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◎ なお、原子力研究開発機構の文書によると、トリチウムは放射線等により自 然界で生成されるのが約7京ベクレル/年。自然界での存在量は地球全体で約 100〜130京ベクレル。 日本周辺(領土領海と排他的経済水域)での自然由来の生成量は年間約110〜 670兆ベクレル。環境中へのトリチウム排出量は、自然由来と原子力施設由来がこ れまでは同程度とされてきた。 事故前の原発近隣海域のトリチウム濃度は0〜21ベクレル/リットルという。 過去の核実験により生成したのは約18,000京〜24,000京ベクレル(1945〜 1963年)。このうち、日本周辺においても今なお、最大約1.4〜10.9京ベクレル程 度が残留する。
◎ 一方、福島第一原発に溜まるトリチウム汚染水は約800兆ベクレルで事故時に は100〜500兆ベクレルを放出した。未だ燃料中などに残るのは1800兆ベクレルと される。 核実験由来はいずれ消滅するが、自然由来は変化しないと仮定すれば、主に原 子力関連からの排出が増加要因となる。 今は再処理工場も大半の原発も停止しているため減りつつあるが、これらが稼 働したら増加に転じ、相対的に影響が大きくなる。
◎ 自然生成と人工生成の最も大きな違いは、発生場所が面か点かだ。原発など からの放出位置の濃度に対して約10km下流では約1桁低下、約50km下流では約2 桁低下、約100km下流では約3桁低下とされるから、放出点から6万ベクレル/リ ットルの汚染水を流すと100キロ先でも600ベクレルあり、天然の存在量よりも高 い濃度だ。
.. 2018年06月20日 10:31 No.1424004
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