|
インターネット上の記事を読んでいて、残心という言葉について書かれていました。日本の武道などで用いられる言葉で残身や残芯とも書かれており、文字通りに読めば心が途切れないように意識して、技を終えた後も注意を払う様子を指しています。言い換えれば気を抜かず、美しい所作の継続ということになるのでしょうか。
私は小さい頃から父と同志であった大山倍達先生から空手を教えていただきました。山形県にある西山農場では、石原莞爾将軍と50名ほどの東亜連盟同志たちが、共同生活をしていました。その中には初代極真会館館長大山倍達に空手を教えた曹先生のような朝鮮半島出身者がおり、曹先生と弟子である大山倍達も一緒に鍬を握りました。
集落長の武田邦太郎先生(前参議院議員)もいました。もちろん私の父もここで空手の修行をして同じ釜の飯を食べていました。大山倍達は、曹の許で民族運動に挺身し、東亜連盟の青年部会にも参加していたのですが、米兵相手300人以上にパンチを食らわせ、東亜聯盟から距離を置き、単身でアメリカに渡り、ニューヨークではピストル相手の暗黒街のボスに一撃を食らわし、FBIの格闘の師範をしていたのです。
より強い男を求めて、タイのキックボクシング、バリ島のカマキリ拳法、インドのヨガ格闘技、韓国の借力、中国拳法、ロシアのサンボ、フランスのサパーディ、ブラジルのカポエラなどすべてのチャンピンに試合を申し込んで百戦錬磨でした。人間以外には、虎・熊・牛とも戦っているのです。
極真会館は世界的な巨大組織となり、空手界の中でも異彩を放つ存在となりました。それもまた、石原莞爾の遺産の一つと言えないこともありません。空手は、組み手などの勝負で勝敗が決まりますが、指導されたのが、「残心を大切にしなさい」です。級や段の試験の際には、もちろん型も関係するのですが、組み手での残心は大切です。
道場に入るときから、組み手のときもきっちりと自分の放った拳や蹴りの行く先を見届けてから、元の姿勢に戻り、勝負が決したら一礼して道場を退場するまでの所作の美しさに重きをおくことも大事だということです。極真空手には間合い、スピード、機敏、技、胆力、勇気、これらすべてが統一された総合力が勝負を決するというものです。
.. 2018年10月09日 12:15 No.1500001
|