事故情報編集部 (幼稚園生)…4回       
地震・火山の学習に好適の本(一部を抜粋して紹介)[島村英紀]著
 |  『富士山大爆発のすべて−いつ噴火してもおかしくない』 その2
 |  「大噴火」や「カルデラ噴火」、「大地震」が避けられない狭い国で
 |  放射性廃棄物を数万年の単位で管理しなければならない
   核燃料を扱うことはなんとも無謀
 

第8章 破局噴火・そして原子力発電所を持つ「無謀」
 8節 原子力発電所にとって噴火は大問題

 マグマと原子炉が接触する日

 原子力発電所にとって噴火は大きな問題である。100年ごとに4〜6回
起きてきた「大噴火」はこの100年ほどは起きていないから忘れている日本人
も多いが、また日本を必ず襲って来る噴火である。
 100年ぶりの「大噴火」にどこかの原子力発電所が襲われる可能性は、日本
のどこになるかは分からないが、けして低くはない。
 噴火が起きて停電や断水が起きたときに、福島原子力発電所で起きたよう
な電源喪失による事故がまた起きないという保証はない。しかも小規模の噴
火ならいざ知らず、大規模な噴火となれば、被害の範囲も規模もずっと大き
くなる。
 前に述べたように、約9万年前に起きた阿蘇山のカルデラ噴火では、火砕
流が瀬戸内海を越えて中国地方まで襲った。このときの火山灰は北海道まで
の日本全国を襲ったことが分かっている。
 つまり、もしカルデラ噴火が起きれば、全国的な災害になる可能性が高い
のだ。カルデラ噴火は、前に述べたように、文明が途絶えるほどの規模の
噴火になることがある。かつて世界のこの種の噴火が文明を途絶えさせ、
世界中に影響したことも知られている。(P198〜199)

 10節 地球物理学では10万年先まで大地震や大噴火が起きないとは言えない

 日本はリスク大国

前半略
 これからも「大噴火」や、「カルデラ噴火」、そして大地震が避けられな
い狭い国で原子力発電所を持ち、そこから出る放射性廃棄物を数万年の単位
で長期間にわたって管理しなければならない核燃料を扱うことはなんとも
無謀なことに見える。(P205)

『富士山大爆発のすべて−いつ噴火してもおかしくない』島村英紀著
2016年9月25日発行 花伝社 209頁 四六判並製 1500円+税

.. 2018年11月29日 08:23   No.1528009
++ 今井孝司 (高校生)…50回       
火山には文明を途絶させ得る「カルデラ噴火」等の恐ろしさと
 |  温泉等の「恩恵」の二面性がある
 |  11/24島村英紀さん講演「大噴火が少なすぎる近年の日本」に
 |  参加して
 └──── (地震がよくわかる会)

○はじめに

 先週11月24日(土)、島村英紀さん講演「日本列島の最近の地震活動と
噴火 その2 大噴火が少なすぎる近年の日本」に参加された方、お疲れ様
でした。
 お忙しい中来ていただいた島村さんもありがとうございました。
 講演は「スペースたんぽぽ」で行われ、会場はほぼ満席でした。
 島村さんの講演は多数のパワーポイント資料により行われ、あっという
間の約2時間半でした。
 中味の詳細は後日、「地震がよくわかる会」のHP
こちら にアップする予定ですが、今回はレジュメの
小見出しを紹介したいと思います。

 ・日本の地震や火山はプレートが起こす
 ・日本にある二つの火山帯
 ・日本を襲った過去の噴火
 ・文明を途絶えさせた「カルデラ噴火」
 ・いままでが「静かすぎた」日本
 ・富士山の宝永噴火は宝永火山の49日後だった
 ・地震予知や噴火予知の難しさ
 ・プレートや火山の「恩恵」
 ・地震国・火山国に住む「覚悟と知恵」

 私が特に印象深く感じた話は、水分を大量に含んだ太平洋プレートがユー
ラシアプレートにもぐりこみ、ある深さ(90〜130km)で、上面が溶けてマグ
マが生まれ、それが、マグマだまりとなり、その上部に火山を形成、結果
的に東北地方に火山フロント(前線)というべき火山列を形成しているとい
う話と、火山は災害をもたらすだけではなく、温泉等の恩恵を対に考える
ことが大事だという話の2点でした。

○東北地方の火山フロント上の火山を高速バスから望む
 今回、私が東京から青森へ帰宅するさいに、高速バス(夜行バスではなく
昼行バス)を使用したのであるが、この路線は上記の火山フロントにほぼ
沿って走るため、7つほどの火山を望むことができた。
 島村さんの著書「完全解説 日本の火山噴火」を参考に、簡単に現在の
各火山の状態を紹介してみたい。なお、以下のSA、PA、ICは全て東
北自動車道のものである。

.. 2018年11月29日 08:56   No.1528010
++ 今井孝司 (高校生)…51回       
(1)安達太良山:標高1728m:常時観測火山
 安達太良SA付近で望める。水蒸気噴火以外に火山ガスによる被害も発
 生しており、2001年には新たな噴気孔が見つかる。
(2)吾妻山:標高1949m:常時観測火山
 吾妻PA付近で望める。標高2000m級の火山が連なっている山脈なので、
 吾妻連峰とも呼ばれる。噴火警戒レベルは一度「2」に引き上げられた
 が、現在は「1」に下げられている。
(3)蔵王山:標高1841m:常時観測火山
 蔵王PA付近で望める。火山性地震、噴煙、蒸気、火山鳴動、湖水の
 変色、温泉の異常など、火山活動は断続的に続いている。
(4)栗駒山:標高1627m:常時観測火山
 金成PA付近で望める。火山の鳴動があったり温泉の成分が変わったり
 白濁するなど、火山活動が活発化した状態が観測されている。
(5)岩手山:標高2038m:常時観測火山
 岩手山SA付近で望める。前兆現象による噴火予知が成功しなかった火山
 として、地球物理学者には有名な火山。2011年以降、噴気活動が継続して
 いるため、注意が必要だ。
(6)岩木山:標高1625m:常時観測火山
 大鰐弘前IC付近で望める。比較的新しい火山である。1年中、観光地
 としてにぎわっている火山ではあるが、活火山に近づいていることを忘
 れてはいけない。
(7)八甲田山:標高1585m:常時観測火山
 青森市街に入る直前の奥羽本線と交差する陸橋上で望める。八甲田山は
 青森市の南側にある複数火山の総称である。有史以降の噴火の記録はな
 いが、火山性地震はよく起こる。また八甲田山は火山ガスの影響が大き
 い特異な火山であり、死亡事故がたびたび起こっている点も要注意だ。

○おわりに
 最後に火山の「恩恵」の例として、自宅前にある八甲田山中にある酸ヶ湯
温泉を挙げておきたい。
 総ヒバ造りの千人風呂が有名だ。300年の歴史を有する湯地場である。
500人を収容できる宿泊機能がある。国民保養温泉地第一号に指定されたと
のことである。温泉名にあるとおり、泉質は酸性が非常に強い(pH1.9)、
ちょっとした擦り傷があるとかなりしみるが、効能は抜群だ。
 周辺住民に300年間十分な「恩恵」を与えたのは間違いないことだろうと
思う。

.. 2018年11月29日 09:12   No.1528011


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