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なぜ、被害者が因果関係を立証しなければならないのか? | 誰のための原子力損害賠償法なのか! └──── (あらかぶさんを支える会)
あらかぶさん裁判とは、福島第一原発の収束・廃炉作業に従事し、被ばくによ る急性骨髄性白血病の労災認定を受けた原告のあらかぶさん(ニックネーム)が、 労災補償で補われない被害に対して、原子力損害の賠償に関する法律(原賠法) により、責任を有する原子力事業者が損害賠償を行うべきであると、東電および 九電を訴えた裁判である。
◎被告は原告の因果関係の立証責任を主張
7月6日、第8回口頭弁論が行われた。10時から東京地裁前情宣、11時から 103号大法廷で開廷し、被告九州電力と東京電力からの準備書面および書証の確認、 裁判長からは「前提事実」の改定案が出された。 今回、一つ異例なことがあった。裁判長が冒頭いきなり「合議するので一旦退 席します」と告げて裁判官3人が退席し、直に戻り「申し訳ございませんでした」 と言って淡々と裁判を開始し、裁判の最後に「空席があるようですね。次回もこ の法廷ですが…」と一言あり、「法廷秩序」ということもあると述べたことは、 不可解だった。
裁判終了後、衆議院第二議員会館で報告集会が行われた(約70名参加)。まず、 木下徹郎弁護士が、被告準備書面について解説した。 九州電力は、過去の岩佐嘉寿幸さん訴訟や長尾光明さん訴訟の判例を引いて、 1.原子力損害賠償法(原賠法)に基づく賠償請求でも、因果関係の存在につい ては、被害者に立証責任がある、 2.本件で提出された医学的知見は証拠価値が低く、事実的因果関係を認定する ことはできない、 3.労災認定基準は妥協の産物であり、業務起因性が肯定されたからといって直 ちに事実的因果関係が肯定されているわけではない、と主張。 東京電力は、京都地裁訴訟における専門家証言や放射線影響協会の「低線量放 射線による人体への影響に関する疫学調査(第5期)などを引用し、これまでの 主張を補強している、と報告した。
.. 2018年07月12日 08:36 No.1446001
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