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事業者も原子力規制庁も「まだ裕度があるから持つ」というが、最初のころは 3倍以上の裕度が、現在は1.何倍と、微妙な余裕。計算を少し変えれば簡単に 覆る程度が残っているだけである。 圧力容器を下で支えるボルト、原子炉圧力容器の基礎ボルトは、規制基準改定 前の保安院によるバックチェック時点と1009ガルまで基準地震動がかさ上げされ た現在とでは大きく余裕を食い潰し、ギリギリになっている。 また、圧力容器を上部で支え、水平方向の揺れを吸収する役割を持つ圧力容器 スタビライザは、もはや限界を超えている。
原電は自らのホームページで次のように主張する。 『安全裕度評価結果の概要』『設計上で想定している地震(基準地震動600ガル) の1.73倍大きい地震(約1,038ガル相当)に耐えられることを確認。 安全対策の強化前と変わらず、耐えられる地震の大きさは「原子炉圧力容器ス タビライザ」が損傷するまでの地震の大きさであり、想定の1.73倍です。』 これはストレステストでの評価だ。 クリフエッジが1,038ガルで、基準地震動が1,009ガルに引き上げられた結果、 裕度が1.03倍にまで食い潰されてしまった。 実際に地震が起きたら、基準地震動を超える地震に遭遇しなくても圧力容器ス タビライザは破損するだろう。基準地震動を下回っても揺れの評価が誤っていれ ば同じことが起きるからだ。 東海第二原発とは、そんな原発である。
<火山影響評価ガイド> 原子力規制委員会が策定した審査の内規。 (1)原発から160キロ圏内にあり、将来の活動可能性がある火山について、原発 運用期間(原則40年)に活動する可能性が十分小さいかどうかを判断する (2)判断できない場合は運用期間に発生する噴火規模を推定する (3)推定できない場合は、対象火山の過去最大の噴火規模を想定し、火砕流が 原発に到達する可能性が十分小さいかどうかを評価する−と定めている。 火砕流到達の可能性が十分小さいと評価できない場合は「立地不適」となる。 (大分合同新聞3月30日より) (初出:月刊「たんぽぽニュース」2018年4月No26)
.. 2018年05月09日 09:51 No.1388009
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