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氾濫するインスタント食品
画期的なインスタントラーメンの発明は、私が子どもの頃のことでした。当時は、簡単にお腹を膨らますこれといった食べ物は、とうもろこしや焼き芋などでした。そこに突如として現れたのがインスタントラーメンだった。以来、インスタントラーメンとの付き合いは数十年におよびました。
無知だった学生時代には、インスタントラーメンに生卵を入れ、それをおかずにご飯を食べたものでした。各種のインスタント食品の中で最もなじみの深いものはインスタントラーメンでしょう。
日本即席食品工場協会という団体によると、インスタントラーメンの生産量は、袋麺に加えてカップ麺が市場に登場した1971年の36億5400万食が、2012年には1・5倍の54億7600万食となった。生まれたばかりの赤ん坊を含めた日本人のひとり当たり年間消費量は、今や43食に達しているのです。
韓国、インドネシア、ベトナム、マレーシアに次ぐインスタントラーメン愛好国家なのです。インスタント食品はラーメンだけではありません、日本では実にさまざまなインスタント食品が輸入、製造、消費されています。
ラーメン、うどん、パスタ、そばなどの麺類、白飯、カップめし、カレー、シチュー、雑炊、チャーハンなどのご飯もの、野菜の煮物、ハンバーグ、餃子、ワンタン、中華料理、お茶漬けの素、味噌汁、吸い物、コーヒー、お茶、各種スープ類など、あげたら切りがないほどです。
どの家庭の台所にも、封を切ったままの食べ残しや非常食として保存しているものなど、なにかしらのインスタント食品があるはずです。新しい食品表示法について、「週刊文春」(2013年9月5日号)の取材に答えたことがありました。発売後間もなく日本即席食品工場協会専務と名乗る方から電話をいただいた。
その電話は業界の利益を代表する姿勢の強いものだった。わたしの指摘は、2013年6月に国会を通過した栄養成分の表示方法の統一を謳った食品表示法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)を検討した結果、このままでは関係法律である食品衛生法、JAS法、健康増進法などに屋上屋を架すだけで、効果が乏しいというものだった。
.. 2018年04月27日 13:25 No.1391002
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