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■--浪江町長の体調不良による辞職について
++ 渡辺悦司 (大学生)…71回          


   原発事故放射能が胃がん発症・進行を促した可能性
 | 福島での健康被害は決して「風評」ではなく「実害」である
 └────  (市民と科学者の内部被曝問題研究会)

 福島県浪江町の馬場町長(69歳)が体調不良のため今月末付で辞職することが
決まりました。
 毎日新聞、東京新聞、日経新聞、産経新聞などの各紙が報道しています。
 私が知ったのはNHKの9時のニュースですが、そこでも流れました。

https://mainichi.jp/articles/20180613/k00/00e/040/216000c
こちら
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20180613/6050001418.html

 馬場町長は、事故時には健康上の問題はなく、事故後2013年に胃がんの手術を
受けたそうです。
 2017年3月末に、浪江町の一部地域の避難指示が解除された後、浪江の自宅に
戻ったとのことです(浪江町ホームページ)。
こちら

 今日の報道では、その後、9ヵ月経った2017年12月に、体調が悪化したそうで
す。りま
 これらのことだけからも、原発事故放射能が胃がんの発症あるいは進行の加速
と因果関係がある可能性が示唆されます。
 それだけでなく、年間20mSvレベルの避難解除地域に帰還することが、個人の健
康にどれほど危険なことであるかを明らかにしているように思われます。
帰還政策を先頭に立って進めている人々自身にとってさえ、危険なのです。
福島での健康被害は、決して「風評」ではなく、「実害」であると、はっきり言
うことができます。
.. 2018年06月15日 08:44   No.1424001

++ 山崎久隆 (社長)…774回       
トリチウム汚染水を海洋投棄しないで  (「その1」)
 |  核の汚染を拡大してはいけない
|  100年貯蔵をすれば線量率は6%程度にまで下がる
 └──── (たんぽぽ舎副代表)

1.「トリチウム汚染水海洋放出」を迫る原子力規制庁と抵抗する東京電力
  しかし、トリチウムの環境や健康への影響などは一切話題になっていない

◎ 福島第一原発事故の汚染水を巡り、こんな事態が進行中だ。
 5月30日に開かれた規制庁の臨時会合で、東電の小早川智明社長と規制委との
間で福島第一原発の廃炉の進め方などの「意見交換」(電力各社トップから事故
対策などを聞き取る定期的な取り組みの一環とされる)が行われた。
 最大のテーマは、「アルプス」などで浄化後に貯蔵されているトリチウム(三
重水素)汚染水約85万トン(2018年2月現在)の処分方法。

◎ 更田豊志委員長は東電に「主体的な判断」を行うよう求めた。その判断とは
「薄めて海洋放出」。つまり「早く海に捨てよ」と迫った。更田氏は汚染水を
「基準値以下に希釈して海洋放出するのが唯一の選択肢」との見解を持っている。
 これに対し小早川社長は「(現在は処分方法を検討している段階で)国の小委
員会での結論を待つ」との立場を維持したため、規制委と厳しいやりとりとなっ
たと報じられた。
 更田氏は「東電が自ら選択肢を示したくないから、先頭に立つ覚悟がないから、
国に判断を委ねていると言われてしまう」「困難な廃炉作業と闘っている大勢の
仲間への裏切りになる。リーダーシップを示してほしい」などと発言した。
 小早川社長は「廃炉を推進する主体者として意見を肝に銘じるが、現段階では
風評(が生じないこと)に最大限配慮し、私どもが判断すべきではない」と、放
出の判断時期などは答えなかった。

◎ 「福島民友」など地元紙は大きく取り上げたが、東京ではほとんど話題にな
っていないこのやりとり。この議論では、トリチウムの環境や健康への影響など
は一切話題になっていない。


.. 2018年06月20日 10:16   No.1424002
++ 山崎久隆 (社長)…775回       
2.トリチウムの危険性

◎ トリチウムは宇宙放射線により大気圏上層でも生成されるため、一定の割合
で地球上に存在する。規制庁などは、その影響を受けている地球環境や生物は、
原子力施設からのトリチウムの放出があっても、排出規制以下ならば影響はない
との立場だ。
 しかし問題はそう単純ではない。環境中に存在するトリチウムは、希薄に拡散
した状態で存在するが原子力施設からのトリチウムは、放出される地域では高い
濃度で存在する。

◎ 例えば原子力施設からのトリチウムの放出の規制基準は1リットルあたり6
万ベクレルだが、自然界にはこんな高濃度では存在しない。さらに大量の水で希
釈して放出すればよいと考えるかもしれないが、6万ベクレルをどこまで希釈す
るのか。その倍数だけ海水が必要となり、その分長期間かかる。
 トリチウムは水素と同じ化学的性質を持つため、生体内では様々なところに取
り込まれる。特に問題なのがDNAの中にも存在することだ。

◎ DNAの構成分子となったトリチウムは半減期12.3年で別の元素に変化する
が、その際にベータ線を出して化学活性が全く異なるヘリウムになる。ベータ線
被ばくの影響に加え、ヘリウムではDNAの鎖は維持できないので切断される。
この影響も無視できない。細胞のガン化はDNA鎖の切断が一つの原因だからだ。
 その他にもベータ線被ばくを含む影響を生体内の各所で受ける可能性がある。
 高い濃度でトリチウムが存在する環境中にいると、生体内のトリチウム濃度も
上がるので、DNAなど生体組織内に存在する確率も高まる。

◎ 大量のトリチウムを放出する性質のあるカナダ型重水炉(CANDU炉)ピ
カリング原発周辺で白血病が多発したとの報告があった。
 このためカナダ・オンタリオ州の飲料水諮問委員会は州環境省長官に対して、
飲料水に含まれるトリチウムの上限値を1リットルあたり20ベクレルとする内容
の報告書を提出した。日本では1万ベクレルである。
 福島第一原発のような沸騰水型軽水炉よりも玄海原発のような加圧水型軽水炉
のほうがトリチウムの生成と放出量は大きい。玄海原発の周辺で白血病が増えて
いるとの報告もある。

.. 2018年06月20日 10:22   No.1424003
++ 山崎久隆 (社長)…776回       
◎ なお、原子力研究開発機構の文書によると、トリチウムは放射線等により自
然界で生成されるのが約7京ベクレル/年。自然界での存在量は地球全体で約
100〜130京ベクレル。
 日本周辺(領土領海と排他的経済水域)での自然由来の生成量は年間約110〜
670兆ベクレル。環境中へのトリチウム排出量は、自然由来と原子力施設由来がこ
れまでは同程度とされてきた。
 事故前の原発近隣海域のトリチウム濃度は0〜21ベクレル/リットルという。
 過去の核実験により生成したのは約18,000京〜24,000京ベクレル(1945〜
1963年)。このうち、日本周辺においても今なお、最大約1.4〜10.9京ベクレル程
度が残留する。

◎ 一方、福島第一原発に溜まるトリチウム汚染水は約800兆ベクレルで事故時に
は100〜500兆ベクレルを放出した。未だ燃料中などに残るのは1800兆ベクレルと
される。
 核実験由来はいずれ消滅するが、自然由来は変化しないと仮定すれば、主に原
子力関連からの排出が増加要因となる。
 今は再処理工場も大半の原発も停止しているため減りつつあるが、これらが稼
働したら増加に転じ、相対的に影響が大きくなる。

◎ 自然生成と人工生成の最も大きな違いは、発生場所が面か点かだ。原発など
からの放出位置の濃度に対して約10km下流では約1桁低下、約50km下流では約2
桁低下、約100km下流では約3桁低下とされるから、放出点から6万ベクレル/リ
ットルの汚染水を流すと100キロ先でも600ベクレルあり、天然の存在量よりも高
い濃度だ。 

.. 2018年06月20日 10:31   No.1424004
++ 山崎久隆 (社長)…777回       
トリチウム汚染水を海洋投棄しないで  (「その2」)
 | 核の汚染を拡大してはいけない
 |  100年貯蔵をすれば線量率は6%程度にまで下がる
 └──── (たんぽぽ舎副代表)

◇3.風評被害だけではない

◎ 東電は、トリチウム水の放出は風評被害を引き起こす可能性があるの
で、おいそれとは流せないと言っている。地元の漁業関係者や農業関係者
をはじめ多くの人々が大きな危機感を持っている。
 「風評被害」とは、実態としての害はないのに、うわさや誤った前提に
基づき起こる悪い評判により経済的被害を受けることだが、トリチウムの
放出については風評とは言えない。
 福島第一原発事故で大量の放射性物質が放出され、今でもキノコや山菜
類からは100ベクレル(1キロあたり、以下同じ)を超えるセシウムが検出
されている。
 魚も同様で、福島第一原発専用港内で捕れる魚にはしばしば100ベクレル
を超える高い汚染が見つかる。
 基準の100ベクレルも安全な値とはいえない。99ベクレルならば問題はな
いのか。そう考えない人は多いし、実際に証明できるわけでもない。摂取
した量に比例して影響があると考えるならば、10ベクレル以下で管理すべ
きだ。
◎ 福島第一原発事故は海外で起きた事故ではないので、基準値の近傍の
食品を摂取し続ける可能性がある。その場合、体内存在量は増加する。
 トリチウムの場合、体内濃縮はないとされるが、取り込まれたものは滞
留する。摂取する食品の濃度が高ければ、体内濃度はそれに比例して上が
る。トリチウムの影響を多く受けるのは、必然的に放出点により近い人々だ。
 また、海洋表面から大気中への拡散も起きるので、空気中の濃度も上がる。
 雨が降れば飲料水などにも混入する。最近の降水中のトリチウムは0.5ベ
クレル/リットルを下回っているが、これが再び上がるかもしれない。

.. 2018年06月21日 08:33   No.1424005
++ 山崎久隆 (社長)…778回       
◎ 先のカナダの例のような健康被害を指摘する報告は多い。日本では玄
海原発や泊原発の周辺地域でがんや白血病の増加を指摘する報告もある。
これを国や事業者は認めていない。
 しかし水俣病やイタイイタイ病などの公害病も、当初は原因物質を認め
ていなかった。健康被害の規模が大きくなり、沢山の人が犠牲になるまで。
 トリチウムも、そのような事態になりつつあると考える。

◇4.トリチウム汚染水は100年貯蔵を

◎ 一般に放射性物質は、半減期の10倍の時間が経過すると線量率は3桁
下がる。
 トリチウムの場合は123年後には、800兆ベクレルは8000億ベクレルにな
る。これでも高いが、85万トンの水に含まれるから、1リットルあたり1000
ベクレル以下だ。
 半減期の10倍の時間をかければ、海に流せる濃度(50倍に希釈すれば20
ベクレル程度)にまで下げられる。東電はサブドレン水などの海洋放出基
準を1500ベクレルで管理している。その水準に下げるには時間をかけるこ
とが最も確実だ。
 燃料と瓦礫の混ざった「デブリ」も100年貯蔵をすれば、線量率は6%程
度にまで下がる。
◎ 時間をおくことは地元の人たちにとって、一見その間何も変わらない
ように見える。だからこそ丁寧な説明をし、津波等でも放射性物質の拡散
を引き起こさないような対策を取ることで納得を得るほかはない。
 場当たり的に中をいじり、拡散のリスクを招いたり、トリチウム汚染水
を海に投棄するような対策は、責任ある後始末の方法ではない。 (了)

 *大きな数の表記の意味は以下の通りです。
  「億」…10の8乗、「兆」…10の12乗、「京(けい)」…10の16乗
(2018年6月10日発行「脱原発東電株主運動ニュース」

.. 2018年06月21日 08:39   No.1424006
++ 渡辺悦司 (大学生)…72回       
馬場有浪江町長の訃報
 |  胃がんの手術後に被曝量の高い地域に帰還すべきではなかった
|  今回の訃報は非常に多くの一般住民が、がんになったり病気に
 | なったりして亡くなっていっていることを示唆
 └────  (市民と科学者の内部被曝問題研究会)

◎ 前信で体調不良による辞職をお伝えしました福島県浪江町の馬場有町長です
が、本日13時のNHKニュースが今日の午前9時半ごろに亡くなったことを伝え
ました(69歳でした)。
 同町長が住民のために果した積極的な役割も、帰還・復興政策での客観的には
危険な役割もまとめられています。

◎「福島浪江町 馬場町長が死去 震災復興と原発事故対応に奮闘」
                2018年6月27日NHK12時51分

 東日本大震災と福島第一原発の事故のあと、復興事業の指揮をとってきた福島
県浪江町の馬場有町長が27日朝、入院先の病院で亡くなりました。69歳でした。
 浪江町の馬場町長は浪江町議会議員や福島県議会議員を経て、平成19年の町長
選挙で初当選し、現在3期目で、7年前の福島第一原発事故の発生直後は国と東
京電力から情報が届かない中、すべての町民の避難など事故への対応を指揮しま
した。
 大半の地域で避難指示が今も続く町の復興事業に取り組んできたほか、町が1
万5000人の住民の代理人となって東京電力に慰謝料の増額を求めるなど、国や東
京電力と対じする姿勢で知られました。
 しかし平成26年に胃がんの手術を受けたあとたびたび体調を崩し、ことしの春
ごろからは公務を欠席することが増え、治療のため任期を1年半残して今月30日
付けで辞職することになっていました。
 馬場町長は辞職が決まったあと入院先の福島市の病院で治療を受けていました
が、関係者によりますと、27日午前9時半ごろ、亡くなりました。69歳でした
―引用終了

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.. 2018年06月28日 07:58   No.1424007
++ 渡辺悦司 (大学生)…73回       
◎ 私の前信で、町長の胃がんの手術を2013年と書きましたが、NHKの記事に
よればこれは間違いで2014年でした。お詫びして訂正します。
 いずれにしろ、胃がんの手術後に被曝量の高い地域に帰還すべきではなかった
ことだけは確かです(昨年3月末と報道)。
 胃がんは、一般には術後の生存率が良好ですが、被曝状況下では、決してこの
ようなことはありません。
 チェルノブイリ事故では、事故前に57〜62ヵ月あった胃がんの診断後の生存期
間が、事故6年後に15.5ヵ月にまで短縮し、事故10年後には2.3ヵ月にまで激減し
てしまったという調査があります(核戦争防止国際医師会議ドイツ支部著・松崎
道幸監訳『チェルノブイリ原発事故がもたらした

◎ しかも、最近、この現象を説明する機序の1つも解明されてきました。
 それは(1)放射線がもたらす「炎症」と、(2)「炎症」によるがんの進行・
悪性化(浸潤・血管新生・転移)の加速・促進、というメカニズムです。
 炎症による作用は、発がんだけではないのです。
 この、放射線による炎症とその炎症によるがん進行・悪性化の促進という内容
は、デヴィータ『がんの分子生物学 第2版』、宮澤ほか『がん増殖と悪性化の分
子機構』など、教科書的な文献にすでに取り入れられています。

◎ すでに、環境・復興行政関係では、環境大臣政務官、復興副大臣が若くして
がんで死去していることは、以前にお伝えしました。
 もちろん、個別の事例について放射線関連を証明することは不可能に近いでし
ょうが、これだけ連続して起こるということは、もはや単なる偶然とは言えない
でしょう。
 今回の訃報は、非常に多くの一般住民が、ニュースにならないまま、がんにな
ったり、病気になったりして、亡くなって行っていることを示唆しています。
 帰還政策を中止し、チェルノブイリ法の基準(年間5mSvで強制移住、1mSvで
移住の権利の保障)で避難を組織しなければなりません。

.. 2018年06月28日 08:08   No.1424008
++ 渡辺悦司 (大学生)…74回       
◎ 放射能は「見えない危険」「見えない敵」ですから、予防的な措置を講じな
ければ、一般住民は言うに及ばず、行政側、権力側の人々も、例外なく犠牲は避
けられないということなのです。

.. 2018年06月28日 08:19   No.1424009
++ 上岡直見 (高校生)…65回       
東海第二原発緊急事態では首都圏も避難範囲に
 |  緊急事態を想定した首都圏への放射能影響試算
 └──── 〔環境経済研究所(技術士事務所)〕

 東海第二原発の再稼働が注目されており、また原研再処理施設はより無防備な
状態で大量の放射性物質を貯留しています。
 これらの緊急事態を想定した首都圏への影響の試算を行いました。

【資料】東海第二原発・再処理施設
    緊急事態の首都圏への影響シミュレーション
    以下を参照
こちら

 なお結果は簡略化した条件であり今後改訂してゆく予定です。

.. 2018年06月28日 08:25   No.1424010


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