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大地震の予兆? 不気味な「スロースリップ」発生 M5級が頻発
不気味なシグナルだ。今年に入って千葉県東方沖や、銚子市など同県北東部で マグニチュード(M)5程度の地震が相次いでいる。 政府の地震調査委員会が、東方沖で起きている地殻の異変をキャッチし、11日 に警告を発したところ、12日早朝、いきなりその東方沖をM4.9の揺れが襲った。 この異変、「スロースリップ」と呼ばれ、東日本大震災の発生前、東北沖でも起 きていたという。注意してもしすぎることはない。
不穏な現象は地震調査委員会が11日に開いた会合で発表された。GPSなどの データを基に地盤を分析した結果、千葉県東方沖やその周辺で、海側のプレート が陸側のプレートの下に沈み込み、プレートの境界がゆっくりとずれ動くスロー スリップが起きていることが判明。地震調査委は、今後の地震活動に注意するよ う呼びかけた。 その矢先の12日午前5時9分ごろ、東方沖を震源とする最大震度3の地震が発 生。震源の深さ約20キロ、M4.9と推定され、東京都千代田区や横浜、さいたま市 など都市部でも揺れが観測された。
地震学会では、スロースリップを「ぬるぬる地震」などとも呼び、地殻がずれ た部分はひずみが減るが、周辺は逆にひずみがたまり、地震が起きやすくなると 考えられている。数日間で起きる場合や数カ月から数年かかる例がある。 不気味なのは東大地震研が、東日本大震災について、発生前に東北沖でスロー スリップが連続して起き、ひずみが震源に集中して本震が誘発された可能性があ るという研究結果を過去、まとめていることだ。
本紙で「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」(木曜)を連載する武蔵野学 院大学特任教授の島村英紀氏は、「スロースリップが大地震になった例は世界中 ではまだない」とする一方、「将来、起きる大きい地震の準備活動ではないかと 考える学説がある」と解説する。 地震学会での見解は分かれているものの、「そもそも千葉県沖は、フィリピン 海プレートと北米プレート、東の方から太平洋プレートの3つがきており、もと もと地震が多い。首都圏に影響を及ぼす大地震が起こることもある」と島村氏。 備えだけは万全にしておきたい。
.. 2018年06月18日 09:17 No.1426001
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