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うまみ調味料というのは、少し前まで化学調味料と呼ばれていた物のことです。おそらく「=ケミカル」という表現を嫌ってメーカーが呼び方を変えてきたのだと思いますけれど、なかなか定着しません。やはり化学調味料と呼んでいる人のほうが圧倒的に多いような気がします。飲食業界ではこの化学調味料のことを「グルソ」と呼んでいます。
「グルタミン酸ソーダ」の略です。かなり高級な京都の老舗の料理屋や、大阪の有名な和食料理店などでも使われています。グルソなど使わなくても十分おいしい料理を提供できる技術のある店です。「なぜ?」と疑問に思うかもしれませんが、要するに消費者の好みに合わせているのです。
業界ではよく言われているのですけれど、グルソを使うと独特の味が出るのです。それをうまみと言っていいかどうかは疑問です。私は好きではないのですが、多くの人の舌がその化学調味料の味に慣れてしまっているために、逆にその味がしないと客の満足度が低くなるのです。
客の嗜好に合わせるためにわざわざグルソを使う料理店もあるということです。残念なことに、最近ではイタリアンでもグルソを使う店があります。中華はもともとほとんどの店が使っています。使っていない店では往々にして、「うちでは化学調味料を使っていません」と表示してあります。
きちんとスープを何種類も取る本格的な中華なら、化学調味料を使う必要もないのです。ラーメン屋などでは、白いグルソの粉がボールに入れてあって、それをチャン玉というお玉ですくって大量に料理を入れています。ラーメンのスープには、丼ごとに小さじ三杯ぐらいで入れています。これはかなりの量です。
グルソを使うか使わないかは店の考え方ですし、それをおいしいと言って食べる客がたくさんいる以上、否定はできないと思うのです。普通に考えれば、ある種のアミノ酸ばかり突出した量を摂るのはアミノ酸バランスを崩すという意味でいいことではないのですけれども、それが身体に悪いという事を医学的に立証するのはかなり難しいかもしれません。
例えば、アメリカで一時期、中華料理店で食事をした後に不調を訴える客が多発して問題になったことがあります。その症状は「中華料理店症候群(チャイニーズ・レストラン・シンドローム)」「グルタミン酸
.. 2018年06月26日 10:54 No.1435001
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