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トリチウム汚染水の海洋への放出については反対です。安全な陸地に保管するべきで、その費用はオスプレイ3機分の金額300億円位で建設できます。石油危機の時に、備蓄用に作った大型タンク10万トン級、1基約30億円を10基作れば、汚染水を全部入れても十分に間に合います。立派な技術をすでに40年前に日本国は持っているのです。
トリチウム汚染水は害がないと原子力推進派はいいますが、それは大きな嘘でしょう。原発の安全神話と同じことを言っているのです。トリチウムの半減期は約12年です。100年経てば、放射能はほとんどなくなります。300億円のお金は東京電力福島第一原発の「凍土壁」と同じ費用です。
トリチウムが出すベータ線は、体内では10ミリしか飛ばないのですが、飛ぶ速さは、非常に速い。細胞の大きさは0.01ミリなので1000個の細胞を突き抜けていくので細胞は傷つくのです。また、細胞の中にある遺伝子の中に入り込み、放射線により遺伝子そのものを傷つけてしまいます。
遺伝子は修復されますが、修復に失敗する場合があり、修復に失敗した遺伝子は異常な遺伝子となり、やがて癌になります。放射線は、体内の分子にぶつかり、分子をバラバラにして、活性酸素を作り出します。活性酸素は毒で、細胞膜を破壊していきます。
泊原発は、過去25年間で570兆ベクレルのトリチウムを海へ捨て、煙突からは、トリチウムガスとして空へ放出しています。空に放出された量を北海道電力は測定していません。海へ捨てたトリチウムは、約40%は蒸発し、トリチウムガスとなり、その半分の約20%は海岸へと排出されています。
海からと煙突からのトリチウムガスは、風で沿岸、内陸部に運ばれ、空気中でトリチウム水となり、雨に混じって降っています。癌が多発の沿岸の泊村、寿都町、岩内町、島牧村をはじめ内陸の町村で、トリチウムの雨が降り、住民は、長年、放射性物質を吸い込んで内部被曝しているのです。
1トンの汚染水からトリチウムを取り出すのに、2000万円かかります。福島第一原発では、汚染水が73万トン、トリチウムは750兆ベクレルあり、トリチウムを取り出すとなると13兆円かかるので、海に捨てようという計画なのです。
北海道癌センター名誉院長の西尾正道氏
.. 2018年10月12日 09:41 No.1503001
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