|
東京電力の東通原発計画再始動をとめよう (下) | └──── (たんぽぽ舎副代表)
3.関西電力の使用済燃料中間貯蔵計画
東北以外に、関電、中部電の名も上がっている。このあたりになると原発参入 に何処まで本気かは、かなり疑わしい。使用済燃料の中間貯蔵施設立地に悩む関 電が東北地方に目を付けているのではないかと疑われる。特に関電はむつ市に燃 料を運びたがっている。 むつ市に設立された東電と日本原子力発電の子会社「リサイクル燃料貯蔵」に ついては今年1月に関電の使用済燃料を運ぶ計画があると日経新聞等で報じられ て地元では大騒ぎになった。 むつ市長が「とうてい受け入れられない」「協議に応じることは現時点で全く 考えていない」。リサイクル燃料貯蔵側は「関電からの受け入れは想定していな い」。関電も「むつ市での貯蔵は検討していない」などと関係者総出で火消しに 躍起になっているが、水面下で様々な折衝が行われているだろうことは容易に想 像がつく。
関電は、中間貯蔵施設を原発のある福井県ではなく県外に設置するとしている。 2020年頃までに計画地を決定し、2030年頃に操業を開始するとし、2018年中には 候補地を明らかにするとした。「リサイクル燃料貯蔵センター」と名称まで既成 事実のようにホームページに掲載している。 関電の原発では、再稼働した高浜原発の使用済燃料プールが満杯に近づいてい る。管理容量を超えるのは約6年後。他の原発では敷地内に乾式貯蔵施設を作っ て凌ぐが、高浜原発では県外に搬出すると約束したので原発敷地内での乾式貯蔵 は最初から選択肢にはない。
3月29日に東電は、唐突に柏崎刈羽原発から使用済燃料69体を、7月から9月 にかけて「リサイクル燃料貯蔵」に輸送するとプレス発表を行った。この施設は 今年後半の操業開始を目指して現在、原子力規制委員会の審査を受けている段階 だというのに。 柏崎刈羽原発は再稼働しているわけではない。従って輸送に緊急性はないから、 この輸送は「第1号は東電の燃料を」といった意味なのであろう。今後輸送され る使用済燃料の中には、別の原発のものがあるかもしれない。
.. 2018年05月28日 08:28 No.1410001
|