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プルサーマル計画の推進に走っていることが さらなる原子力の危険性を拡大 恣意的で非科学的な「基準地震動」の決め方 (たんぽぽ舎副代表)
活断層とは、最近の地質時代に繰り返し活動し、将来も活動することが推定さ れる断層。「新編日本の活断層」では、第四紀(約200万年前から現在までの間) に動いたとみなされる断層を活断層と定義している。 しかし原子力の世界では「耐震上考慮すべき活断層」として遡る年数が恣意的 に決められてきた。 最初は5万年(科学技術庁)が、その後12万~13万年(保安院)、現在では最 長40万年(規制委)へと変わってきた。そこに科学性はない。 現実に原発はその間も、活動した断層により繰り返し基準地震動を上回る揺れ に襲われている。地震が軽視されてきたからだ。 この結果、今ある原発はすべて設計、建設時に想定された基準地震動は見直さ れ、大きくなっている。 しかし後追いで数値が上がっても原発の基本構造は変わらない。そのため「裕 度」と呼ばれる「安全余裕」を食い潰して原発は建っている。すべての原子力施 設は、この点で既に失格である。
1.伊方原発訴訟
四国電力伊方原発3号機の運転を差し止めた広島高裁の仮処分決定について、 広島高裁は9月25日、四電の異議を認め決定を取り消した。差し止めの法的拘束 力がなくなったことで10月27日に3号機の運転を再開すると四電は発表している。 異議審での争点は伊方原発から約130キロ離れた阿蘇山の噴火リスクだった。差 し止めを認めた昨年12月の広島高裁の決定では「阿蘇山の噴火により火砕流が敷 地に到達する可能性が十分小さいとは言えない」とし立地不適当と判断した。 ところが異議審では、火山に関する原子力規制委員会の審査内規である「火山 ガイド」が噴火の時期や程度を「相当程度の正確さ」で予測できることを前提と している点を「不合理」とした一方、阿蘇山の破局的噴火については「頻度は著 しく小さく、国は具体的な対策をしておらず、国民の大多数も問題にしていない」 などと指摘した。
.. 2018年10月29日 11:27 No.1514001
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