|
東海第二原発(茨城県東海村)の本質的問題 (その6) | 応力腐食割れ(Stress Corrosion Cracking,SCC)など老朽化で破損 | 炉内構造物も配管も応力腐食割れで壊れてゆく └──── (たんぽぽ舎副代表)
7.応力腐食割れ(Stress Corrosion Cracking,SCC)など老朽化で破損 炉内構造物も配管も応力腐食割れで壊れてゆく
◎ 東海第二原発の炉内構造物の内、原子炉圧力容器の真ん中付近にあるシュラ ウド(※)には多くのひび割れが発生している。 このひび割れは今回の規制基準適合性審査においても考慮したはずだが、問題 がないとされた。「維持基準内」のひび割れとの評価だ。
◎ しかし亀裂のある構造物をそのままにすることは問題が多い。 例えば大きな地震を想定すれば、亀裂が進展して破断する可能性は亀裂が無い 場合に比べて大きくなる。その評価は基準地震動で行われているが、もっと大き な揺れも想定しなければならないし、さらに20年間にわたり亀裂が進展すること も考えなければならない。 あまりにも不確実性が高いのだが、それでも亀裂を残したまま再稼働しようと している。
◎ 応力腐食割れとは、材料と環境と応力の組み合わせで発生する。 材料とは金属材料中の不純物の量が影響する。具体的には炭素である。炭素含 有量の大きい材料は応力腐食割れに弱いが、これを対策していたとしても、溶接 に使用した材料も問題がある。インコネル600という材料は応力腐食割れに弱いと されるが東海第二原発で使用している。
◎ 環境とは水に含まれる酸素や水素、混じり込む塩素などが影響することを意 味し、BWRの場合は応力腐食割れ対策として水素を添加している場合がある。 また塩素は海水の漏れ込みによっても侵入するが、海水冷却を行う日本の原発 は極めて不利な状況にある。
◎ これに加え応力つまり引っ張りの力が掛かることでひび割れが進展する。引 張応力の代表格は製造時の溶接による残留応力だが、東海第二原発のように古い 原発の場合は、中性子照射による照射脆化、あるいはECCS緊急炉心冷却装置 の作動に伴う熱応力なども考えなければならない。
.. 2018年08月07日 08:51 No.1461007
|