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負担と犠牲が前提の原子力防災対策 原子力災害対策を自治体に丸投げ 原子力事業者は公衆の安全を守れ (その1)(2回の連載) (原子力民間規制委員会・東京)
日本原子力発電の所有する東海第二原発(茨城県東海村)は現在、原子力規制 委員会の設置変更許可が下されるかどうかという段階にきている。たとえそれが 許可されても、運転開始後40年となる今年11月27日までに運転延長の認可と、工 事計画の認可が必要で、その後、茨城県と周辺6市村の同意も得なければならな い。地元茨城県内では、すでに6割を超える自治体で運転延長に反対する意見書 が採択されている。首都圏でも「とめよう!東海第二原発 首都圏連絡会」が5 月に結成され、各地で活発な運動が展開されている。
1.原子力災害対策を自治体に丸投げ
いざ原発事故発生というときに備えて、原発から30km圏内の自治体に原子力防 災計画の策定が義務付けられている。 東海第二原発は日本一人口密集度の高いところに立地している(30km圏内に 100万人)。福島第一原発事故の経験から、実効性のある避難計画をつくることは、 ほとんど不可能だ。
事故が起きれば首都圏壊滅もありうる。巨大なリスクに目をつぶり、ひたすら 既定路線をゆくというのは、旧日本軍と同じメンタリティなのだろう。国策とい う名の自滅への道を、私たちは阻止しなければならない。
9月1日に水戸で開催された「東海第二原発再稼働STOP!茨城県大集会」 で、東海村の特別養護老人ホームを経営する伏屋淑子さんは、「原発事故になっ たら高齢者は逃げられない。スタッフには逃げてもらう。行政は迎えに来るとい うが、介助者なしでは車に乗せられない。逃げられない人がいるのになぜ再稼働 するのか」と訴えた。
また、同日夜に開催された「再稼働阻止全国ネットワーク全国相談会in水戸」 で、東海村村議の阿部功志さんは、「広域避難計画を自治体が作れと丸投げする 政府は無責任。規制委は避難計画を再稼働の審査対象とすべき。そもそも、なん で住民が避難しなければならないのか!」と、無理難題を押し付けられる自治体 側からの声をあげた。
.. 2018年09月25日 09:47 No.1491001
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